2008年9月14日日曜日

第23回 最新版のUbuntuでWiiリモコンを使う方法

2007/12/06まで済み


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 最新版のUbuntuでWiiリモコンを使う方法
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最近は、出版社からの原稿依頼、某雑誌の取材への対応など意外
な仕事が舞い込んで、忙しい日々が続きました。

やっと一段落して、あとは発売を待つばかりの状態です。

さて、今回は、Wiiリモコンをマウス代わりに使う方法です。
Fedoraについては、まだFedora8で試していないので、今回は
省略します。

Linux100%の原稿のやりとりの中で、この件についての問い
合わせがあり、改めてGustyで試したときに書いた記事が
下記のものです。


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参照記事:2007年11月02日

 Ubuntu GutsyでWiiリモコンを使う方法
 http://blog.livedoor.jp/vine_user/archives/51167140.html

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 Wiiリモコンで何ができるのか?
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一言でいうと、マウスで出来ることはほとんど出来ます。
ボタンの割り当ては変更可能ですが、初期状態では次のような
割り当てになっていると思います。

 Aボタン=左クリック
 Bボタン=中クリック
 十字ボタンの上ボタン=upスクロール
 十字ボタンの下ボタン=downスクロール

上記の記事と比べると、右クリックがありませんね。これは、
はじめ右クリック
が効かなかったため、記事の中では
/etc/X11/xorg.confのSection "InputDevice"の部分
に、次の行を加えて右クリックが使えるようにしているからです。

 Option "Emulate3Buttons" "true"

ここの部分は、いろいろと調べて解決方法を見つけたんです。

マウス代わりに使って何が面白いのかと思われるかも知れま
せんが、プレゼンテーションなどで遠隔操作できるという利点
があります。知人の情報では、実際に学会で利用している人が
いたそうです(おそらくWindowsで)。

個人的には、Beryl(CompizFusionの前身)をWiiリモコンで操作
しているYouTube動画があり、試してみたかっただけですが。


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 必要なもの
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・Ubuntu GustyをインストールしたPC
・BlueTooth USBアダプタ
・Wiiリモコン (Wiiの本体は不要)
・赤外線LED2つ、LEDソケット2つ、電池ボックス2つ、配線
1m程度

BlueToothアダプタは、PLANEXのBT-01UDEという機種を使いまし
たが、Ubuntuで認識してくれればどのメーカーでも構わないと
思います。

最後の赤外線LEDなどは、Wiiリモコンに内蔵されている赤外線
センサを利用するときに必要なものです。
Wiiのセンサーバーの代わりに使います。

加速度センサを使う場合には必要ありませんが、実際に使って
みると、加速度センサはかなり使いづらいです。


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 Wiiリモコンを使えるようにする設定方法
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まず、BlueToothアダプタが認識されているかどうか、次の
コマンドで確認してください。
Gnomeパネルの右上の部分に青いアイコンが表示されていれば
問題なく認識されていると思いますが、念のため。

$ hcitool scan
Scanning ... ←この表示が出ればOK。

以前は、ドライバを個人的に配布しているサイトがあり、
そこからダウンロードしましたが、現時点では、Ubuntuの
標準リポジトリであるuniverseリポジトリに含まれています。
HDDにインストールしたUbuntuでは、最初から有効になっている
と思いますので、Synapticパッケージマネージャか、apt-get
コマンドで簡単にインストール出来ます。

$ sudo apt-get install libcwiid0 libcwiimote-0.2 wminput

【xorg.confの設定】
最後に、/etc/X11/xorg.confの内容を次のように変更します。

■ 次の6行を最終行に追加

Section "InputDevice"
 Identifier "Wiimote"
 Driver "evdev"
 Option "Name" "Nintendo Wiimote"
 Option "Emulate3Buttons" "true"
EndSection

■ Section "ServerLayout"の中に次の1行を追加

 InputDevice "Wiimote" "AlwaysCore"

これで、Xウィンドウを再起動すれば準備は終了です(ログイン
しなおすだけで構いません)。

【赤外線センサーを使って起動する】
次のコマンドで起動します。ただし、事前にセンサーバーの
代用として、赤外線LEDを用意しておく必要があります。
ディスプレイの上部か下部に15cmほど離して2つ並べ、ONに
しておいてください。

$ sudo modprobe uinput
$ sudo wminput -c ir_ptr

これで、次のような表示が出れば成功です。

Put Wiimote in discoverable mode now (press 1+2)...

この記述内容にしたがって、1ボタンと2ボタンを同時に
押し、Wiiリモコンを動かせば、その動きに合わせてマウス
カーソルが移動するよう状態になっているはずです。


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 編集後記
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最後の$ sudo modprobe uinput の部分は、Wiiリモコンの
uinputというドライバを読み込んでいるんです。
前回の記事に関連したところです。


改めて、宣伝しておきますが…。
Linux100% vol.2が出ます。12月13日発売の予定です。

ブログにも書いたように、僕もGoogle関連とSecondLifeの
ページを担当しました。他のページに合わせた編集を加えて
いただいたので、もとの原稿と多少変更されていますが、
この部分に関しては僕の責任ですので、不明な点がありましたら、
下記の記事にコメントして下さい。

http://blog.livedoor.jp/vine_user/archives/51181462.html

取材を受けた某雑誌については、発売予定日だけ書いておきます。
12月25日発売の予定です。


次回の配信は、12月12日の予定です。お楽しみに!

第22回 ハードウェアの基礎知識

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 ハードウェアの基礎知識
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今回のテーマについては、僕自身よくわかっていないことが多いですが、
Wiiリモコンをはじめとして、いろいろなハードウェアを利用していく
上で参考になりそうな話をまとめておこうと思います。


このメルマガはLinux初心者用に書いているつもりですが、Linuxに
ついては初心者でも、Windowsやハードウェアには精通しているという
方も多いかも知れません。また、僕より詳しい方もたくさんおられると
思いますので、間違いや勘違いしていることがありましたら、遠慮なく
ご指摘いただければ…と存じます。


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デバイスドライバ
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PCに搭載されている、または、新たに追加したさまざまなハードウェア
(デバイス)を利用するには、専用に書かれたソフトウェアが必要です。
そのようなハードウェア制御を担当するソフトウェアを一般にデバイス
ドライバと呼んでいます。

例えば、TV視聴用のキャプチャーボードなどを新たに購入すると、
ドライバが入った付属のCD-ROMが付いてきます。ところが、大抵の場合、
これらはWindows用のドライバであり、通常、Linuxでは使えません。

それでは、Linuxではキャプチャーボードは使えないのかというと、
そうでもありません。なぜなら、独自にLinux用のドライバを開発して
いる人(あるいはグループ)がいるからです(ぱ研さんなど)。

これはキャプチャーボードに限った話ではなく、HDDもそうですし、ネット
ワークカード(あるいはチップ)もそうです。PCに積んである各種チップに
ついても、それぞれのドライバが必要です。

最近のディストリビューションでは、通常のPCに搭載されているほとんど
のハードウェアのドライバがLinuxカーネルあるいはそのモジュールとして
組み込まれているため、先に挙げたキャプチャーボードなど一部のものを
除けば、あえて意識しなくても、多くの機能を使うことができるように
なっています。

例えば、3年程前は、ギガビットのネットワークチップもカーネルを再構築
しないと利用することが出来ませんでしたが、今では何もしなくても使える
ようになりました。


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カーネルモジュール
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Linuxの場合、ドライバはカーネル本体に組み込まれているものと、利用時に
動的に読み込むモジュールとして実装されているものがあります。

カーネル本体は基本的なドライバだけ組み込み、多くのドライバはモジュール
として実装されています。

モジュールとして構成されたドライバは、カーネルに読み込まれないと利用でき
ません。モジュールを読み込むには、insmodというコマンドが利用されます。

また、モジュールに依存関係があり、複数のモジュールを読む込む必要がある
場合は、modprobeというコマンドを使えば、必要なモジュールについて
insmodを実行してくれます。したがって、稼働していないモジュールを読み
込むときは、modprobeを使った方がいいでしょう。

(例)# /sbin/modprobe sk98lin

上の例は、Marvellのギガビットネットワークチップのモジュールです。

現在利用できる(または使用中の)モジュールは、# /sbin/lsmod または
# cat /proc/modules というコマンドを実行すればわかります。
何が何のためのモジュールなのかは必要なときに調べればいいことです。

ちなみに、# /sbin/rmmod -a を実行すれば、利用されていないモジュール
を削除してくれます。

また、各モジュールの詳細な情報は、下記のコマンドで得られます。

# /sbin/modinfo (モジュール名)

カーネルにもともとモジュールとして実装されているものについては、単に
modprobeで読み込めばいいのですが、先に挙げたキャプチャーボードの
ドライバのように、自分でコンパイルしてから読み込まなくてはならない
ものもあります。


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ハードウェアの情報を調べる
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Linuxには、現在稼働しているハードウェアの情報を教えてくれるGUIの
アプリケーションや便利なコマンドが用意されています。

【システムモニタ -GUIツール】
CPU使用率やメモリの使用状況などを表示します。これはどのディストリビュー
ションにも付属しているので、みなさん利用されていると思います。
場所:アプリケーション→システムツール→システムモニタ

【Hardware Lister -GUIツール】
バイオスのバージョンやそれぞれのハードウェアについてのドライバ情報など
詳細に表示します。ハードウェアの障害時に技術担当者へ提示する際に役立つ
かも知れませんが、実用的なのはドライバの名称の確認くらいですかね?
Fedoraでは、yumでインストールできます。

# yum install lshw lshw-gui

場所:アプリケーション→システムツール→Hardware Lister

【NVIDIA X Server Settings -GUIツール】
nVIDIAドライバを入れると、追加されます。デュアルディスプレイの設定など
ができるようですが、まだ試していません。

場所:アプリケーション→システムツール→nVIDIA Display Settings


【ハードウェア情報関連のコマンド】
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# dmesg
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現在稼働しているハードウェアの情報を詳細に表示します。量が多いので、
通常は、関連するキーワードをgrepで検索して使います。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
# df
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ハードディスクやリムーバブルメディアの使用率などを表示します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
# cat /proc/cpuinfo
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
CPU情報を表示します。/procディレクトリのファイルをcatしてみると、
他にもいろいろな情報が得られます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
# sensors
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
CPUやグラフィックチップの温度などを表示します。バイオスの情報を取り
出しているのではないかと思いますが、詳細は不明です。
lm_sensorsというパッケージをインストールしないと使えません。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
# top
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
CPUの使用率やプロセスの利用状況などを表示します。主に、サーバーの
監視用に使われますが、デスクトップ用途でも、どのアプリケーションが
メモリを食っているか確認できるので、便利です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
# nice
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
プロセスの優先順位を設定します。-20〜19までの幅があり、小さい値ほど
優先度が上がります。マイナスの値はrootでしか指定できません。

(例) # nice -n -5 top :topコマンドの優先順位を−5に設定。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
# /sbin/ifconfig
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これは以前にコマンドの説明で紹介しましたが、ネットワークカードの
情報を表示します。IPアドレスを調べたりするのに便利です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
# /sbin/hdparm -I /dev/sda(など)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ハードディスクの詳細な情報を表示します。/dev/sdaの部分は表示
するHDDやUSBに対応するデバイス名を指定します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
# /sbin/hdparm -tT /dev/sda(など)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ハードディスクのアクセススピードを計測します。/dev/sdaの部分
は計測するHDDやUSBに対応するデバイス名を指定します。
-tオプションは、読み込みの速度、-Tオプションは書き込みの速度の
指定です。ちなみに、今使っているPCの計測結果は以下のとおり。

# /sbin/hdparm -tT /dev/sda

/dev/sda:
Timing cached reads: (省略) 713.05 MB/sec
Timing buffered disk reads: (省略) 40.20 MB/sec

この値に比べて極端に遅い場合は、DMA転送が有効になっていないかも
知れません。DMA転送は次のコマンドで有効にできます。

# /sbin/hdparm -d1 -k1 /dev/sda

-k1は設定を保存するためのオプションです。また、-Xというオプション
を使うと、HDD速度の設定を変更できますが、通常は最適値になっている
と思います。危険ですので、変更しない方が無難です。


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編集後記
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秋から冬にかけては、本業が忙しく、ブログの更新も遅れがちですが、
可能な限り、ネタを探していろいろとチャレンジしていきたいと思っています。

Linuxを触っていると、いつの間にかハードウェアの知識も増えていきます。
逆に、それが必要になるということでもあるわけですが…。

何かトラブルがあったとき、それを困ったと思うかチャンスと思うかは、
考え方1つで変わります。
いらいらしないで、じっくり付き合っていきましょう。

次回の配信は、12月6日の予定です。

第21回 Linuxのセキュリティー対策《その3》

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 Linuxのセキュリティー対策《その3》
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最近は,Fedora8にすっかりハマっています。職場にこっそり導入した
Fedora7のXOOPSサーバもアップグレードしようかと,目論んでいる
今日この頃です。


今回は,前回に引き続き,「不要なサービスを止める」というテーマで
具体的なサービスについてまとめてみます。主にFedora8やFedora7の
解説ページを元にしていますが,Ubuntuなど他のディストリに共通する
ものも多く含まれています。


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 不要なサービスを止める方法 ー Part2 ー
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参照サイト:Fedora8
http://www.mjmwired.net/resources/mjm-services-f8.html

参照サイト:Fedora7
http://www.mjmwired.net/resources/mjm-services-f7.html


不要なものについては,それぞれ下記のランレベルでOFFに設定します。

Fedoraの場合:ランレベル5&ランレベル3
Ubuntuの場合:ランレベル2


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■ 停止してはいけない,または停止しない方がいいサービス
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下記のサービスは,ハードウェアの認識やシステムに関わるものです。
停止可能なものもあるかも知れませんが,よほど特別な事情がない限り,
OFFにすべきではありません。

・ConsoleKit
・crond
・auditd
・autofs
・haldaemon
・kudzu
・messagebus
・nasd
・ntpd
・smartd
・udev-post
・network
・rsyslog
・readahead_early
・readahead_later
・xinetd

アップデート関連:アップデートの告知が不要ならOFFでよい。
・yum-updatesd

ファイアウォール関連
・iptables:ファイアーウォールの本体。切らない方がよい。
・ip6tables:IP6を使わなければOFFにしてよい。

SELinux関連:SELinuxを使わなければOFFにしてよいが,
切らない方がよい。
・restorecond
・setroubleshoot
・mcstrans

マルチCPU関連:デュアルコアCPUやHT機能をもつCPUではONに設定。
・irqbalance

Xwindow関連
・gpm:テキストモードでログインしない限り,OFFでよいが,
   テキストモードでON,GUIでOFFに設定すべき。

電源管理
・acpid:停止すると,suspend, sleep, wakeupでトラブルが
   生じる可能性もある。

DHCPでネットワークを利用する際に必要
・dhcdbd


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■ 停止してもいいサービス
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下記のサービスは,それぞれの機能を利用しない場合,停止してもよい
ものです。

【デスクトップ/ラップトップでは通常必要ないサービス】
・NetworkManager, NetworkManagerDispatcher
・anacron, atd
・avahi-daemon, avahi-dnsconfd
・capi
・lisa
・netconsole
・netplugd
・nscd
・smolt

【Bluetooth機器を利用する場合に必要】
・bluetooth, hcid, hidd, sdpd, dund, pand

【Bittorrentを利用する場合に必要】
・btseed, bttrack

【AMD PowerNowやインテルSpeedStepの利用に必要】
・cpuspeed

【プリンタでCupsを使用する際に必要】
・cupsd, cups-config-daemon

【HPのプリンタを使用する際に必要】
・hplip, hpiod, hpssd

【WEBサーバを構築する際に必要】
・dc_client, dc_server
・httpd

【インストール直後のブート時のみに利用される】
・firstboot

【赤外線機器を利用する際に必要】
・irda, irattach
・lirc

【ISDNを利用する際に必要】
・isdn

【lm-sensorsを利用する際に必要】
・lm_sensors:ハードウェアの温度など情報を調べるもの。

【RAIDやLVMを利用する際に必要】
・mdmonitor

【NFSやSambaなどのファイル共有を自動起動する際に必要】
・netfs

【NFSを利用する際に必要】
・nfs, nfslock
・rpcbind
・rpcgssd, rpcidmapd, rpcsvcgssd

【Sambaを利用する際に必要】
・nmbd
・smb

【スマートカードを利用する際に必要】
・pcscd

【テキストモードでメールを利用する際に必要】
・sendmail
 ※ Thunderbird, Kmail, Evolutionなどの通常のGUIの
  メールクライアントでは不要。

【リモートコマンドのSSHを利用する際に必要】
・sshd


だいたいこれで網羅していると思われますが,どんなアプリケーションを
導入しているかによって,上記では取り上げていないサービスが含まれる
場合もあります。
逆に,例えば,Apacheをインストールしていなければ「httpd」の項目
はないはずです。

ちなみに,Wiiリモコンを使うときは,Buetooth関連を有効にしておかな
ければなりません。

あまり神経質になる必要はないですが,不要なものは止めておくべきだと
思います。

また,FirewallやSELinuxは,どうしても必要な機能に不具合が生じない
限り,有効にしておきましょう。ルータにもFirewall機能がありますが,
それだけに頼るのは危険です。

種類が多いので面倒ですが,1つ1つ切りながら確かめるのが一番確実です。


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 編集後記
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スパムメールの検出機能をもつ「Spamassassin」についても取り上げ
ようかと思っていましたが,自分でもよくわかっていないので,保留に
しました。

一番確実なのは,ネットワークにつながずにローカルで利用すること
ですが…。Fedora8にBigboardというオンラインデスクトップ機能
が搭載されるなど,インターネットとの連携が進んでいる中,それは
もったいないなさすぎですね。

いろいろチャレンジしてみることも,Linuxの楽しみの1つですけど,
少しセキュリティーについても考えてみようというのが,今回のテーマ
を取り上げた目的です。

次回の配信は,11月29日の予定です。お楽しみに!

第20回 Linuxのセキュリティー対策《その2》

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 Linuxのセキュリティー対策《その2》
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早いもので,今年もあと1ヶ月半となってしまいました。
独学Linuxは一体いつまで続くのでしょうか…。

先日はアクセスが過去最高を記録して,ついに1日のユニーク
ユーザ数がなんと1500名を突破しました(1600に近い数字)。

Fedora8の公開が大きく影響していると思われます。
いつも訪問してくださる方々に,この場をお借りして感謝致します。


今回は、セキュリティーの第2弾として,不要なサービスを止める
方法をまとめてみたいと思います。

稼働しているサービスの中には,停止すると起動不能に陥るものも
ありますので,充分に注意が必要です。慎重にやらないと,最悪
再インストールするはめになります。

実際にどれが不要なのかについては,Fedora8についての詳細な
解説記事(英語です)を発見しましたので,次回に要点をまとめたい
と思います。

新たに調べて知ったことも書いていますので,間違いがありましたら
ご指摘下さい。


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 不要なサービスを止める方法 ー Part1 ー
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■ ランレベル
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Linuxでは、通常のグラフィカルログイン以外でもテキストモードや
シングルユーザモードなどでログインすることができます。このような
それぞれのログイン状態を0〜6の数値で区別したものを「ランレベル」
と呼んでいます。
それぞれのサービスはランレベルごとにON・OFFの設定ができます。

■ 現在のランレベルの確認
$ runlevel または $ who -r
というコマンドで確認できます。

通常のグラフィカルログイン時のランレベルは
 Fedoraの場合:ランレベル5
 Ubuntuの場合:ランレベル2
です。ディストリによって異なりますが、RedHat系は5、Debian系は2
というのが標準らしいです。

ちなみに,ランレベルは
# /sbin/init 3 または # /sbin/telinit 3
というコマンドを使って変更できます。

RedHat系(Fedora,Vineなど)
ランレベル   意味
 0     システム停止処理中
 1     シングルユーザーモード
 2     NFSを使わないマルチユーザーモード(テキストログイン)
 3     フルマルチユーザーモード(テキストログイン)
 4     未使用
 5     グラフィカルログイン
 6     再起動中

Debian系(Debian,Ubuntuなど)
ランレベル   意味
 0     システム停止処理中
 1     シングルユーザーモード
 2     グラフィカルログイン
 3     2と同じ
 4     2と同じ
 5     2と同じ
 6     再起動中

したがって、テキストモードなど他のランレベルでログインしない限り、
Fedoraではランレベル5と6、Ubuntuではランレベル2と6で、その
サービスを止めておけば充分です。

Debian系では,GUIログインとテキストログインの区別がありません。
これは,インストールされている物は使うもの(起動するもの)という
Debianのポリシーにしたがっているようです。

他のディストリにも言えることだと思いますが,特にUbuntuでは,
サービスを止めるというより不要なサーバプログラムははじめから
インストールしない方が懸命です。

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■ サービスの停止方法 --Fedora編
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Fedoraでは、chkconfigというコマンドでサービスの設定を確認すること
が出来ます。使い方は下記を参照して下さい。サービス名とランレベルを
指定して「off」にセットすれば、次回の起動時にそのサービスを停止します。

<起動しているサービスの確認>
# /sbin/chkconfig --list
acpi-support 1:off  2:on  3:on  4:on  5:on
acpid    1:off  2:on  3:on  4:on  5:on
alsa-utils  0:off  6:off
anacron   1:off  2:on  3:on  4:on  5:on
…以下省略

一番左がサービス名、数字とon・offがそのランレベルでの状態を
表しています。

<使用例> rootで実行します。
# /sbin/chkconfig --level 56 httpd off

これはランレベル5・6でhttpd(WEBサーバ)を停止する設定です。

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■ サービスの停止方法 --Ubuntu編
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Ubuntuでは、chkconfigは使えませんが,sysv-rc-confというコマンド
でサービスの設定を確認することができます。
ただし、このコマンドはsysv-rc-confをインストールしないと使えません。
インストール方法と使い方は下記を参照して下さい。

Fedoraのchkconfigと同様、サービスを停止するには、サービス名とラン
レベルを指定して「off」にセットします。


$ sudo apt-get install sysv-rc-conf

<起動しているサービスの確認>
$ sudo sysv-rc-conf --list
acpi-support 1:off  2:on  3:on  4:on  5:on
acpid    1:off  2:on  3:on  4:on  5:on
alsa-utils  0:off  6:off
anacron   1:off  2:on  3:on  4:on  5:on
…以下省略

一番左がサービス名、数字とon・offがそのランレベルでの状態を
表しています。

<使用例> 管理者権限が必要なので,sudoを使います。
$ sudo sysv-rc-conf --level 26 httpd off

これはランレベル2・6でhttpd(WEBサーバ)を停止する設定です。


起動しているサービスはディストリによっても違うし,何をインス
トールしたかによっても異なります。停止してもいいサービスに
ついては次回にまとめますので,今回は確認程度に留めておいた方が
無難かも知れません。


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 編集後記
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Ubuntu7.10もFedora8も…いいですね。甲乙付けがたいです。

まだTV視聴だけは試していませんが,いづれもDVDの視聴やCompizFusion
などなど今までやってきたことは,ほぼ問題なく出来ています。

HPのハイスペックノートPCもFdora8にアップグレードしました。
kagesenshiさんのCompizFusionを使っていた方は,削除しないと
アップグレードがうまくいかないようですね。

次回の配信は,11月22日の予定です。お楽しみに!

第19回 Linuxのセキュリティー対策《その1》

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 Linuxのセキュリティー対策《その1》
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Fedora8は予定どおり公開されるでしょうか?
毎回裏切られるので、やや不安ですが…。

さて、今回から2〜3回に分けて、セキュリティーについて
考えてみたいと思います。

デスクトップOSとして普及するためには、避けては通れない問題です。
サーバとしての対策はいろいろなサイトに詳しく書かれているのですが、
デスクトップ用途ではどこまでやればいいのでしょうか?

専門的なことはよくわかりませんが、とりあえずリストアップしてみると…
・不要なサービス(WEBサーバとか)は止めておく。
・極力rootでログインしない。
・セキュリティーに問題のあるソフトはアップデートしておく。
・ウィルス対策
などでしょう。

とりあえず、この機会に少し勉強しつつ、進めていくことにします。


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Linuxにおけるウィルス対策
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一番気になるのがこれですね。デスクトップ用途で利用している人が
増えてきているとはいえ、Windowsに比べれば圧倒的に利用者が少ない
ため、Linux向けのウィルスというのはほとんどないようです。

ただし、Winodwsとファイル共有するケースが多いと思いますので、
まったく何もしないのも問題がありそうです。

そこで、オープンソースのウィルス対策ソフトを利用してみましょう。
ClamAVというのが有名ですね。これはコマンドラインで利用するもの
ですが、AvscanやClamtkというGUIのソフトもあります。

AvscanはClamAVと連携していて、ウィルスデータの更新もできますが、
Clamtkはデータ更新ができないようです。

今回はClamAVをコマンドラインで使ってみましょう。

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ClamAVのインストール方法
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まず、下のページ(長いので2行に分けます)から、

http://sourceforge.net/project/showfiles.php?
group_id=86638&release_id=384086

最新バージョンのclamav-0.92rc2tar.gzをダウンロードします。

次に、適当なディレクトリで展開します。

$ tar zxvf clamav-0.92rc2.tar.gz

展開したディレクトリに移動して、

$ cd clamav-0.92rc

ログインできないシステムユーザーclamavを作成します。←重要

# useradd -d /dev/null -s /bin/bash clamav

(注意) Ubuntuの場合は、先頭にsudoを加えて下さい。
以下、$で始まるコマンドは一般ユーザ、#で始まるコマンドは
rootで実行します。


あとは、普通にconfigure,makeして…

$ ./configure
$ make
# make install

これで、/usr/local/binにインストールされるはずです。


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ClamAVの実行方法
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それでは、実際にテストしてみましょう!

ソースパッケージのディレクトリに移動して、次のコマンドを打ってみます。

# clamscan test

test/clam.exe.bz2: ClamAV-Test-File FOUND
test/clam-v2.rar: ClamAV-Test-File FOUND
test/clam.cab: ClamAV-Test-File FOUND
test/clam.exe: ClamAV-Test-File FOUND
test/README: OK
test/clam.exe.gz: ClamAV-Test-File FOUND
test/clam.zip: ClamAV-Test-File FOUND
test/clam-v3.rar: ClamAV-Test-File FOUND

----------- SCAN SUMMARY -----------
Known viruses: 165870
Engine version: 0.91.2
Scanned directories: 1
Scanned files: 8
Infected files: 7
Data scanned: 0.00 MB
Time: 2.669 sec (0 m 2 s)

こんな感じで出力されるはずです。

Infected files: の部分の数字が感染したファイルの数です。

上の例ではサンプルとしてわざと擬似ウィルスのファイルが入って
いるため、7つのファイルが検出されています。

ClamAVはウィルスに感染したファイルを探し出すだけで、修復まで
はしてくれませんので、万が一、本物が見つかったら1つずつ削除
する必要があります。

ホームディレクトリをスキャンするには、次のコマンドを打ちます。

$ clamscan -r /home/user

この例ではユーザ名をuserとしました。「-r」は下位のディレクトリ
も含めてスキャンするためのオプションです。


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ウィルスデータの更新方法
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# /usr/local/bin/freshclam

で更新できます。ただし、初期設定ではエラーが出て更新できません。
そこで、少し設定ファイルの修正が必要です。

/usr/local/etc/clamd.conf の8行目と、
/usr/local/etc/freshclam.conf の9行目

にあるExampleをコメントアウトして下さい。

# Example

これで、データの更新が可能になります。


=================================
編集後記
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これまで、ClamAVで本物のウィルスを見つけたことはありません。
だからといって、安全とは言いきれませんよね〜。
毎日チェックしているわけではないですし。

また、ウィルスの更新データは利用者からの情報を元に作っているよう
ですので、商用のソフトに比べると、対応が遅れると思います。
でも、オープンソースで更新されていること自体、すごいと思いますけど。


なお、Ubuntuの場合、標準リポジトリに含まれていて、freshclamは
clamav-freshclamというパッケージに入っています。

ただし、バージョンが少し前のものになるので、多少面倒でも最新版の
ソースからインストールした方が安全でしょう。

次回の配信は、11月15日の予定です。お楽しみに!

第18回 Linux版セカンドライフの使い方 -その2-

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 Linux版セカンドライフの使い方 -その2-
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ようやくMac OSXの"Leopard"の販売が始まりましたね。
我が家のMac miniは現在,TigerとFedoraCore6のデュアルブート
の状態ですが,Leopardを入れ直すかどうか悩み中です…。


さて,今回はセカンドライフの話の続きです。

要求されるPCのスペックが高すぎるとか,解像度がイマイチだとか,
いろいろと批判もあるようですが,それはオンラインゲームとして
の意見だと思うのです。見方を変えて,新しいコミュニケーションの
場であり,新たな市場だと思えば,いわゆるWEB2.0の一種ととらえる
こともできるのではないでしょうか?


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ビューアのメニューを日本語化する方法
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最初にビューアを起動すると,メニュー表示が英語になっています。
間違えて英語版を入れてしまったと思われるかも知れませんが,ビューア
は英語版と日本語版に分かれているわけではありません。

以下の手順で,メニュー表示を日本語に変更することができます。

【STEP1】
 セカンドライフ起動画面で、下段中央〜右側にある「Preferance」
 をクリックする。
【STEP2】
 左上の「General」タブをクリックする。
【STEP3】
 一番下の「Language」から「日本語」を選択し、OKを押す。

これで,セカンドライフを再起動すればメニューのほとんどが日本語に
なっているはずです。

再起動したら,「接続」ボタンを押しましょう。


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オリエンテーションアイランドからメインランドへ
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セカンドライフのログインに成功すると、最初の島「オリエンテーション
アイランド」に到着します。ここはチュートリアルをクリアしながら、
セカンドライフの操作方法を覚えるための島なのですが…完全にクリア
するのは至難の技です。チャットの方法やアバターのカスタマイズなど
をちょこっと練習すれば十分だと思います。

オリエンテーションアイランドを脱出する一番早い方法は、クリアを
あきらめ、「メインランド」と呼ばれるセカンドライフのメイン
ステージへ「テレポート」で脱出してしまう方法です。クリアせずに
脱出してもその後の操作には全く影響ありません。

操作方法でわからないことがあれば,チャット機能を利用して他の人
に聞いてみればいいでしょう。親切に教えてくれる人もいます。


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SIMへの移動方法
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起動画面の右上に小さな地図が表示されています。これは自分がいる
場所(SIM)を表していて,緑色の点はそこにいるアバターつまりログイン
している人を表しています。緑点が多ければそこに人が多く集まっている
ということです。

「メインランド」にテレポートするには,ビューアの右下にある「地図」
ボタンをクリックします。するとセカンドライフの大きな地図が現れます。
マウスのホイールを回転させると,地図の表示範囲が拡大・縮小されます。
試しに最大表示してみると,大きな四角形っぽい領域にSIMがたくさん
あることがわかります。これがセカンドライフの全領域です。

「地図」の右サイドにある検索窓に「akiba」と入力して「検索」ボタン
を押してみて下さい。AKIBA LIFEとAkibaが候補として表示されるはず
です。Akibaを選択してダブルクリックするか,Akibaを選択してテレ
ポートボタンを押して下さい。これで,AkibaというSIMへ移動できる
はずです。この付近は山手線内の駅の名前の付いたSIMが集まっており,
日本人がたくさんいます。

ネット上で面白そうなSIMがたくさん紹介されていますが,SIMの名前
さえわかれば同じように移動できます。また,名前がわからなくても
座標がわかれば「ロケーション」にその座標を入れて「テレポート」
することができます。


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SecondLifeでドライブを楽しむ方法
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「Nissan SentraというSIMでは,無料で車を手に入れることができます。
「地図」上の検索窓で「Nissan」を検索すれば,すぐに見つかります。

【日産車の入手方法】

Nissan Sentraにテレポートすると、巨大な自動販売機(!)があります
ので、暗証番号を入力します。販売機の左下の部分にある数字ボタンで
「2407」を押し,「A1」〜「D4」の車種を選んで,右下の部分にある
ボタンで該当する記号と番号を押せば,車が落ちてきます。

一瞬で消えてしまいますが,ビューアの右下にある「持ち物」の
「Object」の中に保存されるはずです。NISSAN…という名前の
オブジェクトを道にドラッグすれば車が現れますので,車を右クリック
して,「Drive」を選択して下さい。これで車の中に入れます。

操作方法は…。ゲームとしての楽しみが減りますのでここまでにして
おきましょう。自分で試してみて下さいね。
(ブログの記事には書きましたが…)


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無料アカウントでリンデンドルを稼ぐ方法
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Campといって、「ただ座っているだけ」あるいは「ただ踊っているだけ」
あるいは「ただその場所にいるだけ」で、10分間に1〜2L$(リンデンド
ル)がもらえるところがたくさんあります。
こちら↓のsachiさんのブログでたくさんのCampが紹介されています。

セカンドライフ キャンプ生活 SecondLife CAMP
http://sachi.slmame.com/

ただ、SecondLifeでは、ほったらかし状態で30分経過すると、自動的に
ログアウトしてしまいます。なので、このままでは30分しかCampできま
せん。そこで、この設定を解除してしまいましょう。


【自動ログアウトを解除する方法】

ビューア上で「Ctrl+Shift+Alt」+「D」を押すと、画面上段のメニュー
に「Client」と「Server」が追加されます。

この「Client」から
「Character」>「Character Tests」>「Go Away / AFK When Idle」
と辿っていくと、項目の左側に×印がついているのが確認できます。この
「Go Away〜」をクリックすれば、この×印を消すことができます。
念のためもう1度辿っていけば、×印が消えているのが確認できます。

この状態にすることで、自動ログアウトを解除でき、ほったらかしで稼げ
るようになります。


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編集後記
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CompizFusionを試すためにグラフィックドライバを入れた方も多いと
思います。そういう方々のための3Dアクセル機能を生かした使い方
の一例として,セカンドライフを取り上げてみました。

Firefoxから起動する方法もあるのですが,ちょっと面倒なので,
割愛しました。興味のある方は下記の記事を参照して下さい。

http://blog.livedoor.jp/vine_user/archives/51071277.html

Ubuntu島はなくなってしまったのでしょうか?
最近検索しても出て来ません。
いつかは自分の島を持ってみたいものです。

関係ありませんが,Ubuntu GutsyでWiiリモコンが使えました。
そのうち,ブログで記事にしようと思っています。

次回の配信は11月8日です(間違ってないですよね?)。
お楽しみに!

第17回 Linux版セカンドライフの使い方 -その1-

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 Linux版セカンドライフの使い方 -その1-
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最近何かと忙しく,とうとう遅延が生じてしまい,申し訳あり
ませんでした。

何を書こうかと悩んだ末,セカンドライフの話題にしました。
ブログでもたまに記事を書いていますが,以前の記事と事情が
異なり,日本語入力なども改善されて,Linux独特の設定は
ほとんど不要となりました。

そこで,今回はLinux版に限らず,他のOSとも共通するあれこれ
を2回に分けてまとめてみたいと思います。

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セカンドライフって何?
日本語版公式サイト http://www.sec-life.com/
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セカンドライフは,ネットワークを利用した3D仮想空間です。
単なるオンラインゲームではありません。そこに登場する人物
(アバター)はすべて実在の人物であり,そこで展開するコミュニ
ケーションに台本はありません。
公式サイトでは次のような項目が紹介されています。

・探検するー驚きと冒険の無限の世界
・創造するー想像可能なあらゆるものを創る
・売買するーバーチャル グッズとサービス
・つなぐー新しい出会い、エキサイティングな出会い
・プレイーあらゆるサイズやスタイルのインワールド ゲーム
・所有するーあなた自身の土地、あなた自身の労働や創造性による成果

僕が個人的に楽しんでいるのは主に「探検する」・「つなぐ」の2点です。
まず「探検」の方ですが,セカンドライフの土地は「SIM」と呼ばれます。
個人や企業が所有するSIMは立入禁止になっている所もありますが,
多くのSIMは自由に行き交うことができます。

次に「つなぐ」機能ですが,これは新しいコミュニケーションの場だと
思います。セカンドライフに国境はありませんので,海外の方が作った
SIMへ行くのも自由だし,日本人のたまり場にも外国の方々がいたりします。
女性も大勢います。有料ですが,セカンドライフ内で「結婚」したり,
「離婚」したりもできるようです。

「想像する」機能に関しては,Google SketchUpに似た3Dモデリングが
可能です。作成したオブジェクトを販売することもできます。
土地の購入・販売も可能ですが,最初から手を出すのは無謀でしょう。

セカンドライフの通貨は,リンデンドル(L$)という仮想通貨ですが,
これは現実のドルや円に換金できます。
現在のレートでは,だいたいリンデンドルの表示額を半分にすれば,
日本円になるようです。

(例) 1000L$=約500円


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アカウントの登録
参照サイト http://www.sec-life.com/start.html
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具体的な登録方法は,参照サイトにしたがって進めていけば,
それほど難しくはないはずです。注意点を挙げておきます。

・セカンドライフ姓
First nameは比較的自由に設定できますが,姓は決められたもの
の中から選ばなくてなりません。僕が登録した時点では日本人向け
の姓はかなり少なかったのですが,いまはもう少し増えていると
思います。
ただ,一度登録すると変更できませんので,慎重に選びましょう。

・クレジットカードの登録
土地を購入したり,販売したりするには,登録しておかなければ
なりません。
有料の装飾やサービスを利用すると,実際に引き落とされますので,
ご利用は計画的に!


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Linux用ビューアの導入 (Ubuntu・Fedora共通)
DLサイト http://secondlife.com/community/linux-alpha.php
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セカンドライフを起動するには,専用のビューアが必要です。

Linux版もあります。英語版と日本語版の区別はないので,
上記のDLサイトの「Linux Client Alpha:」のところにあるDOWNLOAD
と書かれたボタンをクリックして,tar.bz2形式の圧縮ファイルを
ダウンロードします。

ファイル名は,現在「SecondLife_i686_1_18_3_5.tar.bz2」と
なっていますが,わりと頻繁にアップデートされるので,変更
されているかも知れません。

展開するには,ダブルクリックしてFile Rollerを使ってもいい
ですし,Gnome端末で,
$ tar jxvz SecondLife….tar.bz2
を実行しても構いません。

展開したフォルダ内にある「secondlife」というファイルをダブル
クリックすると,「表示する」か「実行する」かを聞かれますので,
「実行する」を選択すればビューアが起動します。

英語表示で構わなければ,登録したFirst name,Second name,
パスワードを入力して,【Connect】をクリックします。
画面が切り替われば、ログイン成功です。

Gnomeの場合,次のような内容のテキストファイルを作成し,
secondlife.desktopという名前で/usr/share/applications
というフォルダの中に保存すれば
「アプリケーション」→「ゲーム」に「Second Life」という
項目が表示され,ここから起動できるようになります。

[Desktop Entry]
Encoding=UTF-8
Name=Second Life
Comment=SecondLife Online World
Exec=(展開したディレクトリ)/secondlife
Icon=(アイコン画像のディレクトリを指定)
Terminal=false
Type=Application
Categories=Game;ArcadeGame;

今回はここまでにして,次回はメニューの日本語化やらあれ
これをまとめてみたいと思います。

第16回 デスクトップの背景で動画を再生させる方法

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 デスクトップの背景で動画を再生させる方法
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いよいよ本日、Ubuntu7.10(Gusty Gibbon)が正式にリリース
される予定です。現時点では変更の予定はなさそうですが、日本語
ローカライズ版についてはわかりません。

ただ、前回の7.04は正規版リリースの2日後には公開されていました
ので、こちらもすぐに対応してくれるものと期待しております。
このバージョンはCompizFusionが標準装備されており、デフォルト
で有効になるようです。


さて、今回のテーマは、前提として以下の4つの条件を満たしている
方へ向けたやや応用的な内容です。

■ CompizFusionをすでに導入しており、正常に動作する。
■ Mplayerをすでに導入している。
■ Mplayerで再生できる動画ファイルがある。
■ (gccなど開発環境を導入している)

CompizFusionやMplayerは、以前の内容で導入可能なはずです。

最後の開発環境については、何らかのライブラリが不足する可能性も
あります。なお、Ubuntu7.04の場合は、バイナリのパッケージが
あるので、開発環境は不要です。
Fedora7の場合は、suコマンドでrootになり、以下のコマンドを
試して下さい。

# yum groupinstall 'Development Tools'

かなり時間がかかるかも知れませんが…。
OSのインストール時に開発パッケージを入れている方は、そのまま
で大丈夫だと思います。


= 参照記事 ========================

デスクトップの背景で動画を再生させる方法
http://blog.livedoor.jp/vine_user/archives/50988980.html

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【デスクトップの背景で動画を再生させる方法】

動画を背景で再生するためには、xwinwrapというプログラムを使います。
上記の条件を満たしている場合、このプログラムさえ入れてしまえば、
コマンドが面倒なだけで、すぐに実行できます。


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xwinwrapのインストール方法(Ubuntu7.04編)
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Ubuntu7.04の場合、TrevinoさんのリポジトリからCompizFusionを
インストールしていると思います。その場合は、簡単です。

$ sudo apt-get install xwinwrap

を実行して下さい。これで、インストール終了です。


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xwinwrapのインストール方法(Fedora7編)
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Fedora7の場合、ソースファイルからインストールする必要があります。

ついこの間まで、元ネタの記事の参照サイトがリンク切れになっていた
のですが、2〜3日前に、ソースファイルの新たな入手先がわかりました。
ブログの記事のリンクはすでに修正してあります。

まず、下記のサイトから「Makefile」と「xwinwrap.c」というファイル
をダウンロードします。

http://webcvs.freedesktop.org/xapps/xwinwrap/

「Makefile」をクリックすると、「Log of /xwinwrap/Makefile」
というページに移るので、Revision 1.1.1.1 と書いてある行の
(download)を右クリックして「Makefile」という名前で保存して下さい。

「xwinwrap.c」をクリックすると、「Log of /xwinwrap/xwinwrap.c」
というページに移るので、Revision 1.1.1.1 と書いてある行の
(download)をクリックすれば「ディスクに保存」できます。

次に、ダウンロードした「Makefile」と「xwinwrap.c」というファイルを
同じディレクトリ(同じフォルダということです)に入れて下さい。

最後に、Gnome端末を使って、そのディレクトリに移動し、次のコマンドを
実行します。

$ make

これでコンパイルは終了ですが、端末で単にxwinwrapと打つだけで認識
できるように、一工夫しておきます。次のコマンドで出来上がったバイナリ
を移動し、実行権を与えておきます。ここの意味がわからない方は、深く
考えずにとにかく以下のコマンドを打ってみて下さい。

$ cd (保存したディレクトリ) ←ここは人によって違います。
$ su
パスワード:(rootのパスワードを入力)
# cp xwinwrap /usr/local/bin
# chmod +x /usr/local/bin/xwinwrap
# exit

以上で、xwinwrapのインストールは終了です。


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動画を再生させる方法(Ubuntu7.04・Fedora7共通)
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それでは、さっそく試してみましょう。xwinwrapのインストールが
無事に済んだら、Gnome端末で用意した動画ファイルを指定して、
次のコマンドを実行してみます。長くなるので、2行に分けますが、
実際には1行で書いて実行して下さい。

(例) /home/vineに置いたtest.mpgという動画ファイルを再生する場合

$ xwinwrap -ni -fs -s -st -sp -b -nf -- mplayer -wid WID
-quiet /home/vine/test.mpg

いかがでしょうか?
ただ、これではデスクトップが完全に見えなくなってしまうので、
半透明にしてみましょう。

(例) 半透明にして再生する場合

$ xwinwrap -ni -fs -s -st -sp -b -nf -o 0.5 -- mplayer
-wid WID -quiet /home/vine/test.mpg

-o というオプションを加えるだけです。ここで指定する数値は、
0.0から1.0まで変えられます。0.0に近づけるほど透明になっていきます。


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背景でDVDを再生させる方法(Ubuntu7.04・Fedora7共通)
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さて、さらに応用としてデスクトップの背景でDVDを再生して
みましょう。市販DVDの場合は、暗号解除のためのlibdvdcssが必要です。

MplayerでDVDを再生するときは、次のコマンドを使います。

$ mplayer dvd://

このコマンドはxwinwrapでも使用できるので、これを使いましょう。

(例) DVD動画を半透明にして再生する場合

$ xwinwrap -ni -fs -s -st -sp -b -nf -o 0.5 -- mplayer
-wid WID -quiet dvd://

DVDのメニューが出て、表示がおかしくなる場合は、タイトルナンバー
を指定することもできます。

「dvd://」の部分を、「dvd://1」または「dvd://2」などとして
試してみて下さい。


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注意事項(Ubuntu7.04・Fedora7共通)
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・ビデオメモリ不足やドライバの不具合などにより、きちんと表示
 されない場合もあります。

・例に挙げたコマンドは、2行に分けて書いてありますので、改行が
 入ってしまっています。改行を除いて、必ず1行で実行して下さい。

・コマンドを実行する際は、必ずGnome端末で実行して、実行中は、
 端末を閉じないで下さい。

・終了する際は、端末で実行されている状態で「Ctrl+Cキー」を
 押して下さい。


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編集後記
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ちょっと今回もマニアックでしたかねぇ…。でも、結構興味を
もっている人も多いのではないでしょうか?

mplayerを使わずに、Screensaverのプログラムを実行することも
できます。これに関しては、以下の記事を参照して下さい。

XGLで背景にスクリーンセーバーを表示する方法
http://blog.livedoor.jp/vine_user/archives/50741154.html

これを書いたときは、XGLを使っていました。いまとなっては、
fglrxドライバを使うとき以外、利用する機会はありませんが…。

まだCompizFusionを導入できていない方あるいはMplayerが導入
できなかった方は、無事に使えるようになってから,もう一度
この記事を読み返してみて下さい。


次回の配信は、10月25日の予定です。テーマはまだ決まっていません。
相変わらず、無計画で申し訳ないです…。お楽しみに!

第15回 Linuxで使えるGoogleアプリケーション

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 Linuxで使えるGoogleアプリケーション
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SecondLifeの最新版Linux用ビューアを使ってみたら、日本語入力に
対応していました。今まではlibSDLをコンパイルし直すのが面倒だった
のでgeditにメモして貼り付けてましたが、使いやすくなりましたね。


さて今回は、Linuxで使えるソフトシリーズの続きとして、Google
アプリを紹介します。Linux特有というわけではありませんが、WEB上
で使えるGoogleのサービスも含めてまとめてみたいと思います。

なお、利用にあたり、Googleアカウントが必要な場合があります。
何かと便利ですので、この機会に登録しておくといいでしょう。

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Google Earth ー3D地理空間情報ソフトー
==============================
これは有名ですね。最近は衛星写真だけでなく、地球の夜景・天体
画像(Sky)などが加わり、フライトシミュレータ機能も追加されました。
適切なグラフィックドライバを使えば、Linux版でもすべて使えます。

■ インストール方法
DLサイト:http://earth.google.com/intl/ja/index.html
上記のサイトのダウンロードページからGoogleEarthLinux.binと
いうファイルをダウンロードして、Gnome端末を使って一般ユーザで
$ sh GoogleEarthLinux.bin
というコマンドを実行すればインストーラが起動します。

■ フライトシミュレータの使い方
http://earth.google.com/userguide/v4/flightsim/index.html

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Google SketchUp ー3Dモデリングソフトー
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前回紹介したBlenderより使いやすいですが、残念ながらLinux版
がありません。
少々強引ですが、WindowsXP用のものをWineでインストールすれば
使えます。ただし、マウスカーソルを重ねないとアイコンが表示
されないなどの不具合があり、現状では使いづらいです。

■ インストール方法
WindowsXP・MacOSXのバージョンしかないので、wineというエミュ
レータを使います。wineは、Ubuntuなら
$ sudo apt-get install wine
で簡単にインストールできます。

続いて、下記のダウンロードサイトから「GoogleSketchUpWEN.exe」
を入手。

DLサイト:http://sketchup.google.com/

次のコマンドでインストーラが起動します。
$ wine GoogleSketchUpWEN.exe
途中、Wine Geckoのインストールを促されますので、これも入れ
ておきます。

インストール後は、デスクトップ上にできるアイコンをダブル
クリックすれば起動するはずですが、うまく起動しない場合は、
次のコマンドを実行します。ちなみに、$(HOME)はユーザのホーム
ディレクトリです。

$ cd $(HOME)/.wine/drive_c/Program Files/Google/Google SketchUp 6
$ wine SketchUp.exe

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Picasa ー画像の表示・管理ー
==============================
前回紹介したF-Spotフォトマネージャと同様の機能があり、画像を
WEB上に公開する機能も持っています。

■ インストール方法
下記のサイトからFedora用のrpmパッケージまたはUbuntu用のdeb
パッケージをダウンロードします。
ダウンロード時にインストーラを起動すれば直にインストールでき
ますが、rpm(またはdpkg)コマンドを使ってもいいでしょう。

Download Picasa for Linux
DLサイト:http://picasa.google.com/linux/download.html

Picasaと次のGoogle Desktopは、GoogleのLinux用リポジトリに
含まれています。このリポジトリを設定しておくと、バージョン
アップされたときに他のアプリと同様にアップデートできます。

参照記事:Google repositories for Linux!
http://blog.livedoor.jp/vine_user/archives/51115166.html

==============================
Google Desktop ーデスクトップ検索ー
==============================

PC内に保存されたデータを検索します。拡張機能を利用すると、
Gmailアカウントのメールを検索することも可能です。
また、拡張機能には「クイック検索ボックス」というのもあります。
Ctrlキーを2回押せば、入力欄が表示されます。

■ インストール方法

Picasaと同様に、下記のサイトからFedora用のrpmパッケージまたは
Ubuntu用のdebパッケージをダウンロードできます。

Linux 向けデスクトップのダウンロード
DLサイト:http://desktop.google.com/ja/linux/download.html

Google Desktopは、GoogleのLinux用リポジトリに含まれています。

参照記事:Google repositories for Linux!
http://blog.livedoor.jp/vine_user/archives/51115166.html

ーーーーーーーーーここから先は、Linux特有の設定はありません。

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Google Docs & Spreadsheets ーワープロ・表計算ー
==============================

Webブラウザからワープロと表計算ソフトが利用でき、文書をオン
ライン上で保存できます。最近、プレゼンテーション機能が追加
されました。

Google Docs & Spreadsheets - 初めての方へ
http://www.google.com/google-d-s/hpp/hpp_co_jp.html

==============================
Google Calender ースケジュール管理ー
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Webブラウザで、簡単にスケジュールを管理することができます。

参照:Google カレンダーの使い方ガイド
http://www.google.com/intl/ja/googlecalendar/tour.html

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Google Reader ーFEED/RSSリーダーー
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WEBブラウザ上に最新記事を表示できるRSSリーダーです。9月5日
付けで検索機能が追加されました。
僕は、お気に入りのブログとかを登録してます。

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iGoogle ーWEBスタートページー
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Webブラウザで、カスタマイズされたスタートページを表示します。
複数のPCで常に同じ情報を表示することができ、非常に便利。
Google Readerと組み合わせると、欲しい情報がスタートページに
表示されます。

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Google Alerts ーキーワード指定情報のメール配信ー
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指定したトピックに一致するニュース記事がオンラインで配信され
たときに、簡易情報と関連リンクを掲載したメールが送信されます。


他にもさまざまな機能が利用できますが、後は項目だけ挙げておきます。
・Gmail ーメールクライアントー
・Google Adsense ークリック報酬型のWEB広告ー
・Google Analytics ーアクセス解析ツールー
・Google Webmaster Tools ークロールやインデックスの概要を表示ー
・Blogger ー無料で利用できるブログー
・YouTube ー動画サイトー
などなど。


Gmailをストレージとして使う方法や、YouTubeをみる際のFlashの導入
など書き足りないこともありますが、長くなるのでこれらに関しては
また別な機会に紹介しましょう。

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編集後記
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今回は、かなり欲張ってしまいました。何回かに分けてシリーズ化
してしまってもよかったんですが…。

Googleさんには、大変お世話になっています。僕がブログで記事に
している情報の多くは、Google AlertsのメールやiGoogleに登録して
いるサイトから得たものです。
もちろん、検索もしまくっていますけど。

何かエラー表示が出たときは、直接その表示を検索窓にコピーして
検索したりすることもあります。これは裏技ですね。

こうした情報の探し方なども、そのうち記事にしたいと思っています。

次回の配信予定は、10月18日です。お楽しみに!

2008年8月28日木曜日

第14回 Linuxで使えるソフト《Part2》

メルマガとブログの掛け持ちでやや疲れ気味のvine_userです。
「これならわかる!デスクトップLinux」のご購読ありがとうございます。

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 Linuxで使えるソフト《Part2》
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今日はFedora8 Test3の公開予定日ですが,例によって公開延期に
ならぬよう願っております。

さて,前回に引き続き,Linuxで使えるソフトの紹介です。
今回は,少しテーマを絞って,グラフィック関係のソフトをまとめて
みたいと思います。最も有名なGimpは前回挙げておきましたので,
それ以外のものということで…。


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Eye of Gnome(eog) -画像の表示-
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後述のgThumbやF-Spotと異なり,単に画像の表示やスライドショー
だけを行うGnome標準の画像ビューアです。画像をダブルクリック
すると,大抵はこれが起動します。多少の不便な面もありますが,
画像を確認するだけならこれで十分です。


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gThumb画像ビューア -画像の表示・管理-
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複数の画像を一度に閲覧したいときに役立つ画像ビューア。指定した
ディレクトリ内の画像ファイルを一気に読み込んで,サムネール形式
で表示します。画像サイズの変更や色合いの調整など,簡単な編集
機能も持っています。スライドショー機能もあり,Gifアニメの再生
に対応しています。Fedora7やUbuntu7.04に標準搭載されています。


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F-Spotフォトマネージャ -画像の表示・管理-
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Ubuntu7.04に標準搭載されている画像ビューア。機能はgThumbと
同様ですが,見た目が格好よく,ちょっとしたアニメーション的な
動きがあったり,サムネールの大きさを調整できたり,お気に入り
などのタグ機能があったりして,こちらの方が使い心地がいいです。
Fedora7でも,f-spotで検索すれば簡単にインストールできます。


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Inkscape -ベクトル画像編集(ドローソフト)-
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商用ソフトのAdobe Illustratorに対応するグラフィックツール。
2003年にベクトル画像編集ソフトSodipodiから分離独立(フォーク)
し,SVGの完全準拠を目的として開発中。商用ソフト並の多くの機能
をもっている訳ではありませんが、現状でも幅広く利用されている
そうです。綺麗なベクトル画像を作れます。
Fedora7,Ubuntu7.04では,標準インストールされていませんが,
いずれもリポジトリを変更しなくても,inkscapeで検索すれば簡単に
インストールできます。


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gnuplot -2D・3Dグラフの描画と作成-
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数式を入力して2D・3Dのグラフを表示することができます。
作成したグラフをepsファイルとして出力することもできるので,
TeXの文書に貼り付ける図を作成するときに使えます。
媒介変数を使った数式指定もできたりして非常に便利なんですが,
コマンド操作が必要なので,慣れるまでが大変です。最近のもの
は,マウス操作で3Dの視点を変えられます。ちなみに,名称に
gnuが付きますが,いわゆるGNUプロジェクトとは関係ないようです。


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Blender -3DCG・3Dアニメーションの作成-
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Linuxでは定番の本格的な3DCG作成ツール。GUI操作は,この手
のソフトを使い慣れた人でないと難しいですが,Gimpに匹敵する
実用的なソフトだと思います。
立面図・正面図・側面図をそれぞれ表示でき,商用ソフトと組み合わ
せれば,本格的なレイトレーシングも可能です。Blenderを利用して,
実物としか思えないCGを作っている方も大勢いらっしゃるようです。
一度は試してみたいソフトの1つですね。


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編集後記
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これらの他にも,ImageMagick,Tgif,2Dグラフ作成ツールの
Ngraph,CADソフトのQCad などなどたくさんあります。

本当はPicasaとGoogle SketchUpも加えようと思っていたのですが,
これらは「Linuxで使えるGoogleアプリ」として改めて紹介したいと
思います。

次回の配信は,10月11日の予定です。お楽しみに!

第13回 Linuxで使えるソフト《Part1》

独学Linuxのvine_userです。
「これならわかる!デスクトップLinux」のご購読ありがとうございます。

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 Linuxで使えるソフト《Part1》
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早いもので、もう秋ですね。涼しく過ごしやすい日が多くなって
来ました。風邪などひかぬよう、ご注意ください。


さて、今回は、ブログではあえて詳しく説明していない定番ソフト
を簡単に紹介したいと思います。基本コマンドの説明から、いきなり
CompizFusion、DVDの視聴というややマニアックな展開になって
しまいましたので、もう少し初心者向けに軌道修正しましょう。


それぞれの使用方法にはあえて触れませんが、Googleで検索すれば
すぐに参照サイトが見つけられるものばかりです。

ほとんどが、多くのメジャーなディストリビューションに標準搭載され
ており、LinuxがWindowsの代用として十分に通用するということを
実感できると思います。


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OpenOffice -ワープロ・表計算・プレゼンテーション-
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正式名称は、OpenOffice.org(OOo)で、Word・Excel・PowerPoint
で作成したファイルなどと高い互換性があります。
多少レイアウトが崩れる場合もありますが、PDFへの変換機能も付属
しており、非常に便利です。

OpenOffice Writer :Wordに対応(ワープロ機能)
OpenOffice Calc :Excelに対応(表計算機能)
OpenOffice Impress :PowerPointに対応(プレゼン機能)
OpenOffice Base :Accessに対応(データベース機能)
OpenOffice Draw :イラストの作図機能
OpenOffice Math :数式エディタ

初期状態では見た目のよくないフリーフォント(東風フォントや
さざなみフォントなど)しか入っていないので、慣れてくると、
フォントに不満が出てくるかも知れません。

フリーフォントでも比較的完成度の高い「IPAフォント」を導入
しておくといいでしょう。導入方法は後述します。


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Gimp -高機能な画像編集ソフト-
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Photoshopに匹敵する機能を備えた有名な画像編集ソフトです。
ほとんどのディストリビューションに標準搭載されています。


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Firefox -Webブラウザ-
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有名なWebブラウザです。Windows版もあるので、ご存知かと思い
ます。プラグインも豊富で、ほとんどのディストリビューションに
標準搭載されています。


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Thunderbird -メールクライアントソフト-
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定番のメールクライアントです。高度な迷惑メールの学習機能が
特徴。ただ通常は、Evolutionが入っているので、多くの場合、
あとからインストールする必要があります。Fedoraの場合、
# yum install thunderbird
で入れられます。Ubuntuでも、特にリポジトリを加える必要はなく、
Synapticパッケージマネージャで簡単に導入可能です。


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gedit -テキストエディタ-
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統合デスクトップ環境のGnomeに標準搭載されているエディタです。
目立たないけど、無くてはならない超定番ソフトの1つでしょう。
保存する際に、文字のエンコーディングが選択できます。
LaTeXなどで、EUC-JPで保存する必要がある場合に便利です。


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K3b -CD・DVDライティングソフト-
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インストール用のCDやDVDの作成には、いつもこれを使っています。
OSのインストール直後に真っ先に導入するソフトの1つです。
統合デスクトップ環境にKDEを使っている場合は、最初から入ってい
ますが、Gnomeの場合はあとからインストールする必要があります。


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FileRoller(書庫マネージャ) -圧縮ファイルの展開-
==============================

tarコマンドを使わなくても、これを使えば簡単に展開できます。
tarやgzip,bzip2,ZIP,LHAなどを用いたファイルの圧縮と
展開が可能で、アーカイブ(複数のファイルを一つにまとめたもの)
をFileRollerに読み込ませることで,実際に展開することなく
アーカイブ内のファイルの内容を閲覧できます。


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BitTorrent -ファイル共有ソフト-
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悪名高いWinnyと同様のものですが、アップロードされるのは自分が
ダウンロード中のファイルだけで、Winnyのように知らないファイル
を勝手に中継することはないようです。
暗号化とかWinnyにあるような匿名性を保つための機能がありません。
接続してるピアのIPアドレスは丸見えです。
僕もたまに使っていますが、ウィルスが紛れ込む可能性も否定できない
ので十分に注意して利用しましょう。


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pLaTeX2e -数式入り文書作成ソフト-
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理系の大学院生などには、論文作成などに必須のソフトと言える
でしょう。コマンドを覚えるのは大変ですが、仕上がりは非常に
綺麗です。EUC-JPでないと設定が面倒なため、文字コードにUTF-8
を使っている最近のディストリビューションでは、やや使いづらい
面があります。

参照記事↓
http://blog.livedoor.jp/vine_user/archives/cat_50022677.html



◎ 参考 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【IPAフォントのインストール方法】

まず情報処理推進機構のページにアクセスして(「IPAフォント」で
Google検索すればTOPに来ます)、フルフォントバージョンのtar
ボールをダウンロードします。

$ tar zxvf grass5.0.3_i686…tar.gz

で展開し(File Rollerを使ってもいいです)、fontsディレクトリ
にある次の5つのファイルを取り出します。

ipag.ttf、ipagp.ttf、ipagui.ttf、ipam.ttf、ipamp.ttf

あとは、Nautilus(Gnome標準のファイルブラウザ)で
fonts:/// を開いて、これらのフォントをドラッグするだけです。

これで、OpenOfficeなどで、IPAゴシックやIPA明朝が選択
できるようになっていると思います。


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編集後記
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定番というなら、これもあれもあるぞ!という声が聞こえてきそう
ですが、独断と偏見で選んでみました。次回は、Linux特有のもの
に限定せず、Googleのアプリなども含めて、とりあえずLinux上で
使えたものをいくつか紹介したいと思っています。


次回の配信は、10月4日の予定です。お楽しみに!

第12回 市販DVDの視聴方法

独学Linuxのvine_userです。
「これならわかる!デスクトップLinux」のご購読ありがとうございます。

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 市販DVDの視聴方法
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残暑お見舞い申し上げます。
蒸し暑かったり、涼しかったりして、気温の変動が激しいですが、
体調を崩さぬようご注意下さい。

Fedora8 Test2のBigBoardは、相変わらずうまくいきませんが、
メルマガの方は地道に進めていきましょう。

今回は、Linuxで市販DVDを観る方法をまとめます。あらかじめ、
お断りしておきますが、今回の方法で、すべてのDVDを観られる
とは限りません。ただ、家にあるほとんどのDVDはOKでしたので、
かなりの確率で大丈夫だとは思いますが…。

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 参照記事
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Fedora7でDVDを観る方法
http://blog.livedoor.jp/vine_user/archives/51043972.html
など。

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【前提となる基礎知識】

まず、映像のファイル形式について、おさらいしておきます。
映像のデータは、紙芝居のように、多くの画像を重ね合わせたものと
考えていいでしょう。しかし、生の(圧縮されていない)映像ファイル
のままでは、異常にファイルサイズが大きくなります。

そこで、多くの場合、差分をとるなどして、圧縮されています。その
圧縮の方法には、多くの種類があって、必ずしも統一されていません。

代表的な形式として、次のようなものが挙げられます。
■ ビデオCDに使われるmpeg1
■ DVDなどに使われているmpeg2
■ 圧縮率の高いDivXやXvid(フリーのDivX)
■ WindowsMediaPlayer専用のwmv
■ RealPlayer専用のrm
などなど。

これらの圧縮された映像は、コーデックと呼ばれるそれぞれの形式に
対応したプログラムを使わないと、データを展開し、再生させること
は出来ません。

さらに、市販DVDの場合、データ圧縮だけでなく、CSSという技術を
使って暗号化されています。
したがって、この暗号を解読するプログラムも必要となります。

以上をまとめると、市販DVDを観るためには、mpeg2のコーデックと
CSSを解除するプログラム(Linuxではlibdvdcssというフリーのもの
がある)、さらに視聴するためのアプリケーションが必要となります。

視聴用のアプリケーションとしては、以下のものがあります。

Totem:大抵のディストリビューションに標準搭載されている。
Mplayer:公式サイトに各種の形式に対応したコーデックがある。
Xine:Mplayer同様に人気のある動画プレイヤー。
VLC:対応する動画形式が幅広く、大抵のものは再生できる。

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 市販DVDの視聴方法 --Fedora7編--
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前出の記事の段階では、Atrpmsというリポジトリにしかありません
でしたが、現段階ではnVIDIAドライバなどを配布しているFreshrpms
やlivnaというリポジトリでもFedora7対応のパッケージが配布されて
います。ここでは、livnaのパッケージを使ってみましょう。

まず、リポジトリの設定を行います。といっても、次の手順で設定用
のrpmファイルをインストールすれば、自動的にリポジトリが有効に
なります。それぞれ次の行に進むには、Enterキーを押して下さい。

$ su
Password: (←rootのパスワードを入力)
# wget http://rpm.livna.org/livna-release-7.rpm
# rpm -ivh http://rpm.livna.org/livna-release-7.rpm

これで、インストールの準備が出来ました。
では、Mplayerをインストールしてみましょう。

# yum install mplayer*

続いて、CSSを解除するプログラムも入れましょう。

# yum install libdvdcss

これで終了です。mpeg2のコーデックはmplayerと一緒にインストール
されているはずです。

DVDを観るためには、まずDVDをドライブに挿入して、しばらく待ちます。
すると、初期状態ではTotemが起動してしまいますが、閉じて下さい。

GnomeメニューからMplayerを起動しても構いませんが、コマンドで
実行した方が簡単かも知れません。

$ mplayer dvd://

これで、DVDの再生が始まります。特に、問題がない限り、メニュー画面
の操作も普通にできると思います。

ちなみに、GUIで実行するには、
「アプリケーション」→「サウンドとビデオ」→「Mplayer Movie Player」
で起動して、画面上で右クリックすると、プルダウンメニューが出ますので、
「DVD」→「Open disk…」を選択します。

ビデオメモリが不足している場合、CompizFusionと並用するのは
きついかも知れません。

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 市販DVDの視聴方法 --Ubuntu7.04日本語ローカライズ版編--
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Ubuntuの場合、Mplayerが標準リポジトリに入っていますので、
簡単です。

まず、Mplayerのインストールは、

$ sudo apt-get install mplayer
Password: (←使用しているユーザのパスワードを入力)

これだけです。

続いて、libdvdcssですが、これにはちょっとコツがいります。
Mplayerをインストールした後、次のコマンドを実行して下さい。

$ cd /usr/share/doc/libdvdread3/
$ sudo ./install-css.sh
Password: (←使用しているユーザのパスワードを入力)

これで、libdvdcssがインストールされます。

恐らく、ライセンスの関係で、バイナリのパッケージの配布を
避けてこういう形にしているのでしょう。

再生の方法は、Fedora7の場合と同じです。

$ mplayer dvd://

これで、DVDの再生が始まるはずです。

GUIで実行するには、
「アプリケーション」→「サウンドとビデオ」→「Mplayer Movie Player」
で起動して、画面上で右クリックすると、プルダウンメニューが出ますので、
「DVD」→「Open disk…」を選択します。


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編集後記
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BerylやCompizFusionでデスクトップの背景として動画を再生させる
などの応用が効くので、今回はMplayerを使ってみました。

Xineも格好いい操作パネルがあったりするので、試してみる価値は
あると思います。また、VLCもいろいろな機能があって面白いです。

さらに、動画の編集やエンコード(動画形式の変換)など、いろいろな
応用についても機会があれば(もしくは要望があれば)、解説したいと
は思います。とりあえず、今回は、DVDの視聴に絞ってまとめました。

次回の配信は、9月27日の予定です。
内容はまだ特に決めていませんが、デスクトップ用途として実用的な
題材にしたいと思っています。お楽しみに!

第11回 CompizFusionのインストール《Ubuntu編》

独学Linuxのvine_userです。
「これならわかる!デスクトップLinux」のご購読ありがとうございます。

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 CompizFusionのインストール《Ubuntu編》
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台風も過ぎ去り、涼しくなってきました。
先ほどから、安部総理大臣が辞任というニュースが流れています。
参議院選挙の直後ならまだしも遅すぎですね。


今回は、ご想像通り、前回のFedora7編に続いて、Ubuntu編です。
以下の参照記事を書いた後で不要だと思った部分は削除して、
簡潔にまとめます。

なお、今回の内容は、Ubuntu7.04 および Ubuntu Studio7.04
に対応するものです。次期バージョンUbuntu7.10では、標準の
リポジトリにCompizFusion0.5.2(あるいはそれ以降のバージョン)
が組み込まれるそうです。Ubuntuだけでなく、Fedora8を始めと
して、他のディストリでも次期バージョンに組み込まれる可能性が
高いようです。

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 参照記事
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CompizFusionのインストール方法《Ubuntu編》
http://blog.livedoor.jp/vine_user/archives/51101820.html


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Step1:OSのアップデート
Step2:nVIDIAドライバの導入
Step3:リポジトリの追加
Step4:CompizFusionパッケージのインストール
STEP5:CompizFusionの起動方法


[本文]
【CompizFusionのインストール方法】

STEP1::OSのアップデート
これは必ずしも必要ではありません。が、最新のパッケージにしておいた
方が安全ですので、特に事情がなければアップデートしておいた方がいい
でしょう。インターネットにつながっていれば、インストール直後に右上
のパネルにアップデートを促す表示とオレンジ色のアイコンが現れます。


ーー チェックポイント(1) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

OSのアップデートの必要性は、別にCompizFusionの導入に限った
話ではありません。Linuxの場合、ウィルス対策についてはそれほど
気にしなくていいとは思いますが、それ以上にroot権限を奪取される
という危険性があり、アップデートは、ソフトウェアのそうした脆弱性
に対応するという意味があります。

Ubuntuの安全性に関しては次のサイトに詳細な説明があります。

Ubuntuにおけるセキュリティ
http://rion.sakura.ne.jp/misc/security.shtml

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[本文]
STEP2:nVIDIAドライバの導入

以前のようにSynapticパッケージマネージャを使う必要はありま
せん。まず、Gnomeメニューの
「システム→システム管理→Restricted Drivers Manager」
をクリックします。

すると、Restricted Drivers Managerの画面が現れますので、
Enabledのチェックボックスにチェックを入れます。
あとは自動的にダウンロードされ、インストールは完了です。

最後にドライバを有効にしますか?と訊かれますので、
「Enable Driver」をクリックして下さい。

nVIDIAドライバが無事にインストールできたら、もう一度再起動
します。次回起動時にnVIDIAのロゴが表示されれば成功です。


ーー チェックポイント(2) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

Restricted Drivers Managerは、Ubuntu7.04で初めて導入
されたもので、非常に便利です。

ATIのfglrxドライバも同様な方法で導入できますが、fglrxで
CompizFusionを実行するためには、XGLが必須です。これは
初心者には難しいでしょう。ですが、ATIの場合、atiドライバ
(インストール時に自動的に導入されていると思います)でもある
程度は動きます。

オンボードのグラフィックチップのほとんどは、Intelチップ
だと思いますが、この場合、特に設定しなくても使える可能性が
高いです。詳しくは以下の記事を参照して下さい。

CompizFusionが使えるグラフィックドライバ
http://blog.livedoor.jp/vine_user/archives/51138353.html

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[本文]
STEP3:リポジトリの追加

ここからが本題です。まず先にリポジトリの認証キー(GPGキー:
リポジトリからダウンロードする際の暗証番号のようなもの)を
導入しておきます。Gnome端末で次のコマンドを実行して下さい。

$ wget http://download.tuxfamily.org/3v1deb/
DD800CD9.gpg -O- | sudo apt-key add -

ーー チェックポイント(3) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ブログの記事の本文にはもう1つ、

$ wget http://download.tuxfamily.org/3v1deb/
81836EBF.gpg -O- | sudo apt-key add -

の記述がありますが、これは必要ないようです。
Trevino’s Blogにはこの記述があったのですが…。

このGPGキーを入れないと、インストール時にエラー表示が出ます。
が、強制的にインストールすることができますので、あまり気に
しなくて構いません。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[本文]

次に「システム→システム管理→Synapticパッケージマネージャ」
を起動します。メニューにある「Settings→Repositories」を
開き、Third-Party Softwareのタブをクリックして下さい。

「Add...」ボタンを押して、次の行を追加します。

deb http://download.tuxfamily.org/3v1deb feisty eyecandy

追加できたら、Synapticパッケージマネージャに戻って、
「Reload」ボタンを押します。


ーー チェックポイント(4) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ここも、ブログの記事の本文にはもう1つ、

deb-src …

の記述がありますが、これはソースファイルを入手する際に必要な
部分です。使うだけなら必要ありません。

冒頭でも書きましたが、次期バージョンではこのリポジトリの追加
の必要はなくなると思います。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[本文]
STEP4:CompizFusionのインストール

以上で、CompizFusionのパッケージを導入できる環境が
整いました。
Synapticパッケージマネージャを使って、「compiz」と
「emerald」で検索して以下のパッケージをインストール
して下さい。
他に必要なものもありますが、関連するパッケージはすべて
自動的にインストールしてくれるはずです。

【インストールするパッケージのリスト】

 ■ python-compizconfig
 ■ compizconfig-settings-manager
 ■ compiz-fusion-plugins-main
 ■ compiz-fusion-plugins-extra
 ■ compiz-fusion-pluguins-unsupported
 ■ emerald
 ■ emerald-themes


ーー チェックポイント(5) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

Synapticパッケージマネージャは、ネットワーク経由でソフトを
自動的にインストールしてくれる優れものです。

デスクトップ上部の
「システム」→「システム管理」→「Synapticパッケージマネージャ」
を選択すれば起動できます。最初にパスワードの確認がありますが、
ログイン時のパスワードを入力して下さい。

旧バージョンのCompizもピックアップされると思いますので、
間違えないようにして下さい。上に挙げた7つのパッケージだけ
追加すれば、必要なものはすべて入るはずです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[本文]
STEP5:CompizFusionの起動方法

今のところ、実際に起動するにはGnome端末を使う必要があります。
次のコマンドで試して下さい。
自動起動するプログラムは現在開発中のようです。

$ emerald --replace &
$ compiz --replace &

ーー チェックポイント(6) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ここは、記事の中で付録のように書いてしまいましたが、一番肝心な
ところです。

このコマンドを打たないと、何も起こりません。
$ compiz --replace &
を先に打ってしまうと、ウィンドウ枠が表示されないことがあります。

その場合、Altキーを押しながら、ウィンドウをドラッグしてみて下さい。
ぐにゃぐにゃと動けば、すでにCompizFusionが起動しています。
もしそうならなければ、失敗してます。もう一度、最初からの手順を
確認して確かめてみて下さい。

メニューからGnome端末を起動し、emerald --replaceを実行すれば
ウィンドウ枠がきちんと表示されるはずです。

Gnomeパネルからもっと簡単に起動するFusion-Iconというものも
ありますが、今のところ、ソースファイルからインストールする
必要があり、初心者には難しいと思いますので、今回は省略します。

チャレンジしてみたい方は、次の記事を参考にして下さい。

Fusion Icon on Ubuntu Feisty!
http://blog.livedoor.jp/vine_user/archives/51111153.html


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


長くなってしまいましたが、以上の方法でUbuntuでも使えるように
なると思います。

元のブログの記事は、今でも多くのアクセスがあり、Ubuntuユーザ
が急増していることの証だと思われます。

先日まで玄箱のDebianにはまっていましたが、やはり初心者には
Ubuntuが最適ですね。

次回は、9月20日です。DVDを視聴する方法など実用的な話題を
テーマにする予定です。お楽しみに!

第10回 CompizFusionのインストール《Fedora7編》

独学Linuxのvine_userです。
「これならわかる!デスクトップLinux」のご購読ありがとうございます。

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 CompizFusionのインストール《Fedora7編》
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今日は蒸し暑い一日でした。早いもので、もう9月ですね。
メルマガを始めてからもう1ヶ月が経ちました。

今回は、当初の目的であるブログの記事のフォローを
行いたいと思います。

ディストリビューションごとに設定方法が異なるので、
FedoraとUbuntuを区別して扱います。

その他のディストリは最近扱っていませんが、共通する
内容もあるかと思いますので、多少参考になるのでは?

まずは、皆さんが期待されている(と思われる)CompizFusion
のインストールに関する内容にしました。基本的に下記の記事
の内容に沿って説明していきます。

なお、Linuxそのもののインストールやグラフィックドライバの
導入でつまづいている方は、まずそこをクリアーしてからという
ことになりますね。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 参照記事
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

CompizFusionのインストール方法《Fedora7編 改訂版》
http://blog.livedoor.jp/vine_user/archives/51106295.html



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[本文]
【CompizFusionのインストール方法】

STEP1:準備
まず、標準で組み込まれているCompizをアンインストールします。
# yum remove compiz

ーー チェックポイント(1) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

これはすでに説明したyumコマンドです。このコマンドはrootユーザ
(管理者)でないと実行出来ません。
そのため「#」という表記をしています。

Fedora7の場合、Gnome端末で
$ su
と打ち込むと、パスワードを訊いてきますので、rootのパスワードを
入力します。このとき、端末の画面上には入力したパスワードは実際に
は見えません。

ここで、compizをremoveつまりアンインストールしているのは、
Fedora7の場合、はじめから旧バージョンのCompizが入っている
ためです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[本文]
Berylを入れている場合はemeraldもアンインストールします。
# yum remove emerald emerald-themes


ーー チェックポイント(2) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

これは、BerylというCompizFusionが作られる前のウィンドウ
マネージャをすでにインストールした人に向けた記述です。
Berylははじめから入っているわけではないので、身に覚えのない
方には関係ありません。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[本文]
STEP2:リポジトリの追加とインストール
次の内容のファイルを作りkagesenshi.repoという名前で
/etc/yum.repos.dの中に保存して下さい。

[kagesenshi-compiz]
name=KageSenshi's Compiz Fusion repository
baseurl=http://devel.foss.org.my/~kagesenshi/
repo/pub/$basearch
enabled=1
gpgcheck=0

ーー チェックポイント(3) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ここは大事な点です。今のところ、Fedora7用のバイナリパッケージ
を配布しているのは、この「kagesenshi」さんのところだけです。

/etcディレクトリはroot権限でしか変更できませんので、実際には
Gnome端末で

$ su
password:
# gedit /etc/yum.repos.d/kagesenshi.repo

と打ち込み、書き込み可能な形でエディタを立ち上げます。

元からあるファイルではありませんから、はじめは真っ白です。
ここに[kagesennshi-compiz]以下の内容を記述するわけです。
[kagesennshi-compiz]も入れて下さい。

また、3行目の「baseurl=…」と4行目の「repo/…」は、改行せず
1行にして下さい。ブログの記事でも、レイアウトの関係から本来
1行で書くべき所を複数行に分けて書いている場合があります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[本文]
あとは次のコマンドでインストールすればOKです。
# yum install compiz-*
# yum install emrald emerald-themes

ーー チェックポイント(4) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

さらっと3行で説明していますが、compiz-* のインストールには
時間がかかります。多くの関連パッケージがまとめてインストール
されるためです。途中で何か訊かれることはないと思うので、ただ
終わるのを待っていればいいだけです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[本文]
STEP3:Fusion-icon
Beryl-Managerと同様の機能をもつ「Fusion-icon」が追加され
ています。以前紹介したCompiz-iconを修正したものらしく、
すでにCompizFusionを使っている方は

# yum install fusion-icon

で追加できます。

ーー チェックポイント(5) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

Fusion-iconを起動すると、Gnome端末からコマンドを打たなくても
CompizFusionが起動できます。

これは、Fusion-iconが加わる前にインストールした人に向けた
記述です。これからインストールしようとする方には関係ありません。
Fusion-iconはSTEP2の段階でインストールされているはずです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[本文]
今回新規にインストールされた方は、左下の画像の場所に追加されて
いるはずですので、確かめてみて下さい。
右下の画像に示したアイコンを右クリックしてCompizを選べば起動
できるはずです。

ーー チェックポイント(6) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ここは書いてあるとおりです。画像はブログの記事を見て下さい。

上部パネルの「アプリケーション」→「システムツール」を選択する
と「Compiz Fusion Icon」という項目があるので、それを選択。

これで、右上の上部パネルに水色のアイコンが出るので、右クリック
して下さい。いろいろなメニューが出ますが
「Select Window Manager」→「Compiz」を選択すれば
CompizFusionが起動します。一瞬、画面が切り替わってパネルの
部分に少し影が出来るので、起動したかどうかはわかるはずです。

ウィンドウ枠がうまく表示されない場合がありますが、水色の
アイコンをもう一度右クリックして「Select Window Decorator」
で「emerald」を選択すれば治る可能性が高いです。

それでもダメなら、Gnome端末で次のコマンドを打ってみて下さい。
$ metacity --replace &
これで、その端末を開いている間は、とりあえずウィンドウ枠が
表示されるはずです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

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 前回記事の訂正
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>$ glxinfo | grep rendering
>→ Aiglxが有効になっているかどうかを確認します。
>direct rendering: Yes
>と表示されれば、Aiglxが有効になっています。

と書きましたが、
「Aiglxが有効」は「3Dアクセラレーションが有効」の誤りです。

fglrxドライバでは、「Aiglxが無効」であるにもかかわらず
「direct rendering: Yes」と表示されることがあるようです。

読者のmojinさんからご指摘がありました。
どうもありがとうございました。

===============================


多くの方々が今回の方法でComizFusionのインストールに
成功しています。

Winodows Vistaでも実現していない斬新なデスクトップを
試してみませんか?

一見、無駄に思える機能もたくさんありますが、僕は新しい
パソコンの楽しみ方を教えてもらった気がしています。

次回の配信は、9月13日です。お楽しみに!

第9回 Linuxの基礎知識 Part5

独学Linuxのvine_userです。
「これならわかる!デスクトップLinux」のご購読ありがとうございます。

残暑お見舞い申し上げます。
一時的に涼しくなりましたが、また暑さがぶり返してきましたね。
クーラーのかけすぎで風邪などひかぬよう、ご注意下さい。

さて、今回で基本コマンドの説明は一応最後です。

他にもたくさんありますが、今後の配信で必要なコマンドについては
その都度、追加していくことにしましょう。

==================================
 Linuxの基礎知識 Part5
==================================

X Windowでトラブルが発生するのは、OSのインストール直後または
新たにグラフィックドライバを導入したときでしょう。

いずれの場合も、何度かXが立ち上がろうとして、何らかのメッセージが
表示された後、Xが落ちてCUIでのログイン待ち状態になると思います。

はじめてこの状態に陥ると、再度インストールしないとダメだと思って
しまいがちですが、実はコマンド操作で復旧できることが多いのです。


===================================
よく使う基本コマンド20 --X Window設定編--
===================================

X Windowの設定ファイルは、/etc/X11というディレクトリの中に
あるxorg.confというファイルです。このファイルは、rootでしか
変更できないので、# vi /etc/X11/xorg.confというコマンドは、
suコマンドでrootになってから実行します。

多くの場合、実際に問題となるところは限られています。
特にグラフィックドライバの指定の部分は要注意です。



Section "Device"
    Identifier "Videocard0"
    Driver "nvidia"
EndSection

この場合、nvidiaドライバが指定されています。nvidiaドライバの
インストールに失敗した時は、このままではXが立ち上がりません。

Driver "nvidia" → Driver "vesa"

と書き換えると、復旧できる場合があります。
nvidiaの場合、"nv"を試してみるという手もあります。

また、Section "Screen"のディスプレイの解像度や
Section "Monitor"の水平同期周波数(HorizSync)あるいは
垂直リフレッシュ周波数(VertRefresh)を使用しているモニタの
マニュアルに書かれている数値と見比べて、調整してみるという
方法もあります。

Section "Monitor"
    Identifier "Monitor0"
    VendorName "Monitor Vendor"
    ModelName "DDC Probed Monitor"
    DisplaySize 320    240
    HorizSync 30.0 - 70.0
    VertRefresh 50.0 - 180.0
EndSection

ただし、水平同期周波数や垂直リフレッシュ周波数の設定を間違えると、
モニタが破損する可能性もあるので、くれぐれも慎重に行って下さい。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「init」 
機能:ログイン方法を切り替える
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

# init 3
→ GUIからCUI(テキストモード)に移行します。


# init 5
→ CUI(テキストモード)からGUIに移行します。


# startx
→ X Windowを立ち上げます。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「vi」 
機能:CUIでテキストファイルを編集する
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

# vi (ファイル名)
→ CUI(テキストモード)で(ファイル名)で指定したファイルを
 編集します。


# vi /etc/X11/xorg.conf
→ CUI(テキストモード)でXの設定ファイルを編集します。

* viの使用方法については最後の[補足事項]を参照して下さい。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「glxinfo」 
機能:GLX(XのOpenGL拡張)の情報を表示する
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

$ glxinfo | grep rendering
→ Aiglxが有効になっているかどうかを確認します。

direct rendering: Yes

と表示されれば、Aiglxが有効になっています。


===================================
よく使う基本コマンド20 --システムの停止/再起動編--
===================================

最後の基本コマンドは、システムの再起動と終了に関するコマンドです。
xorg.confの編集後に、再起動する際などに利用できます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「init」 
機能:シャットダウン/再起動を実行する
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

# init 0
→ システムをシャットダウンします。


# init 6
→ システムを再起動します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「shutdown」 
機能:シャットダウン/再起動を実行する
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

# shutdown now
→ システムをシャットダウンします。


# shutdown -r now
→ システムを再起動します。

[類似のコマンド]
# reboot
→ システムを再起動します。


[補足事項]

【viエディタの使い方】

《コマンドモードと編集モード》
viには、下記のコマンドを実行できる「コマンドモード」と文字
入力を行う「編集モード」という2つのモードがあります。

普通のエディタと異なり、コマンドモードでは入力できないため、
文字入力の際には「編集モード」に切り替える必要があります。

《編集モードへ移るためのキー》    
[ i]
編集モードでは、文字入力ができ、「backspace」や「delete」
も使えます。また矢印キーで移動できます。

《コマンドモードへ戻るためのキー》    
[ esc(エスケープキー)]
起動時はコマンドモードになっているので、単に文字や行の削除を
行うだけなら、そのまま「x」や「dd」と打てば消去できます。

《カーソル移動キー(コマンドモード)》
[ h(←)]    左へ移動
[ k(↑)]    上へ移動
[ j(↓)]    下へ移動
[ l(→)]    右へ移動
[ 0]        行頭へ移動
[ $]        行末へ移動
[ Enter]    次の行の先頭へ移動

《変更キー(コマンドモード)》
[ x] 1文字削除
[ dd] 1行削除(カット)

《カット/コピー&ペースト(コマンドモード)》
[ yy]    1行コピー
[ dd]    1行カット
[ p]    ペースト(張り付け)

《終了キー(コマンドモード)》
「:」を押すと、カーソルが一番下の行へ移動します。そこで、
以下のように「q」などを入力すればそれぞれの操作が行えます。

:q    セーブせずに終了
:q!    変更した行もセーブせずに終了
:w    セーブするが終了しない。
:wq    セーブして終了


長くなりましたが、基本コマンドの説明は今回で一応終了です。

グラフィックドライバについては、メルマガ連動企画として
独学Linuxの方で詳しくまとめる予定です。
(このメルマガが配信される頃には書き終わっているかも…)

次回の配信は、9月6日の予定です。

内容は検討中ですが…お楽しみに!

第8回 Linuxの基礎知識 Part4

独学Linuxのvine_userです。
「これならわかる!デスクトップLinux」のご購読ありがとうございます。

さて,今回は,「ソースからのインストール」と「ネットワーク関連」
の基本コマンドを取り上げます。

前回予告した「X Windowが立ち上がらないときの対処法」について
は,申し訳ありませんが,次回に持ち越しです。

ちょっと欲張りすぎました。その代わり,今回は「補足事項」を
多めに加えて,よりわかりやすくまとめてみたつもりです。

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 Linuxの基礎知識 Part4
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ネットワークに関しては,他にもいろいろと補足しなければいけない
ことがたくさんありそうですが…。


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よく使う基本コマンド20 --ソースからのインストール編--
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アプリケーションプログラムのソースファイルは,通常,ソース
コード本体と設定ファイルなどをまとめた「パッケージ」の形で
配布されます。

これらのソースパッケージは,一般に「…tar.gz」,「…tar.bz2」,
「….tgz」などの名前が付いており,圧縮されています。

最近のLinuxでは,GUI上でダブルクリックすればファイルローラー
というプログラムが起動して,自動的に展開できますが,ここでは
コマンドで展開する方法を使いましょう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「tar」 
機能:ファイルを圧縮・展開する
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用例-その1>
$ tar zxvf (パッケージ名)
tar.gzまたはtgzという拡張子の付いたパッケージを展開します。

<使用例-その2>
$ tar jxvf (パッケージ名)
tar.bz2という拡張子の付いたパッケージを展開します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「./configure」 
機能:実行環境に合わせたMakefileを作成する
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用例>
$ cd (展開したソースパッケージの一番上のディレクトリ)
$ ./configure (← 一般ユーザ権限で実行可能)

一部例外はありますが,ほとんどのソースパッケージには,インス
トール手順を記載する「Makefile」を環境にあわせて作成するため
のコマンドが添付されています。それがこの「configure」です。

「./」は現在のディレクトリ上にあるファイルを指定するもので,
単に「$ configure」とすると,OSの標準コマンドとみなされ,
そんなコマンドはなありませんというエラーが出てしまいます。

このconfigureで依存パッケージが不足しているというエラーが
出ると,Makefileが作成されず,コンパイルもインストールも
出来ません。ソースからのインストールする場合,これが最初の
関門となります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「make」 
機能:ソースを元にしてコンパイルやインストールを実行する
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用例-その1>
(↓./configureと同じ場所で実行する)
$ make (← 一般ユーザ権限で実行可能)

実行環境に合わせた実行ファイルや設定ファイルを作成します。

<使用例-その2>
(↓./configureと同じ場所で実行する)
$ su
Password: (← rootのパスワードを入力)
# make install (← root権限でのみ実行可能)

mekeで作成した実行ファイルや設定ファイルを,それぞれ所定の
場所に配置し,セットアップします。

Ubuntuの場合は,以下のように実行します。
$ sudo make install
Password: (← rootのパスワードを入力)

[補足事項]
ここまででエラー表示がなければ,正常にインストールが終了
しているはずです。ただし,インストール時にエラーの出ない
依存パッケージがあることもあるので,実際にアプリケーション
を実行してみないと,正常に動くかどうかは断言できません。

そのアプリを,GUIでなくコマンドで実行すると,エラーの詳細
な内容が表示される場合があります。

僕がブログの中で,よくコマンドを使うのは,そのような事情も
あるわけです。


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よく使う基本コマンド20 --ネットワーク関連編--
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2台以上のPCを持っていて,家庭内LANを利用しようと考えている方
には覚えていただきたいところですが,それ以外の方々にはあまり
縁のないコマンドです。

ただし,インターネットにつながらないなどのネットワークトラブル
の際は,ifconfigやpingが役立ちそうです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「ifconfig」 
機能:ネットワークインタフェースの参照・設定・起動・停止
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用例-その1>
$ /sbin/ifconfig
IPアドレスやハードウェアアドレスを調べるために使います。
ネットワークが正常につながっているかどうかもわかります。

(以下,表示の例)
eth0 Link encap:Ethernet HWaddr 00:xx:xx:xx:xx:xx
inet addr:192.168.0.5
Bcast:192.168.0.255
Mask:255.255.255.0
inet6 addr: fe80::213:d4ff:fedc:eeb0/64 Scope:Link
UP BROADCAST RUNNING MULTICAST MTU:1500 Metric:1
RX packets:591599 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0
TX packets:383697 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0
collisions:0 txqueuelen:1000
RX bytes:862781909 (822.8 MiB)
TX bytes:35566558 (33.9 MiB)
Interrupt:18

lo Link encap:Local Loopback
inet addr:127.0.0.1 Mask:255.0.0.0
inet6 addr: ::1/128 Scope:Host
UP LOOPBACK RUNNING MTU:16436 Metric:1
RX packets:82 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0
TX packets:82 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0
collisions:0 txqueuelen:0
RX bytes:4100 (4.0 KiB) TX bytes:4100 (4.0 KiB)
(表示の例はここまで)

「inet addr:192.168.0.5」の部分がIPアドレス
「HWaddr 00:xx:xx:xx:xx:xx」の部分がハードウェアアドレス
を表しています。

<使用例-その2>
# /sbin/ifconfig eth0 up (← root権限でのみ実行可能)
eth0という名前で割り当てられたネットワークを有効にします。

<使用例-その3>
# /sbin/ifconfig eth0 down (← root権限でのみ実行可能)
eth0という名前で割り当てられたネットワークを無効にします。

<使用例-その4>
# /sbin/ifconfig eth0 192.168.0.2 (← root権限でのみ実行可能)
eth0という名前で割り当てられたネットワークのIPアドレスを
192.168.0.2という値に設定します。

[補足事項]
DHCPで割り当てられなかった場合には,このコマンドだけ実行しても,
ローカルでしか使えない場合があります。つまり,このコマンドだけ
ではインターネットにつながらない可能性があるということです。
そのあたりの調整は,設定状況に依存します。

loというのは,「ローカルループバック」と呼ばれる特別な仮想
インターフェイスです。まったくNICを設置していない場合でも、
このloだけは存在します。そうした初期状態であっても、仮想的に
ネットワークのテストなどに使えるように用意されているものだ
そうです。また、対応するIPアドレスは必ず127.0.0.1が割り当て
られますが,当然のことながら,このアドレスを用いて外部と通信
することはできません。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「ping」 
機能:ネットワークの接続状況をテストする
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用例>
$ ping -c 5 192.168.0.5
ローカルLAN内のPC(IPアドレス:192.168.0.5)に5回の試験信号
を送り,その応答時間をテストします。

URLを指定すれば,相手の状況によってはそのサイトからの応答も
チェックできますが,不正な攻撃とみなされる場合もあるので,
ローカルLAN内での確認にとどめておいた方が無難です。

(以下,表示の例)
PING 192.168.0.5 (192.168.0.5) 56(84) bytes of data.
64 bytes from 192.168.0.5: icmp_seq=1 ttl=64 time=0.027 ms
64 bytes from 192.168.0.5: icmp_seq=2 ttl=64 time=0.025 ms
64 bytes from 192.168.0.5: icmp_seq=3 ttl=64 time=0.025 ms
64 bytes from 192.168.0.5: icmp_seq=4 ttl=64 time=0.028 ms
64 bytes from 192.168.0.5: icmp_seq=5 ttl=64 time=0.028 ms

--- 192.168.0.5 ping statistics ---
5 packets transmitted, 5 received, 0% packet loss, time 3997ms
rtt min/avg/max/mdev = 0.025/0.026/0.028/0.005 ms
(表示の例はここまで)

[補足事項]
「-c」オプションは,試験信号を送る回数を指定しますが,この
オプションを使わず回数を指定しない場合は,「Ctrlキー+C」で
止めないと,いつまでも送り続けます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「wget」 
機能:httpやftp経由でファイルをダウンロードする
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用例>
$ wget (ダウンロードしたいファイルのURL)
指定した場所にあるファイルを現在のディレクトリにダウンロード
して保存します。

[補足事項]
GUIでダウンロードするより,wgetコマンドを使った方がスピードが
速い場合があるようです。


お疲れさまでした。今回はここまでです。ディストリごとに数えると,
扱ったコマンドは,今回で16個。とりあえず,覚えて欲しいコマンド
はあと4つです。

他にもいろいろあるので,絞るのも結構難しいですけど。

次回こそ,X Windowが立ち上がらない場合の対処法を扱います。
結構,ここでつまずく人も多いと思いますので,多少,参考に
なるのではないでしょうか?

次回の配信は8月30日です。またお会いしましょう!

第7回 Linuxの基礎知識 Part3

独学Linuxのvine_userです。
「これならわかる!デスクトップLinux」のご購読ありがとうございます。

とにかく暑いですね。今週はブログ本体の方がなかなか更新でき
ませんでした。月始めには,毎日更新を目論んでいたのですが…。


さて,今回はインストールに関係するコマンドをまとめてみます。

ソースからのインストールやリポジトリの設定などは,また改めて
解説することにして,必要なコマンドだけを説明しておきます。

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 Linuxの基礎知識 Part3
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ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 アプリケーションのインストール
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あるパッケージをインストールするとき,他のパッケージが必要な
ことがあります。むしろ,単体でインストールできるものの方が
少ないと考えていいでしょう。
その場合,必要なものを1つ1つ拾ってくるのは大変です。

そこで,Linuxにはそのような依存パッケージをダウンロードして
一括処理してくれる非常に便利な機能があります。

GUIでは,
UbuntuやVineの場合:Synapticパッケージマネージャ
Fedoraの場合:アプリケーションの追加と削除(pirut)
openSUSEの場合:YaST2(Novell独自の技術)

などがありますが,コマンド操作でインストールする方法もあります。
そのときに用いられるのが,yumやapt-getなどのコマンドです。

CUIでは,
UbuntuやVineの場合:apt-getコマンド
Fedoraの場合:yumコマンド
openSUSEの場合:smartコマンド

ここでは,Fedora7とUbuntu 7.04の場合に絞ってまとめてみます。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 よく使う基本コマンド20 --パッケージ管理編--
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

OSをインストールした直後に入っていないアプリを追加するため
には,そのアプリが含まれているサイト(リポジトリ)を登録する
必要があります。ですが,インストール直後の状態でも,公式サイト
(標準リポジトリ)はすでに登録されています。そこに目的のものが
あるかどうかは別にして…。
マルチメディア関連などは,別な場所にあることが多いです。



ーーー Fedora7 編 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

Fedoraの場合,コマンドラインでインストールするためには,root
にならなくてはいけません。これは,バイナリをユーザがアクセス
できない場所に納めたり,管理者権限でないと変更できないことを
行うためです。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「su」 
機能:ユーザのシェルを起動する
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用例1>
$ su
Password:(rootのパスワードを入力)
# (←この状態になったらrootとしてコマンドを実行できる)
# exit (←最初のユーザに戻る)

<使用例2>
$ su (別な一般ユーザ名)
Password:(そのユーザのパスワードを入力)
$ (←そのユーザとしてコマンドを実行できる)
$ exit (←最初のユーザに戻る)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「yum」 
機能:パッケージのインストールや削除・パッケージの検索
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用例-その1>
# yum install (パッケージ名)
指定したパッケージとその依存するライブラリなどを一括
インストールします。

<使用例-その2>
# yum remove (パッケージ名)
指定したパッケージとその依存するライブラリなどを一括
削除します。

<使用例-その3>
# yum search (パッケージ名または関連するライブラリの名称)
指定したパッケージまたはライブラリを含むパッケージを
リストアップします。

<使用例-その4>
# yum install --enablerepo=(リポジトリ名) (パッケージ名)
指定したリポジトリを有効にして,そのリポジトリを含む形で
パッケージを探し出してインストールします。

なお,これは/etc/yum.repos.d/の中の.repoという拡張子の
ついた設定ファイルで無効になっているリポジトリを使用する
ときに使います。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「rpm」 
機能:単体のrpmパッケージのインストールや削除
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用例-その1>
# rpm -ivh (完全なパッケージ名).rpm
指定したrpmパッケージをインストールします。

<使用例-その2>
# rpm -Uvh (完全なパッケージ名).rpm
指定したrpmパッケージをアップデートします。
新規のインストールにも使えます。

<使用例-その3>
# rpm -e (完全なパッケージ名).rpm
指定したrpmパッケージを削除します。

<使用例-その4>
# rpm -qa
インストールされているrpmパッケージをすべて表示します。

<使用例-その5>
# rpm -qa | grep (文字列)
インストールされているrpmパッケージのうち,(文字列)を含む
パッケージのみを表示します。



ーーー Ubuntu 7.04 編 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

Ubuntuの場合,rootは存在しません。では,管理者権限でないと変更
できないことを行うためにはどうしたらいいか?
それには,sudoというコマンドを加えることにより,一時的に管理者
となってそのコマンドを実行します。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「sudo」 
機能:ユーザのシェル内でrootとしてコマンドを実行する
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用方法>
$ sudo (コマンド)
Password:(ログイン時の一般ユーザのパスワードを入力)
(→rootとしてコマンドが実行される)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「apt-get」 
機能:パッケージのインストールや削除
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用例-その1>
$ sudo apt-get install (パッケージ名)
指定したパッケージとその依存するライブラリなどを一括
インストールします。

<使用例-その2>
$ sudo apt-get remove (パッケージ名)
指定したパッケージとその依存するライブラリなどを一括
削除します。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「dpkg」 
機能:単体のdebパッケージのインストールや削除
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用例-その1>
$ sudo dpkg -i (完全なパッケージ名).deb
指定したdebパッケージをインストールします。

<使用例-その2>
$ sudo dpkg -r (完全なパッケージ名).deb
指定したdebパッケージを削除します。

<使用例-その3>
$ dpkg -l
インストールされているdebパッケージをすべて表示します。

<使用例-その4>
$ dpkg -l | grep (文字列)
インストールされているdebパッケージのうち,(文字列)を含む
パッケージのみを表示します。


GUIのインストーラは他にもいくつかあります。Fedoraでは「yumex」,
Ubuntuでは「Automatix」などが有名ですね。

お疲れさまでした。長くなるので,今週はここまでです。

次回の配信予定は8月23日です。今回の続きで,ソースからの
インストール方法とネットワーク関連のコマンド,それにX Windowが
立ち上がらないときの対処法などを扱う予定です。お楽しみに!

第6回 Linuxの基礎知識 Part3予習編

独学Linuxのvine_userです。
「これならわかる!デスクトップLinux」のご購読ありがとうございます。

今日も暑いですね。みなさんのCPUは大丈夫ですか?
さすがにCPUを焼いてしまったことはありませんが…。

前回の記事を書いていて,コマンドを説明するにも,いろいろと予備
知識が必要だと実感しました。

そこで,今回は臨時便でインストールに関する予備知識をまとめて
説明しておくことにしました。


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 Linuxの基礎知識 Part3予習編
=================================


◎ 用語解説 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

====================
【リポジトリ】
====================


Linuxのアプリケーションは,OSのインストール時に標準で組み込ま
れているものだけでなく,パッケージの配布サイトから入手できる
ものも数多く存在します。

また,その配布サイトも1ヶ所だけでなく,同一のパッケージを配布
するサイトが各国に複数あります。そのようなサイトをミラーサイト
といいます。多くのディストリビューションの場合,デフォルトでは
海外の公式サイトからダウンロードされるように設定されています。

なので,日本国内にミラーサイトがある場合,そこからパッケージを
ダウンロードするように設定しておけば,ダウンロードのスピードが
格段に速くなり,インストール直後のアップデートもスムーズに行う
ことができます。



中には,UbuntuのBerylやCompizFusionのパッケージを配布している

Trevinoさんのように,個人でパッケージを作成して,自分のサイト
で配布している方もおられます。
僕のブログにたまにコメントされているしぐれさんもその1人で,
Fedora用のBerylを配布して下さっています。


一般に,以上のような配布サイトを「リポジトリ」と呼んでいます。



これらのリポジトリからアプリケーションをインストールするため
には,直接そのサイトにとりに行く必要はありません。
そのURLを決められた手順できちんと登録しておけば,Ubuntuなら
apt-get,Fedora7ならyumというコマンドを使ってパッケージ名を
指定するだけで,インストールできるのです。



これらのコマンドの使い方は,次回に紹介します。




====================
【バイナリとソース】
====================


アプリケーションやそれに必要とされるライブラリ(アプリケーション
の実行に必要な補助プログラム)を実行するとき,C言語などで書かれた
テキストのプログラムコードだけでは動きません。

コンピュータが理解できる形の実行ファイルに変換する必要があります。



このような変換作業をコンパイルといい,もとのプログラムコードを
ソースコードまたはソースプログラム(以下「ソース」と略します)と
いいます。

また,コンパイルして出来上がった実行ファイルをバイナリコードまた
はバイナリプログラム(以下「バイナリ」と略します)といいます。



ソースは,プログラムを改良したり,環境に合わせてバイナリを再構築
する際に用いられるもので,通常リポジトリからapt-getやyumなどの
コマンドでインストールされるのは,バイナリです。

ただし,オープンソースの場合,ソースが欲しければ必ず入手できる
ようになっています。また,ライセンスの問題からバイナリを配布せず,
ソースのみを配布している場合もあります。



====================
【rpmパッケージとdebパッケージ】
====================

Linuxでインストールできるパッケージには,大きく分けて拡張子が
「….rpm」となっている「rpmパッケージ」と拡張子が「….deb」と
なっている「debパッケージ」の2種類があります。

FedoraやVineなどは,RedHat Linuxが母体となっており,「rpm」を
採用しています。また,UbuntuなどはDebian GNU/Linuxが母体なので,
Debianで使われている「deb」を採用しています。
このために,前者を「rpm系ディストリビューション」,後者を
「deb系ディストリビューション」と呼んで区別するわけです。

「rpm」形式と「deb」形式ではパッケージの構成が異なるので,
同じLinuxでもrpmパッケージはFedoraやVineでしか使えず,
debパッケージはUbuntuなどでしか使えません。


====================
【GUIでのインストール】
====================


公式サイトのリポジトリにあるパッケージは,ネットワークさえつな
がっていれば初期設定のままでGUIで簡単にインストールできます。

例えば,Ubuntuなら,デスクトップの上側にあるパネルから
「システム」→「システム管理」→「Synapticパッケージマネージャ」
を開き,目的のパッケージを選択して右クリックで「インストール指定」
して「適用」を押すだけです。

Fedoraの場合は,同様にデスクトップの上側にあるパネルから
「アプリケーション」→「アプリケーションの追加と削除」
を開き,インストールしたいパッケージにチェックを入れて「適用」
するだけで,インストールできてしまいます。

それぞれ検索機能があるので,目的のパッケージ名に含まれて
いそうなキーワードを入力すれば大抵のものは見つかります。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

■ 確実に成功させたい人へ

早く3Dデスクトップを試したいと思われる方が多いと思いますが,
もう少し基本的なことを理解してから取り組んだ方が無難だと思います。

なぜなら,失敗した場合,コマンド操作が必要になるケースが多い
からです。
原因や復旧方法がわからず,何度もインストールを繰り返して諦めて
しまった人が大勢いると思います。

知っておきたいコマンドは20個程度で十分だと思っていますので,
もう少し頑張りましょう!

次回の配信は,8月16日です。お楽しみに!

第5回 Linuxの基礎知識 Part2

独学Linuxのvine_userです。
「これならわかる!デスクトップLinux」のご購読ありがとうございます。

暑い日が続いていますが,みなさんのグラボは大丈夫でしょうか?
実は2年ほど前に,グラボが焼けてしまった苦い思い出があります。
きちんと冷却を考えましょう。


さて,今回はちょっと難しいかも知れませんが,Linuxと付き合っていく
以上はぜひ知っておいていただきたい話です。


=================================
 Linuxの基礎知識 Part2
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ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 コマンド操作の利点
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いま100枚の画像データがあるとします。
これらはバラバラのサイズなので,同じ大きさに揃えたいと考えています。

こういうときどうします?
1枚1枚を画像処理ソフトで大きさの変更をしますか?大変ですよね。

実は,ImageMagickというソフトに付随するconvertというコマンドを使うと,
一発で100枚すべてを自動処理できるのです。

こういう使い方があるかどうかわかりませんが,atというコマンドを使えば,
この処理を指定した時刻に実行するように設定することも可能です。

これらはコマンドを利用した1つの例に過ぎません。
最近のLinuxではGUIだけでほとんどの操作がWindowsと同じようにできるように
なってきていますが,GUIだけで使うのはもったいないと思います。

コマンドを理解し,コマンド操作を併用していけば,Windowsとは違ったLinuxの
便利さを実感できるでしょう。また,ソースファイルでしか手に入らないソフト
をインストールする際には,コマンド処理を避けて通ることはできません。

ただし,すべてのコマンドを覚えるのは不可能ですし,その必要もありません。
ここでは僕が普段よく使うものだけに絞って,用途別にまとめてみます。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 よく使う基本コマンド20 --ファイル管理編--
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あらかじめ断っておきますが,これから説明するコマンドの機能には,GUI
で簡単に操作できるものも多く含まれます。ですが,基本は大切です。

コマンドには,「-r」とか「-i」とかいう形で追加するオプションがあり
ますが,これも普段使わないものは省略します。大抵のコマンドには,
「--help」というオプションがあるので,それを参考にして下さい。
また,cpコマンドであれば「man cp」などと入力すれば,マニュアルページ
が表示されますので,そちらも参考になるでしょう。

ちなみに,以下で出てくる「ディレクトリ」という用語については後述の
「用語解説」を参考にして下さい。わかりやすくするため,適宜,ディ
レクトリをフォルダという呼び方で説明しています。


■ ファイルのコピー・削除
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「cp」 
機能:ファイルやディレクトリをコピーする
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用例-その1>
$ cp ファイル1 ファイル2
「ファイル1」というファイルを「ファイル2」という名前でコピーします。
<使用例-その2>
$ cp -r フォルダ1 フォルダ2
「フォルダ1」というフォルダを中身ごと「フォルダ2」にコピーします。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「rm」 
機能:ファイルやディレクトリを削除する
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用例-その1>
$ rm ファイル1
「ファイル1」というファイルを削除します。
<使用例-その2>
$ rm -r フォルダ1
「フォルダ1」というフォルダとその中身を削除します。
<使用例-その3>
$ rm -rf フォルダ1
「フォルダ1」というフォルダとその中身を強制的に削除します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「mv」 
機能:ファイルやディレクトリの移動・名前の変更をする
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用例-その1>
$ mv ファイル1 ../ファイル2
「ファイル1」というファイルを1つ上のフォルダに「ファイル2」
という名前で移動します。
<使用例-その1>
$ mv -t フォルダ1 ファイル1
「ファイル1」というファイルを「フォルダ1」というフォルダの中に
に移動します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「mkdir」 
機能:ディレクトリを作成する
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用例-その1>
$ mkdir フォルダ1
現在の位置に「フォルダ1」という名前のフォルダを作成します。
<使用例-その2>
$ mkdir -p testup/testdown
現在の位置に「testup」という名前のフォルダを作成し,さらにその
中に「testdown」という名前のフォルダを作成します。


■ ディレクトリの移動・現在位置での確認
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「cd」 
機能:ディレクトリを移動する
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用例-その1>
$ cd フォルダ1
現在のディレクトリの下にある「フォルダ1」というディレクトリに移動
します。「フォルダ1」が存在しなければエラーになります。
<使用例-その2>
$ cd ../
現在の位置から1つ上のディレクトリへ移動します。
$ cd
現在の位置からユーザのホームディレクトリへ移動します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「pwd」 
機能:現在のディレクトリの場所を確認する
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用例> vine-userというユーザの場合,Gnome端末を開いた直後では
$ pwd
/home/vine-user
という形で表示されます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「ls」 
機能:ファイルやディレクトリの情報を表示する
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用例-その1>
$ ls
現在のディレクトリの中にあるファイルやフォルダの名前を一覧表示します。
<使用例-その2>
$ ls -a
現在のディレクトリの中にある「.」(ドット)で始まる隠しファイルや隠し
フォルダを含めたすべてのファイルやフォルダの名前を一覧表示します。
<使用例-その3>
$ ls | grep (文字列)
名前に(文字列)を含んだファイルやフォルダのみを一覧表示します。
<使用例-その4>
$ ls | less
多くのファイルが含まれているとき,表示が先に流れてしまわないように
先頭が見える形で表示をストップします。続きを見るには,Enterキーを
押し,途中でやめるにはqキーを押します。

(注意)使用例-その3・4のgrepやlessは独立したコマンドですが,
   組み合わせて使うことが多いので,ここに挙げておきました。

■ シェルの補完機能
一度入力したコマンドは,シェルの中に履歴として残っています。
この履歴は,↑キーや↓キーを使って呼び出すことが出来ます。
これをシェルの補完機能といって,同じコマンドを繰り返し実行したい
ときに非常に便利。

これは,コマンドそのものではありませんが,コマンド操作でよく使うので
覚えておくといいでしょう。

もう1つの補完機能。GUIで目に見えているフォルダをGNome端末に
ドラッグすると,そのフォルダのディレクトリが入力されます。

例えば,目的のフォルダが見えるようにファイルブラウザを開いておき,
cdと入力してから,そのフォルダをドラッグします。すると,一気に
そのディレクトリへ移動できるというメリットがあります。


今回はこれまで。次回は,アプリケーションのインストールに関連した
コマンドを中心に解説します。


◎ 用語解説 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【ディレクトリ】
フォルダ(ファイルの格納場所)やファイルの場所を表すものと考えていい
でしょう。例えば,vine-userというユーザのデスクトップの場所は
/home/vine-user/Desktop
という名前のディレクトリになります。このユーザでログインしている場合,
Gnome端末を開いた直後は
/home/vine-user
という名前のディレクトリにいることになります。このディレクトリを特に
そのユーザのホームディレクトリといいます。
なお,「/」の記号はディレクトリの境目を表していて,単に「/」とだけ書くと
PC内のLinuxシステムのすべてを含む一番上のディレクトリを表します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


★★★★ 付録 [独学Linuxの裏話] ★★★★★★★★★★★★★★★★★

僕が心の中で「Google予算」と呼んでいるものがあります。何かというと,
Adsenseの収入です。ブログに書くと金目当てかと勘違いされるので,あえて
ブログでは触れませんけど,最近ではほぼ毎月120ドル程度の収入があります。

この「Google予算」ですが,どうも個人的にパーっと使う気になれないんです。
何かの形で読者の方々に還元しなきゃいけないと思ってしまいまして…。
結果的に,どうしているかというと,実はブログで紹介している実験を行う上
で必要なハードウェアの購入に当てているんです。
以前からのブログの読者の方々には見覚えがあると思いますが,Wiiリモコン
やiPod,実験用HDD,昨日のブログで取り上げたATIのグラボなどは,すべて
「Google予算」の産物です。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


次回の配信は,8月16日です。もう少しコマンドの説明が続きますが,
ちょっとだけ我慢してお付き合い下さい。

第4回 ディストリビューションの種類

独学Linuxのvine_userです。
「これならわかる!デスクトップLinux」のご購読ありがとうございます。

初回の配信以降,多くの方に登録していただいたので,番外編を
お送りします。

今回は,ディストリビューションの種類を説明しておきます。

Linuxの基礎知識Part0 で解説しているように、Linuxはいろいろな
ディストリビューションに分かれています。
今回はそれらについてまとめてみましょう。
ちなみに,RPM系とかdeb系とか書きましたが,いまはわからなくても
構いませんので,気にしないで下さい。


●Fedora(フィドーラ、フェドーラ、フェドラ)
RPM系Linuxディストリビューションの1つ。リリース6までは
Fedora Coreと呼ばれていました。最新安定バージョンは
「Fedora7」。F7と略されます。
ちなみに、FedoraCore6はFC6ですね。

開発はFedora Projectで行われていて、レッドハットがこれ
を支援していて,開発されたFedoraは、同社製OSの
Red Hat Enterprise Linux(RHEL)のベースとなっています。
恐らく国内のWEBサーバーの大半はこれを使っています。


●openSUSE(オープンスーゼ)
RPM系Linuxディストリビューションの1つ。米Novell社が販売
している「Novell SUSE Linux」のオープンソース版。
イメージキャラクタはカメレオンです。

コミュニティのopenSUSEプロジェクトが開発・提供しています。
最近話題の3Dデスクトップの先駆けとなったXglを導入して注目
されました。バージョン10.0からユーザーコミュニティに開発プロ
ジェクトを開放してSuSE LinuxからopenSUSEと改名。
最新安定バージョンは「openSUSE 10.2」です。
ちなみに商用の「Novell SUSE Linux」にはデスクトップ版があります。


●Ubuntu(ウブントゥ)
deb系Linuxディストリビューションの1つ。Debian GNU/Linuxを
ベースにしていますが、より使いやすさや、定期的なリリース、イン
ストールの容易さを重視して、デスクトップに主眼をおいています。

南アフリカ生まれのマーク・シャトルワースが創業したCanonical社
から支援を受けていて、Ubuntuの名はアフリカの言葉で「他者への
思いやり」などの意味をもっているそうです。
LiveCDからのインストールをいち早く採用しました。


●Vine Linux(ヴァイン リナックス)
RPM系Linuxディストリビューションの1つ。日本国産なので,日本語
の対応が進んでおり,日本では人気の高い Linuxディストリビューション
です。Linuxの入門用ディストリビューションともいえます。

現在は、Project Vineのメンバーを中心に開発が進められています。
開発版の名称は VineSeed。株式会社日本ブレインウェア から支援を
受けていて,商用版がこの会社から販売されています。


この他にも有償・無償のものを合わせて,数百種類ものディストリ
ビューションが存在し,毎日多くの最新版が公開され続けています。

参考→http://distrowatch.com/


次回の配信は,8月9日です。お楽しみに!

第3回 Linuxの基礎知識 Part1の補足

独学Linuxのvine_userです。
「これならわかる!デスクトップLinux」のご購読ありがとうございます。

初回の配信でフッターが表示されていないことに気づきましたので、
臨時便をお送りいたします。

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 Linuxの基礎知識 Part1の補足
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「GUIとCUI」,「rootと一般ユーザ」の違いはわかっていただけましたか?

LinuxのGUIは,Xウィンドウと呼ばれるプログラム・GnomeやKDEなどの
デスクトップ統合環境・metacityなどのウィンドウマネージャの組合せ
で実現されています。

最近はやりの3DデスクトップでCompizとかBerylとかCompizFusion
という名前を聞いたことのある方もいると思います。僕もブログで扱って
いますが,これは上の区分でいうとウィンドウマネージャに相当します。

また,XGLという名前も聞いたことがあるのではないでしょうか?
これはXウィンドウの代わりとして使われるもので,Berylなどを実行する
土台となるものです。最近では,XウィンドウにXGLと同じ役割を果たす
Aiglxという機能が採り入れられていて,XGLはあまり使われていません。

第2回 Linuxの基礎知識 Part1

独学Linuxのvine_userです。
「これならわかる!デスクトップLinux」のご購読ありがとうございます。

1年半、独学Linuxというブログを書いてきて、できるだけわかりやすい
内容にしてきたつもりですが、初心者には難しすぎるのではないかという
気がしています。そこで、今回からメルマガで少しずつ学習するという形
でお届けすることにしました。疑問点は下記のメールアドレスまでご連絡
いただければ、可能な限りアドバイスさせていただきたいと思います。

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 Linuxの基礎知識 Part1
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今回はいくつかの用語を説明しておきましょう。

■GUIとCUI
GUI(グラフィックユーザインターフェイス)というのは、WindowsやOSXと
同じように、ディスプレイ上にデスクトップ画面が表れてウィンドウを操作
する形のインターフェイスです。Windowsしか知らない人にとっては、当り前
の画面ですが、Linuxはサーバー用途で使われることが多いので、必ずしも
GUIを必要とはしないのです(デスクトップLinuxでは必須ですけど)。

それではどうやってコンピュータとやりとりするかということですが、文字
データ(アルファベットや数字や!#$%&などの特殊文字)だけでやりとりする
んです。そのための入出力の画面がCUI(コマンドラインインターフェイス)
で、bashとかtcshなどのシェル(shell)というプログラムを介して"会話"
を行います。この仕組みをGUI上で使うには、Gnome端末などを使います。

Linuxでは標準シェルとしてbashが採用されています。OpenBSDやMac OSX
などのBSD系OSではtcshが標準シェルになっています。Gnome端末を開くと

vine-user@ubuntu:~$
vine-user@ubuntu:~#

という表示が出ますが、これがbashです。ちなみに、一般ユーザのときは$で、
rootと呼ばれる管理者のときに#という表示に変わります。rootについては
下記を参照して下さい。なお、tcshでは

vine-user@ubuntu:~%

という表示になります。

■rootと一般ユーザ
Linuxは原則として複数の人が共用するマルチユーザシステムになっています。
ところが、すべてのユーザーが何でも出来てしまったら、勝手にいじってシス
テムを壊してしまう危険性があります。

そこで、普通のアプリケーションだけを使うユーザーとシステム管理を行う
ユーザーを区別して、前者を一般ユーザ、後者をrootとかスーパーユーザと
呼んでいます。普通は、インストール時にrootのパスワードを設定しますが、
Ubuntu Linuxでは、セキュリティー上の理由からrootを作らないように
なっています。この場合、システムに変更を加えるためには、sudoという
コマンドを利用します。これは一時的に管理者としてコマンドを実行する
プログラムです。パスワードは一般ユーザのものを使えばいいという設定に
なっています。

使いはじめて間もない時期には、いろいろ設定ファイルを変更しなければなら
ないことが多く、面倒くさいためか、常にrootでログインする人がいますが、
なるべく避けた方がいいでしょう。なぜなら、rootはスーパーユーザという
名前から想像できるように、何でも出来てしまうからです。

例えば、一番上のディレクトリ(すべてのファイルを格納している場所)で次の
コマンドを打ったら完全にアウトです。

# rm -rf *

rm -rfは以下のディレクトリの中身を強制的に完全に消去しろという命令。
*はすべてのファイルを意味します。
つまり、「コンピュータの中身を全部消せ」ってことです。
最初の頃は、重要な設定ファイルを間違えて変更してしまったり、最悪消して
しまうことも考えられます。多少面倒でも、一般ユーザでログインしましょう。

次回の配信は、8月9日です。通常よく使うコマンドについて解説します。

第1回 Linuxの基礎知識 Part0

はじめまして。vine_userです。
「これならわかる!デスクトップLinux」のご購読ありがとうございます。

1年半、独学Linuxというブログを書いてきて、現在1日900名を越える
ユニークユーザ数に至っています。できるだけわかりやすい内容にして
きたつもりですが、初心者には難しすぎるのではないかという気がして
きました。そこで、今回からメルマガで少しずつ学習するという形で
お届けすることにしました。疑問点は下記のメールアドレスまでご連絡
いただければ、可能な限りアドバイスさせていただきたいと思います。

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 Linuxの基礎知識 Part0
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Q.そもそもLinuxって何?

A.WindowsXPやMac OSXと同様に、コンピュータを制御するOSの一種と考
えていいでしょう。正確には、カーネルというOSの中心部分だけを指す
もので、Linuxカーネルとも呼ばれます。一般に、Linuxカーネルを用い
たOSを単に「Linux」と呼んでいます。

Q.オープンソースって何?

A.一般に、WindowsXPなどを含む市販のソフトウェアは、勝手に改変され
ないようにソースコード(プログラムの設計書みたいなもの)を秘密にして
実行プログラムだけを売っています。これに対して、ソースコードを公開
して世界中の多くのボランティアが少しずつ改良を加えられるようなライ
センス形態をとるプログラムを「オープンソース」といいます。

Q.ディストリビューションって何?

A.「Linux」を構成するプログラムの多くは、オープンソースで構成され
ていて別々のプロジェクトで開発されています。
だからそれらの組み合わせによっては、うまく動作しないこともあるわけ
です。そこで、できるだけ相性のよいアプリケーションを組み合わせたも
のをパッケージで配布する形をとっており、そうしたパッケージを「ディ
ストリビューション」と呼んでいます。

Q.ウィルスに感染しないって本当?

A.正確にいうと、嘘です。ただ、現時点ではデスクトップ用途で使う人が
少ないので、ほとんど出回っていないようです。Windowsをターゲットに
したウィルスには感染しませんが、ファイル共有などでWindowsと併用する
場合、併用しているWindowsに感染してしまうという事態も考えられますの
で、注意が必要でしょう。

Q.インストールが難しいって聞いたけど?

A.ものによっては難易度が高いものもありますが、数年前よりずっと簡単
になっています。UbuntuなどはWindowsのインストールよりずっと楽です。
中にはインストールしなくても使える1CD Linuxと呼ばれるものもあります。

Q.Linuxはどこで手に入るの?

A.一番簡単なのは、書店で販売している雑誌などの付録を利用することで
しょう。最近は種類が少なくなっていますが、日経Linuxなどは毎月発行
されています。各ディストリビューションの公式サイトやミラーサイトで
CDイメージファイルをダウンロードしてCDやDVDに焼いて、インストール用
のディスクを自分で作ることもできます。SUSE Linux Enterprise Desktop
などの商用Linuxを購入するという方法もあります。

今回は初回なので、Q&A形式でお届けしました。
次回からは、もう少し具体的な内容に触れていきますので、お楽しみに!