2008年9月14日日曜日

第21回 Linuxのセキュリティー対策《その3》

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 Linuxのセキュリティー対策《その3》
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最近は,Fedora8にすっかりハマっています。職場にこっそり導入した
Fedora7のXOOPSサーバもアップグレードしようかと,目論んでいる
今日この頃です。


今回は,前回に引き続き,「不要なサービスを止める」というテーマで
具体的なサービスについてまとめてみます。主にFedora8やFedora7の
解説ページを元にしていますが,Ubuntuなど他のディストリに共通する
ものも多く含まれています。


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 不要なサービスを止める方法 ー Part2 ー
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参照サイト:Fedora8
http://www.mjmwired.net/resources/mjm-services-f8.html

参照サイト:Fedora7
http://www.mjmwired.net/resources/mjm-services-f7.html


不要なものについては,それぞれ下記のランレベルでOFFに設定します。

Fedoraの場合:ランレベル5&ランレベル3
Ubuntuの場合:ランレベル2


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■ 停止してはいけない,または停止しない方がいいサービス
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下記のサービスは,ハードウェアの認識やシステムに関わるものです。
停止可能なものもあるかも知れませんが,よほど特別な事情がない限り,
OFFにすべきではありません。

・ConsoleKit
・crond
・auditd
・autofs
・haldaemon
・kudzu
・messagebus
・nasd
・ntpd
・smartd
・udev-post
・network
・rsyslog
・readahead_early
・readahead_later
・xinetd

アップデート関連:アップデートの告知が不要ならOFFでよい。
・yum-updatesd

ファイアウォール関連
・iptables:ファイアーウォールの本体。切らない方がよい。
・ip6tables:IP6を使わなければOFFにしてよい。

SELinux関連:SELinuxを使わなければOFFにしてよいが,
切らない方がよい。
・restorecond
・setroubleshoot
・mcstrans

マルチCPU関連:デュアルコアCPUやHT機能をもつCPUではONに設定。
・irqbalance

Xwindow関連
・gpm:テキストモードでログインしない限り,OFFでよいが,
   テキストモードでON,GUIでOFFに設定すべき。

電源管理
・acpid:停止すると,suspend, sleep, wakeupでトラブルが
   生じる可能性もある。

DHCPでネットワークを利用する際に必要
・dhcdbd


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■ 停止してもいいサービス
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下記のサービスは,それぞれの機能を利用しない場合,停止してもよい
ものです。

【デスクトップ/ラップトップでは通常必要ないサービス】
・NetworkManager, NetworkManagerDispatcher
・anacron, atd
・avahi-daemon, avahi-dnsconfd
・capi
・lisa
・netconsole
・netplugd
・nscd
・smolt

【Bluetooth機器を利用する場合に必要】
・bluetooth, hcid, hidd, sdpd, dund, pand

【Bittorrentを利用する場合に必要】
・btseed, bttrack

【AMD PowerNowやインテルSpeedStepの利用に必要】
・cpuspeed

【プリンタでCupsを使用する際に必要】
・cupsd, cups-config-daemon

【HPのプリンタを使用する際に必要】
・hplip, hpiod, hpssd

【WEBサーバを構築する際に必要】
・dc_client, dc_server
・httpd

【インストール直後のブート時のみに利用される】
・firstboot

【赤外線機器を利用する際に必要】
・irda, irattach
・lirc

【ISDNを利用する際に必要】
・isdn

【lm-sensorsを利用する際に必要】
・lm_sensors:ハードウェアの温度など情報を調べるもの。

【RAIDやLVMを利用する際に必要】
・mdmonitor

【NFSやSambaなどのファイル共有を自動起動する際に必要】
・netfs

【NFSを利用する際に必要】
・nfs, nfslock
・rpcbind
・rpcgssd, rpcidmapd, rpcsvcgssd

【Sambaを利用する際に必要】
・nmbd
・smb

【スマートカードを利用する際に必要】
・pcscd

【テキストモードでメールを利用する際に必要】
・sendmail
 ※ Thunderbird, Kmail, Evolutionなどの通常のGUIの
  メールクライアントでは不要。

【リモートコマンドのSSHを利用する際に必要】
・sshd


だいたいこれで網羅していると思われますが,どんなアプリケーションを
導入しているかによって,上記では取り上げていないサービスが含まれる
場合もあります。
逆に,例えば,Apacheをインストールしていなければ「httpd」の項目
はないはずです。

ちなみに,Wiiリモコンを使うときは,Buetooth関連を有効にしておかな
ければなりません。

あまり神経質になる必要はないですが,不要なものは止めておくべきだと
思います。

また,FirewallやSELinuxは,どうしても必要な機能に不具合が生じない
限り,有効にしておきましょう。ルータにもFirewall機能がありますが,
それだけに頼るのは危険です。

種類が多いので面倒ですが,1つ1つ切りながら確かめるのが一番確実です。


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 編集後記
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スパムメールの検出機能をもつ「Spamassassin」についても取り上げ
ようかと思っていましたが,自分でもよくわかっていないので,保留に
しました。

一番確実なのは,ネットワークにつながずにローカルで利用すること
ですが…。Fedora8にBigboardというオンラインデスクトップ機能
が搭載されるなど,インターネットとの連携が進んでいる中,それは
もったいないなさすぎですね。

いろいろチャレンジしてみることも,Linuxの楽しみの1つですけど,
少しセキュリティーについても考えてみようというのが,今回のテーマ
を取り上げた目的です。

次回の配信は,11月29日の予定です。お楽しみに!