2008年8月28日木曜日

第6回 Linuxの基礎知識 Part3予習編

独学Linuxのvine_userです。
「これならわかる!デスクトップLinux」のご購読ありがとうございます。

今日も暑いですね。みなさんのCPUは大丈夫ですか?
さすがにCPUを焼いてしまったことはありませんが…。

前回の記事を書いていて,コマンドを説明するにも,いろいろと予備
知識が必要だと実感しました。

そこで,今回は臨時便でインストールに関する予備知識をまとめて
説明しておくことにしました。


=================================
 Linuxの基礎知識 Part3予習編
=================================


◎ 用語解説 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

====================
【リポジトリ】
====================


Linuxのアプリケーションは,OSのインストール時に標準で組み込ま
れているものだけでなく,パッケージの配布サイトから入手できる
ものも数多く存在します。

また,その配布サイトも1ヶ所だけでなく,同一のパッケージを配布
するサイトが各国に複数あります。そのようなサイトをミラーサイト
といいます。多くのディストリビューションの場合,デフォルトでは
海外の公式サイトからダウンロードされるように設定されています。

なので,日本国内にミラーサイトがある場合,そこからパッケージを
ダウンロードするように設定しておけば,ダウンロードのスピードが
格段に速くなり,インストール直後のアップデートもスムーズに行う
ことができます。



中には,UbuntuのBerylやCompizFusionのパッケージを配布している

Trevinoさんのように,個人でパッケージを作成して,自分のサイト
で配布している方もおられます。
僕のブログにたまにコメントされているしぐれさんもその1人で,
Fedora用のBerylを配布して下さっています。


一般に,以上のような配布サイトを「リポジトリ」と呼んでいます。



これらのリポジトリからアプリケーションをインストールするため
には,直接そのサイトにとりに行く必要はありません。
そのURLを決められた手順できちんと登録しておけば,Ubuntuなら
apt-get,Fedora7ならyumというコマンドを使ってパッケージ名を
指定するだけで,インストールできるのです。



これらのコマンドの使い方は,次回に紹介します。




====================
【バイナリとソース】
====================


アプリケーションやそれに必要とされるライブラリ(アプリケーション
の実行に必要な補助プログラム)を実行するとき,C言語などで書かれた
テキストのプログラムコードだけでは動きません。

コンピュータが理解できる形の実行ファイルに変換する必要があります。



このような変換作業をコンパイルといい,もとのプログラムコードを
ソースコードまたはソースプログラム(以下「ソース」と略します)と
いいます。

また,コンパイルして出来上がった実行ファイルをバイナリコードまた
はバイナリプログラム(以下「バイナリ」と略します)といいます。



ソースは,プログラムを改良したり,環境に合わせてバイナリを再構築
する際に用いられるもので,通常リポジトリからapt-getやyumなどの
コマンドでインストールされるのは,バイナリです。

ただし,オープンソースの場合,ソースが欲しければ必ず入手できる
ようになっています。また,ライセンスの問題からバイナリを配布せず,
ソースのみを配布している場合もあります。



====================
【rpmパッケージとdebパッケージ】
====================

Linuxでインストールできるパッケージには,大きく分けて拡張子が
「….rpm」となっている「rpmパッケージ」と拡張子が「….deb」と
なっている「debパッケージ」の2種類があります。

FedoraやVineなどは,RedHat Linuxが母体となっており,「rpm」を
採用しています。また,UbuntuなどはDebian GNU/Linuxが母体なので,
Debianで使われている「deb」を採用しています。
このために,前者を「rpm系ディストリビューション」,後者を
「deb系ディストリビューション」と呼んで区別するわけです。

「rpm」形式と「deb」形式ではパッケージの構成が異なるので,
同じLinuxでもrpmパッケージはFedoraやVineでしか使えず,
debパッケージはUbuntuなどでしか使えません。


====================
【GUIでのインストール】
====================


公式サイトのリポジトリにあるパッケージは,ネットワークさえつな
がっていれば初期設定のままでGUIで簡単にインストールできます。

例えば,Ubuntuなら,デスクトップの上側にあるパネルから
「システム」→「システム管理」→「Synapticパッケージマネージャ」
を開き,目的のパッケージを選択して右クリックで「インストール指定」
して「適用」を押すだけです。

Fedoraの場合は,同様にデスクトップの上側にあるパネルから
「アプリケーション」→「アプリケーションの追加と削除」
を開き,インストールしたいパッケージにチェックを入れて「適用」
するだけで,インストールできてしまいます。

それぞれ検索機能があるので,目的のパッケージ名に含まれて
いそうなキーワードを入力すれば大抵のものは見つかります。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

■ 確実に成功させたい人へ

早く3Dデスクトップを試したいと思われる方が多いと思いますが,
もう少し基本的なことを理解してから取り組んだ方が無難だと思います。

なぜなら,失敗した場合,コマンド操作が必要になるケースが多い
からです。
原因や復旧方法がわからず,何度もインストールを繰り返して諦めて
しまった人が大勢いると思います。

知っておきたいコマンドは20個程度で十分だと思っていますので,
もう少し頑張りましょう!

次回の配信は,8月16日です。お楽しみに!