独学Linuxのvine_userです。
「これならわかる!デスクトップLinux」のご購読ありがとうございます。
残暑お見舞い申し上げます。
一時的に涼しくなりましたが、また暑さがぶり返してきましたね。
クーラーのかけすぎで風邪などひかぬよう、ご注意下さい。
さて、今回で基本コマンドの説明は一応最後です。
他にもたくさんありますが、今後の配信で必要なコマンドについては
その都度、追加していくことにしましょう。
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Linuxの基礎知識 Part5
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X Windowでトラブルが発生するのは、OSのインストール直後または
新たにグラフィックドライバを導入したときでしょう。
いずれの場合も、何度かXが立ち上がろうとして、何らかのメッセージが
表示された後、Xが落ちてCUIでのログイン待ち状態になると思います。
はじめてこの状態に陥ると、再度インストールしないとダメだと思って
しまいがちですが、実はコマンド操作で復旧できることが多いのです。
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よく使う基本コマンド20 --X Window設定編--
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X Windowの設定ファイルは、/etc/X11というディレクトリの中に
あるxorg.confというファイルです。このファイルは、rootでしか
変更できないので、# vi /etc/X11/xorg.confというコマンドは、
suコマンドでrootになってから実行します。
多くの場合、実際に問題となるところは限られています。
特にグラフィックドライバの指定の部分は要注意です。
Section "Device"
Identifier "Videocard0"
Driver "nvidia"
EndSection
この場合、nvidiaドライバが指定されています。nvidiaドライバの
インストールに失敗した時は、このままではXが立ち上がりません。
Driver "nvidia" → Driver "vesa"
と書き換えると、復旧できる場合があります。
nvidiaの場合、"nv"を試してみるという手もあります。
また、Section "Screen"のディスプレイの解像度や
Section "Monitor"の水平同期周波数(HorizSync)あるいは
垂直リフレッシュ周波数(VertRefresh)を使用しているモニタの
マニュアルに書かれている数値と見比べて、調整してみるという
方法もあります。
Section "Monitor"
Identifier "Monitor0"
VendorName "Monitor Vendor"
ModelName "DDC Probed Monitor"
DisplaySize 320 240
HorizSync 30.0 - 70.0
VertRefresh 50.0 - 180.0
EndSection
ただし、水平同期周波数や垂直リフレッシュ周波数の設定を間違えると、
モニタが破損する可能性もあるので、くれぐれも慎重に行って下さい。
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コマンド名「init」
機能:ログイン方法を切り替える
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# init 3
→ GUIからCUI(テキストモード)に移行します。
# init 5
→ CUI(テキストモード)からGUIに移行します。
# startx
→ X Windowを立ち上げます。
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コマンド名「vi」
機能:CUIでテキストファイルを編集する
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# vi (ファイル名)
→ CUI(テキストモード)で(ファイル名)で指定したファイルを
編集します。
# vi /etc/X11/xorg.conf
→ CUI(テキストモード)でXの設定ファイルを編集します。
* viの使用方法については最後の[補足事項]を参照して下さい。
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コマンド名「glxinfo」
機能:GLX(XのOpenGL拡張)の情報を表示する
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$ glxinfo | grep rendering
→ Aiglxが有効になっているかどうかを確認します。
direct rendering: Yes
と表示されれば、Aiglxが有効になっています。
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よく使う基本コマンド20 --システムの停止/再起動編--
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最後の基本コマンドは、システムの再起動と終了に関するコマンドです。
xorg.confの編集後に、再起動する際などに利用できます。
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コマンド名「init」
機能:シャットダウン/再起動を実行する
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# init 0
→ システムをシャットダウンします。
# init 6
→ システムを再起動します。
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コマンド名「shutdown」
機能:シャットダウン/再起動を実行する
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# shutdown now
→ システムをシャットダウンします。
# shutdown -r now
→ システムを再起動します。
[類似のコマンド]
# reboot
→ システムを再起動します。
[補足事項]
【viエディタの使い方】
《コマンドモードと編集モード》
viには、下記のコマンドを実行できる「コマンドモード」と文字
入力を行う「編集モード」という2つのモードがあります。
普通のエディタと異なり、コマンドモードでは入力できないため、
文字入力の際には「編集モード」に切り替える必要があります。
《編集モードへ移るためのキー》
[ i]
編集モードでは、文字入力ができ、「backspace」や「delete」
も使えます。また矢印キーで移動できます。
《コマンドモードへ戻るためのキー》
[ esc(エスケープキー)]
起動時はコマンドモードになっているので、単に文字や行の削除を
行うだけなら、そのまま「x」や「dd」と打てば消去できます。
《カーソル移動キー(コマンドモード)》
[ h(←)] 左へ移動
[ k(↑)] 上へ移動
[ j(↓)] 下へ移動
[ l(→)] 右へ移動
[ 0] 行頭へ移動
[ $] 行末へ移動
[ Enter] 次の行の先頭へ移動
《変更キー(コマンドモード)》
[ x] 1文字削除
[ dd] 1行削除(カット)
《カット/コピー&ペースト(コマンドモード)》
[ yy] 1行コピー
[ dd] 1行カット
[ p] ペースト(張り付け)
《終了キー(コマンドモード)》
「:」を押すと、カーソルが一番下の行へ移動します。そこで、
以下のように「q」などを入力すればそれぞれの操作が行えます。
:q セーブせずに終了
:q! 変更した行もセーブせずに終了
:w セーブするが終了しない。
:wq セーブして終了
長くなりましたが、基本コマンドの説明は今回で一応終了です。
グラフィックドライバについては、メルマガ連動企画として
独学Linuxの方で詳しくまとめる予定です。
(このメルマガが配信される頃には書き終わっているかも…)
次回の配信は、9月6日の予定です。
内容は検討中ですが…お楽しみに!