2008年9月14日日曜日

第16回 デスクトップの背景で動画を再生させる方法

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 デスクトップの背景で動画を再生させる方法
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いよいよ本日、Ubuntu7.10(Gusty Gibbon)が正式にリリース
される予定です。現時点では変更の予定はなさそうですが、日本語
ローカライズ版についてはわかりません。

ただ、前回の7.04は正規版リリースの2日後には公開されていました
ので、こちらもすぐに対応してくれるものと期待しております。
このバージョンはCompizFusionが標準装備されており、デフォルト
で有効になるようです。


さて、今回のテーマは、前提として以下の4つの条件を満たしている
方へ向けたやや応用的な内容です。

■ CompizFusionをすでに導入しており、正常に動作する。
■ Mplayerをすでに導入している。
■ Mplayerで再生できる動画ファイルがある。
■ (gccなど開発環境を導入している)

CompizFusionやMplayerは、以前の内容で導入可能なはずです。

最後の開発環境については、何らかのライブラリが不足する可能性も
あります。なお、Ubuntu7.04の場合は、バイナリのパッケージが
あるので、開発環境は不要です。
Fedora7の場合は、suコマンドでrootになり、以下のコマンドを
試して下さい。

# yum groupinstall 'Development Tools'

かなり時間がかかるかも知れませんが…。
OSのインストール時に開発パッケージを入れている方は、そのまま
で大丈夫だと思います。


= 参照記事 ========================

デスクトップの背景で動画を再生させる方法
http://blog.livedoor.jp/vine_user/archives/50988980.html

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【デスクトップの背景で動画を再生させる方法】

動画を背景で再生するためには、xwinwrapというプログラムを使います。
上記の条件を満たしている場合、このプログラムさえ入れてしまえば、
コマンドが面倒なだけで、すぐに実行できます。


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xwinwrapのインストール方法(Ubuntu7.04編)
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Ubuntu7.04の場合、TrevinoさんのリポジトリからCompizFusionを
インストールしていると思います。その場合は、簡単です。

$ sudo apt-get install xwinwrap

を実行して下さい。これで、インストール終了です。


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xwinwrapのインストール方法(Fedora7編)
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Fedora7の場合、ソースファイルからインストールする必要があります。

ついこの間まで、元ネタの記事の参照サイトがリンク切れになっていた
のですが、2〜3日前に、ソースファイルの新たな入手先がわかりました。
ブログの記事のリンクはすでに修正してあります。

まず、下記のサイトから「Makefile」と「xwinwrap.c」というファイル
をダウンロードします。

http://webcvs.freedesktop.org/xapps/xwinwrap/

「Makefile」をクリックすると、「Log of /xwinwrap/Makefile」
というページに移るので、Revision 1.1.1.1 と書いてある行の
(download)を右クリックして「Makefile」という名前で保存して下さい。

「xwinwrap.c」をクリックすると、「Log of /xwinwrap/xwinwrap.c」
というページに移るので、Revision 1.1.1.1 と書いてある行の
(download)をクリックすれば「ディスクに保存」できます。

次に、ダウンロードした「Makefile」と「xwinwrap.c」というファイルを
同じディレクトリ(同じフォルダということです)に入れて下さい。

最後に、Gnome端末を使って、そのディレクトリに移動し、次のコマンドを
実行します。

$ make

これでコンパイルは終了ですが、端末で単にxwinwrapと打つだけで認識
できるように、一工夫しておきます。次のコマンドで出来上がったバイナリ
を移動し、実行権を与えておきます。ここの意味がわからない方は、深く
考えずにとにかく以下のコマンドを打ってみて下さい。

$ cd (保存したディレクトリ) ←ここは人によって違います。
$ su
パスワード:(rootのパスワードを入力)
# cp xwinwrap /usr/local/bin
# chmod +x /usr/local/bin/xwinwrap
# exit

以上で、xwinwrapのインストールは終了です。


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動画を再生させる方法(Ubuntu7.04・Fedora7共通)
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それでは、さっそく試してみましょう。xwinwrapのインストールが
無事に済んだら、Gnome端末で用意した動画ファイルを指定して、
次のコマンドを実行してみます。長くなるので、2行に分けますが、
実際には1行で書いて実行して下さい。

(例) /home/vineに置いたtest.mpgという動画ファイルを再生する場合

$ xwinwrap -ni -fs -s -st -sp -b -nf -- mplayer -wid WID
-quiet /home/vine/test.mpg

いかがでしょうか?
ただ、これではデスクトップが完全に見えなくなってしまうので、
半透明にしてみましょう。

(例) 半透明にして再生する場合

$ xwinwrap -ni -fs -s -st -sp -b -nf -o 0.5 -- mplayer
-wid WID -quiet /home/vine/test.mpg

-o というオプションを加えるだけです。ここで指定する数値は、
0.0から1.0まで変えられます。0.0に近づけるほど透明になっていきます。


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背景でDVDを再生させる方法(Ubuntu7.04・Fedora7共通)
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さて、さらに応用としてデスクトップの背景でDVDを再生して
みましょう。市販DVDの場合は、暗号解除のためのlibdvdcssが必要です。

MplayerでDVDを再生するときは、次のコマンドを使います。

$ mplayer dvd://

このコマンドはxwinwrapでも使用できるので、これを使いましょう。

(例) DVD動画を半透明にして再生する場合

$ xwinwrap -ni -fs -s -st -sp -b -nf -o 0.5 -- mplayer
-wid WID -quiet dvd://

DVDのメニューが出て、表示がおかしくなる場合は、タイトルナンバー
を指定することもできます。

「dvd://」の部分を、「dvd://1」または「dvd://2」などとして
試してみて下さい。


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注意事項(Ubuntu7.04・Fedora7共通)
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・ビデオメモリ不足やドライバの不具合などにより、きちんと表示
 されない場合もあります。

・例に挙げたコマンドは、2行に分けて書いてありますので、改行が
 入ってしまっています。改行を除いて、必ず1行で実行して下さい。

・コマンドを実行する際は、必ずGnome端末で実行して、実行中は、
 端末を閉じないで下さい。

・終了する際は、端末で実行されている状態で「Ctrl+Cキー」を
 押して下さい。


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編集後記
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ちょっと今回もマニアックでしたかねぇ…。でも、結構興味を
もっている人も多いのではないでしょうか?

mplayerを使わずに、Screensaverのプログラムを実行することも
できます。これに関しては、以下の記事を参照して下さい。

XGLで背景にスクリーンセーバーを表示する方法
http://blog.livedoor.jp/vine_user/archives/50741154.html

これを書いたときは、XGLを使っていました。いまとなっては、
fglrxドライバを使うとき以外、利用する機会はありませんが…。

まだCompizFusionを導入できていない方あるいはMplayerが導入
できなかった方は、無事に使えるようになってから,もう一度
この記事を読み返してみて下さい。


次回の配信は、10月25日の予定です。テーマはまだ決まっていません。
相変わらず、無計画で申し訳ないです…。お楽しみに!