2008年8月28日木曜日

第2回 Linuxの基礎知識 Part1

独学Linuxのvine_userです。
「これならわかる!デスクトップLinux」のご購読ありがとうございます。

1年半、独学Linuxというブログを書いてきて、できるだけわかりやすい
内容にしてきたつもりですが、初心者には難しすぎるのではないかという
気がしています。そこで、今回からメルマガで少しずつ学習するという形
でお届けすることにしました。疑問点は下記のメールアドレスまでご連絡
いただければ、可能な限りアドバイスさせていただきたいと思います。

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 Linuxの基礎知識 Part1
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今回はいくつかの用語を説明しておきましょう。

■GUIとCUI
GUI(グラフィックユーザインターフェイス)というのは、WindowsやOSXと
同じように、ディスプレイ上にデスクトップ画面が表れてウィンドウを操作
する形のインターフェイスです。Windowsしか知らない人にとっては、当り前
の画面ですが、Linuxはサーバー用途で使われることが多いので、必ずしも
GUIを必要とはしないのです(デスクトップLinuxでは必須ですけど)。

それではどうやってコンピュータとやりとりするかということですが、文字
データ(アルファベットや数字や!#$%&などの特殊文字)だけでやりとりする
んです。そのための入出力の画面がCUI(コマンドラインインターフェイス)
で、bashとかtcshなどのシェル(shell)というプログラムを介して"会話"
を行います。この仕組みをGUI上で使うには、Gnome端末などを使います。

Linuxでは標準シェルとしてbashが採用されています。OpenBSDやMac OSX
などのBSD系OSではtcshが標準シェルになっています。Gnome端末を開くと

vine-user@ubuntu:~$
vine-user@ubuntu:~#

という表示が出ますが、これがbashです。ちなみに、一般ユーザのときは$で、
rootと呼ばれる管理者のときに#という表示に変わります。rootについては
下記を参照して下さい。なお、tcshでは

vine-user@ubuntu:~%

という表示になります。

■rootと一般ユーザ
Linuxは原則として複数の人が共用するマルチユーザシステムになっています。
ところが、すべてのユーザーが何でも出来てしまったら、勝手にいじってシス
テムを壊してしまう危険性があります。

そこで、普通のアプリケーションだけを使うユーザーとシステム管理を行う
ユーザーを区別して、前者を一般ユーザ、後者をrootとかスーパーユーザと
呼んでいます。普通は、インストール時にrootのパスワードを設定しますが、
Ubuntu Linuxでは、セキュリティー上の理由からrootを作らないように
なっています。この場合、システムに変更を加えるためには、sudoという
コマンドを利用します。これは一時的に管理者としてコマンドを実行する
プログラムです。パスワードは一般ユーザのものを使えばいいという設定に
なっています。

使いはじめて間もない時期には、いろいろ設定ファイルを変更しなければなら
ないことが多く、面倒くさいためか、常にrootでログインする人がいますが、
なるべく避けた方がいいでしょう。なぜなら、rootはスーパーユーザという
名前から想像できるように、何でも出来てしまうからです。

例えば、一番上のディレクトリ(すべてのファイルを格納している場所)で次の
コマンドを打ったら完全にアウトです。

# rm -rf *

rm -rfは以下のディレクトリの中身を強制的に完全に消去しろという命令。
*はすべてのファイルを意味します。
つまり、「コンピュータの中身を全部消せ」ってことです。
最初の頃は、重要な設定ファイルを間違えて変更してしまったり、最悪消して
しまうことも考えられます。多少面倒でも、一般ユーザでログインしましょう。

次回の配信は、8月9日です。通常よく使うコマンドについて解説します。