2008年8月28日木曜日

第7回 Linuxの基礎知識 Part3

独学Linuxのvine_userです。
「これならわかる!デスクトップLinux」のご購読ありがとうございます。

とにかく暑いですね。今週はブログ本体の方がなかなか更新でき
ませんでした。月始めには,毎日更新を目論んでいたのですが…。


さて,今回はインストールに関係するコマンドをまとめてみます。

ソースからのインストールやリポジトリの設定などは,また改めて
解説することにして,必要なコマンドだけを説明しておきます。

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 Linuxの基礎知識 Part3
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 アプリケーションのインストール
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あるパッケージをインストールするとき,他のパッケージが必要な
ことがあります。むしろ,単体でインストールできるものの方が
少ないと考えていいでしょう。
その場合,必要なものを1つ1つ拾ってくるのは大変です。

そこで,Linuxにはそのような依存パッケージをダウンロードして
一括処理してくれる非常に便利な機能があります。

GUIでは,
UbuntuやVineの場合:Synapticパッケージマネージャ
Fedoraの場合:アプリケーションの追加と削除(pirut)
openSUSEの場合:YaST2(Novell独自の技術)

などがありますが,コマンド操作でインストールする方法もあります。
そのときに用いられるのが,yumやapt-getなどのコマンドです。

CUIでは,
UbuntuやVineの場合:apt-getコマンド
Fedoraの場合:yumコマンド
openSUSEの場合:smartコマンド

ここでは,Fedora7とUbuntu 7.04の場合に絞ってまとめてみます。


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 よく使う基本コマンド20 --パッケージ管理編--
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OSをインストールした直後に入っていないアプリを追加するため
には,そのアプリが含まれているサイト(リポジトリ)を登録する
必要があります。ですが,インストール直後の状態でも,公式サイト
(標準リポジトリ)はすでに登録されています。そこに目的のものが
あるかどうかは別にして…。
マルチメディア関連などは,別な場所にあることが多いです。



ーーー Fedora7 編 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

Fedoraの場合,コマンドラインでインストールするためには,root
にならなくてはいけません。これは,バイナリをユーザがアクセス
できない場所に納めたり,管理者権限でないと変更できないことを
行うためです。


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コマンド名「su」 
機能:ユーザのシェルを起動する
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<使用例1>
$ su
Password:(rootのパスワードを入力)
# (←この状態になったらrootとしてコマンドを実行できる)
# exit (←最初のユーザに戻る)

<使用例2>
$ su (別な一般ユーザ名)
Password:(そのユーザのパスワードを入力)
$ (←そのユーザとしてコマンドを実行できる)
$ exit (←最初のユーザに戻る)


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コマンド名「yum」 
機能:パッケージのインストールや削除・パッケージの検索
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<使用例-その1>
# yum install (パッケージ名)
指定したパッケージとその依存するライブラリなどを一括
インストールします。

<使用例-その2>
# yum remove (パッケージ名)
指定したパッケージとその依存するライブラリなどを一括
削除します。

<使用例-その3>
# yum search (パッケージ名または関連するライブラリの名称)
指定したパッケージまたはライブラリを含むパッケージを
リストアップします。

<使用例-その4>
# yum install --enablerepo=(リポジトリ名) (パッケージ名)
指定したリポジトリを有効にして,そのリポジトリを含む形で
パッケージを探し出してインストールします。

なお,これは/etc/yum.repos.d/の中の.repoという拡張子の
ついた設定ファイルで無効になっているリポジトリを使用する
ときに使います。


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コマンド名「rpm」 
機能:単体のrpmパッケージのインストールや削除
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<使用例-その1>
# rpm -ivh (完全なパッケージ名).rpm
指定したrpmパッケージをインストールします。

<使用例-その2>
# rpm -Uvh (完全なパッケージ名).rpm
指定したrpmパッケージをアップデートします。
新規のインストールにも使えます。

<使用例-その3>
# rpm -e (完全なパッケージ名).rpm
指定したrpmパッケージを削除します。

<使用例-その4>
# rpm -qa
インストールされているrpmパッケージをすべて表示します。

<使用例-その5>
# rpm -qa | grep (文字列)
インストールされているrpmパッケージのうち,(文字列)を含む
パッケージのみを表示します。



ーーー Ubuntu 7.04 編 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

Ubuntuの場合,rootは存在しません。では,管理者権限でないと変更
できないことを行うためにはどうしたらいいか?
それには,sudoというコマンドを加えることにより,一時的に管理者
となってそのコマンドを実行します。


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コマンド名「sudo」 
機能:ユーザのシェル内でrootとしてコマンドを実行する
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<使用方法>
$ sudo (コマンド)
Password:(ログイン時の一般ユーザのパスワードを入力)
(→rootとしてコマンドが実行される)


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コマンド名「apt-get」 
機能:パッケージのインストールや削除
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用例-その1>
$ sudo apt-get install (パッケージ名)
指定したパッケージとその依存するライブラリなどを一括
インストールします。

<使用例-その2>
$ sudo apt-get remove (パッケージ名)
指定したパッケージとその依存するライブラリなどを一括
削除します。


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コマンド名「dpkg」 
機能:単体のdebパッケージのインストールや削除
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用例-その1>
$ sudo dpkg -i (完全なパッケージ名).deb
指定したdebパッケージをインストールします。

<使用例-その2>
$ sudo dpkg -r (完全なパッケージ名).deb
指定したdebパッケージを削除します。

<使用例-その3>
$ dpkg -l
インストールされているdebパッケージをすべて表示します。

<使用例-その4>
$ dpkg -l | grep (文字列)
インストールされているdebパッケージのうち,(文字列)を含む
パッケージのみを表示します。


GUIのインストーラは他にもいくつかあります。Fedoraでは「yumex」,
Ubuntuでは「Automatix」などが有名ですね。

お疲れさまでした。長くなるので,今週はここまでです。

次回の配信予定は8月23日です。今回の続きで,ソースからの
インストール方法とネットワーク関連のコマンド,それにX Windowが
立ち上がらないときの対処法などを扱う予定です。お楽しみに!