2008年8月28日木曜日

第12回 市販DVDの視聴方法

独学Linuxのvine_userです。
「これならわかる!デスクトップLinux」のご購読ありがとうございます。

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 市販DVDの視聴方法
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残暑お見舞い申し上げます。
蒸し暑かったり、涼しかったりして、気温の変動が激しいですが、
体調を崩さぬようご注意下さい。

Fedora8 Test2のBigBoardは、相変わらずうまくいきませんが、
メルマガの方は地道に進めていきましょう。

今回は、Linuxで市販DVDを観る方法をまとめます。あらかじめ、
お断りしておきますが、今回の方法で、すべてのDVDを観られる
とは限りません。ただ、家にあるほとんどのDVDはOKでしたので、
かなりの確率で大丈夫だとは思いますが…。

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 参照記事
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Fedora7でDVDを観る方法
http://blog.livedoor.jp/vine_user/archives/51043972.html
など。

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【前提となる基礎知識】

まず、映像のファイル形式について、おさらいしておきます。
映像のデータは、紙芝居のように、多くの画像を重ね合わせたものと
考えていいでしょう。しかし、生の(圧縮されていない)映像ファイル
のままでは、異常にファイルサイズが大きくなります。

そこで、多くの場合、差分をとるなどして、圧縮されています。その
圧縮の方法には、多くの種類があって、必ずしも統一されていません。

代表的な形式として、次のようなものが挙げられます。
■ ビデオCDに使われるmpeg1
■ DVDなどに使われているmpeg2
■ 圧縮率の高いDivXやXvid(フリーのDivX)
■ WindowsMediaPlayer専用のwmv
■ RealPlayer専用のrm
などなど。

これらの圧縮された映像は、コーデックと呼ばれるそれぞれの形式に
対応したプログラムを使わないと、データを展開し、再生させること
は出来ません。

さらに、市販DVDの場合、データ圧縮だけでなく、CSSという技術を
使って暗号化されています。
したがって、この暗号を解読するプログラムも必要となります。

以上をまとめると、市販DVDを観るためには、mpeg2のコーデックと
CSSを解除するプログラム(Linuxではlibdvdcssというフリーのもの
がある)、さらに視聴するためのアプリケーションが必要となります。

視聴用のアプリケーションとしては、以下のものがあります。

Totem:大抵のディストリビューションに標準搭載されている。
Mplayer:公式サイトに各種の形式に対応したコーデックがある。
Xine:Mplayer同様に人気のある動画プレイヤー。
VLC:対応する動画形式が幅広く、大抵のものは再生できる。

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 市販DVDの視聴方法 --Fedora7編--
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前出の記事の段階では、Atrpmsというリポジトリにしかありません
でしたが、現段階ではnVIDIAドライバなどを配布しているFreshrpms
やlivnaというリポジトリでもFedora7対応のパッケージが配布されて
います。ここでは、livnaのパッケージを使ってみましょう。

まず、リポジトリの設定を行います。といっても、次の手順で設定用
のrpmファイルをインストールすれば、自動的にリポジトリが有効に
なります。それぞれ次の行に進むには、Enterキーを押して下さい。

$ su
Password: (←rootのパスワードを入力)
# wget http://rpm.livna.org/livna-release-7.rpm
# rpm -ivh http://rpm.livna.org/livna-release-7.rpm

これで、インストールの準備が出来ました。
では、Mplayerをインストールしてみましょう。

# yum install mplayer*

続いて、CSSを解除するプログラムも入れましょう。

# yum install libdvdcss

これで終了です。mpeg2のコーデックはmplayerと一緒にインストール
されているはずです。

DVDを観るためには、まずDVDをドライブに挿入して、しばらく待ちます。
すると、初期状態ではTotemが起動してしまいますが、閉じて下さい。

GnomeメニューからMplayerを起動しても構いませんが、コマンドで
実行した方が簡単かも知れません。

$ mplayer dvd://

これで、DVDの再生が始まります。特に、問題がない限り、メニュー画面
の操作も普通にできると思います。

ちなみに、GUIで実行するには、
「アプリケーション」→「サウンドとビデオ」→「Mplayer Movie Player」
で起動して、画面上で右クリックすると、プルダウンメニューが出ますので、
「DVD」→「Open disk…」を選択します。

ビデオメモリが不足している場合、CompizFusionと並用するのは
きついかも知れません。

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 市販DVDの視聴方法 --Ubuntu7.04日本語ローカライズ版編--
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Ubuntuの場合、Mplayerが標準リポジトリに入っていますので、
簡単です。

まず、Mplayerのインストールは、

$ sudo apt-get install mplayer
Password: (←使用しているユーザのパスワードを入力)

これだけです。

続いて、libdvdcssですが、これにはちょっとコツがいります。
Mplayerをインストールした後、次のコマンドを実行して下さい。

$ cd /usr/share/doc/libdvdread3/
$ sudo ./install-css.sh
Password: (←使用しているユーザのパスワードを入力)

これで、libdvdcssがインストールされます。

恐らく、ライセンスの関係で、バイナリのパッケージの配布を
避けてこういう形にしているのでしょう。

再生の方法は、Fedora7の場合と同じです。

$ mplayer dvd://

これで、DVDの再生が始まるはずです。

GUIで実行するには、
「アプリケーション」→「サウンドとビデオ」→「Mplayer Movie Player」
で起動して、画面上で右クリックすると、プルダウンメニューが出ますので、
「DVD」→「Open disk…」を選択します。


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編集後記
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BerylやCompizFusionでデスクトップの背景として動画を再生させる
などの応用が効くので、今回はMplayerを使ってみました。

Xineも格好いい操作パネルがあったりするので、試してみる価値は
あると思います。また、VLCもいろいろな機能があって面白いです。

さらに、動画の編集やエンコード(動画形式の変換)など、いろいろな
応用についても機会があれば(もしくは要望があれば)、解説したいと
は思います。とりあえず、今回は、DVDの視聴に絞ってまとめました。

次回の配信は、9月27日の予定です。
内容はまだ特に決めていませんが、デスクトップ用途として実用的な
題材にしたいと思っています。お楽しみに!