2008年8月28日木曜日

第14回 Linuxで使えるソフト《Part2》

メルマガとブログの掛け持ちでやや疲れ気味のvine_userです。
「これならわかる!デスクトップLinux」のご購読ありがとうございます。

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 Linuxで使えるソフト《Part2》
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今日はFedora8 Test3の公開予定日ですが,例によって公開延期に
ならぬよう願っております。

さて,前回に引き続き,Linuxで使えるソフトの紹介です。
今回は,少しテーマを絞って,グラフィック関係のソフトをまとめて
みたいと思います。最も有名なGimpは前回挙げておきましたので,
それ以外のものということで…。


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Eye of Gnome(eog) -画像の表示-
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後述のgThumbやF-Spotと異なり,単に画像の表示やスライドショー
だけを行うGnome標準の画像ビューアです。画像をダブルクリック
すると,大抵はこれが起動します。多少の不便な面もありますが,
画像を確認するだけならこれで十分です。


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gThumb画像ビューア -画像の表示・管理-
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複数の画像を一度に閲覧したいときに役立つ画像ビューア。指定した
ディレクトリ内の画像ファイルを一気に読み込んで,サムネール形式
で表示します。画像サイズの変更や色合いの調整など,簡単な編集
機能も持っています。スライドショー機能もあり,Gifアニメの再生
に対応しています。Fedora7やUbuntu7.04に標準搭載されています。


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F-Spotフォトマネージャ -画像の表示・管理-
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Ubuntu7.04に標準搭載されている画像ビューア。機能はgThumbと
同様ですが,見た目が格好よく,ちょっとしたアニメーション的な
動きがあったり,サムネールの大きさを調整できたり,お気に入り
などのタグ機能があったりして,こちらの方が使い心地がいいです。
Fedora7でも,f-spotで検索すれば簡単にインストールできます。


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Inkscape -ベクトル画像編集(ドローソフト)-
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商用ソフトのAdobe Illustratorに対応するグラフィックツール。
2003年にベクトル画像編集ソフトSodipodiから分離独立(フォーク)
し,SVGの完全準拠を目的として開発中。商用ソフト並の多くの機能
をもっている訳ではありませんが、現状でも幅広く利用されている
そうです。綺麗なベクトル画像を作れます。
Fedora7,Ubuntu7.04では,標準インストールされていませんが,
いずれもリポジトリを変更しなくても,inkscapeで検索すれば簡単に
インストールできます。


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gnuplot -2D・3Dグラフの描画と作成-
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数式を入力して2D・3Dのグラフを表示することができます。
作成したグラフをepsファイルとして出力することもできるので,
TeXの文書に貼り付ける図を作成するときに使えます。
媒介変数を使った数式指定もできたりして非常に便利なんですが,
コマンド操作が必要なので,慣れるまでが大変です。最近のもの
は,マウス操作で3Dの視点を変えられます。ちなみに,名称に
gnuが付きますが,いわゆるGNUプロジェクトとは関係ないようです。


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Blender -3DCG・3Dアニメーションの作成-
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Linuxでは定番の本格的な3DCG作成ツール。GUI操作は,この手
のソフトを使い慣れた人でないと難しいですが,Gimpに匹敵する
実用的なソフトだと思います。
立面図・正面図・側面図をそれぞれ表示でき,商用ソフトと組み合わ
せれば,本格的なレイトレーシングも可能です。Blenderを利用して,
実物としか思えないCGを作っている方も大勢いらっしゃるようです。
一度は試してみたいソフトの1つですね。


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編集後記
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これらの他にも,ImageMagick,Tgif,2Dグラフ作成ツールの
Ngraph,CADソフトのQCad などなどたくさんあります。

本当はPicasaとGoogle SketchUpも加えようと思っていたのですが,
これらは「Linuxで使えるGoogleアプリ」として改めて紹介したいと
思います。

次回の配信は,10月11日の予定です。お楽しみに!

第13回 Linuxで使えるソフト《Part1》

独学Linuxのvine_userです。
「これならわかる!デスクトップLinux」のご購読ありがとうございます。

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 Linuxで使えるソフト《Part1》
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早いもので、もう秋ですね。涼しく過ごしやすい日が多くなって
来ました。風邪などひかぬよう、ご注意ください。


さて、今回は、ブログではあえて詳しく説明していない定番ソフト
を簡単に紹介したいと思います。基本コマンドの説明から、いきなり
CompizFusion、DVDの視聴というややマニアックな展開になって
しまいましたので、もう少し初心者向けに軌道修正しましょう。


それぞれの使用方法にはあえて触れませんが、Googleで検索すれば
すぐに参照サイトが見つけられるものばかりです。

ほとんどが、多くのメジャーなディストリビューションに標準搭載され
ており、LinuxがWindowsの代用として十分に通用するということを
実感できると思います。


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OpenOffice -ワープロ・表計算・プレゼンテーション-
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正式名称は、OpenOffice.org(OOo)で、Word・Excel・PowerPoint
で作成したファイルなどと高い互換性があります。
多少レイアウトが崩れる場合もありますが、PDFへの変換機能も付属
しており、非常に便利です。

OpenOffice Writer :Wordに対応(ワープロ機能)
OpenOffice Calc :Excelに対応(表計算機能)
OpenOffice Impress :PowerPointに対応(プレゼン機能)
OpenOffice Base :Accessに対応(データベース機能)
OpenOffice Draw :イラストの作図機能
OpenOffice Math :数式エディタ

初期状態では見た目のよくないフリーフォント(東風フォントや
さざなみフォントなど)しか入っていないので、慣れてくると、
フォントに不満が出てくるかも知れません。

フリーフォントでも比較的完成度の高い「IPAフォント」を導入
しておくといいでしょう。導入方法は後述します。


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Gimp -高機能な画像編集ソフト-
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Photoshopに匹敵する機能を備えた有名な画像編集ソフトです。
ほとんどのディストリビューションに標準搭載されています。


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Firefox -Webブラウザ-
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有名なWebブラウザです。Windows版もあるので、ご存知かと思い
ます。プラグインも豊富で、ほとんどのディストリビューションに
標準搭載されています。


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Thunderbird -メールクライアントソフト-
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定番のメールクライアントです。高度な迷惑メールの学習機能が
特徴。ただ通常は、Evolutionが入っているので、多くの場合、
あとからインストールする必要があります。Fedoraの場合、
# yum install thunderbird
で入れられます。Ubuntuでも、特にリポジトリを加える必要はなく、
Synapticパッケージマネージャで簡単に導入可能です。


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gedit -テキストエディタ-
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統合デスクトップ環境のGnomeに標準搭載されているエディタです。
目立たないけど、無くてはならない超定番ソフトの1つでしょう。
保存する際に、文字のエンコーディングが選択できます。
LaTeXなどで、EUC-JPで保存する必要がある場合に便利です。


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K3b -CD・DVDライティングソフト-
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インストール用のCDやDVDの作成には、いつもこれを使っています。
OSのインストール直後に真っ先に導入するソフトの1つです。
統合デスクトップ環境にKDEを使っている場合は、最初から入ってい
ますが、Gnomeの場合はあとからインストールする必要があります。


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FileRoller(書庫マネージャ) -圧縮ファイルの展開-
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tarコマンドを使わなくても、これを使えば簡単に展開できます。
tarやgzip,bzip2,ZIP,LHAなどを用いたファイルの圧縮と
展開が可能で、アーカイブ(複数のファイルを一つにまとめたもの)
をFileRollerに読み込ませることで,実際に展開することなく
アーカイブ内のファイルの内容を閲覧できます。


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BitTorrent -ファイル共有ソフト-
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悪名高いWinnyと同様のものですが、アップロードされるのは自分が
ダウンロード中のファイルだけで、Winnyのように知らないファイル
を勝手に中継することはないようです。
暗号化とかWinnyにあるような匿名性を保つための機能がありません。
接続してるピアのIPアドレスは丸見えです。
僕もたまに使っていますが、ウィルスが紛れ込む可能性も否定できない
ので十分に注意して利用しましょう。


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pLaTeX2e -数式入り文書作成ソフト-
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理系の大学院生などには、論文作成などに必須のソフトと言える
でしょう。コマンドを覚えるのは大変ですが、仕上がりは非常に
綺麗です。EUC-JPでないと設定が面倒なため、文字コードにUTF-8
を使っている最近のディストリビューションでは、やや使いづらい
面があります。

参照記事↓
http://blog.livedoor.jp/vine_user/archives/cat_50022677.html



◎ 参考 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【IPAフォントのインストール方法】

まず情報処理推進機構のページにアクセスして(「IPAフォント」で
Google検索すればTOPに来ます)、フルフォントバージョンのtar
ボールをダウンロードします。

$ tar zxvf grass5.0.3_i686…tar.gz

で展開し(File Rollerを使ってもいいです)、fontsディレクトリ
にある次の5つのファイルを取り出します。

ipag.ttf、ipagp.ttf、ipagui.ttf、ipam.ttf、ipamp.ttf

あとは、Nautilus(Gnome標準のファイルブラウザ)で
fonts:/// を開いて、これらのフォントをドラッグするだけです。

これで、OpenOfficeなどで、IPAゴシックやIPA明朝が選択
できるようになっていると思います。


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編集後記
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定番というなら、これもあれもあるぞ!という声が聞こえてきそう
ですが、独断と偏見で選んでみました。次回は、Linux特有のもの
に限定せず、Googleのアプリなども含めて、とりあえずLinux上で
使えたものをいくつか紹介したいと思っています。


次回の配信は、10月4日の予定です。お楽しみに!

第12回 市販DVDの視聴方法

独学Linuxのvine_userです。
「これならわかる!デスクトップLinux」のご購読ありがとうございます。

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 市販DVDの視聴方法
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残暑お見舞い申し上げます。
蒸し暑かったり、涼しかったりして、気温の変動が激しいですが、
体調を崩さぬようご注意下さい。

Fedora8 Test2のBigBoardは、相変わらずうまくいきませんが、
メルマガの方は地道に進めていきましょう。

今回は、Linuxで市販DVDを観る方法をまとめます。あらかじめ、
お断りしておきますが、今回の方法で、すべてのDVDを観られる
とは限りません。ただ、家にあるほとんどのDVDはOKでしたので、
かなりの確率で大丈夫だとは思いますが…。

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 参照記事
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Fedora7でDVDを観る方法
http://blog.livedoor.jp/vine_user/archives/51043972.html
など。

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【前提となる基礎知識】

まず、映像のファイル形式について、おさらいしておきます。
映像のデータは、紙芝居のように、多くの画像を重ね合わせたものと
考えていいでしょう。しかし、生の(圧縮されていない)映像ファイル
のままでは、異常にファイルサイズが大きくなります。

そこで、多くの場合、差分をとるなどして、圧縮されています。その
圧縮の方法には、多くの種類があって、必ずしも統一されていません。

代表的な形式として、次のようなものが挙げられます。
■ ビデオCDに使われるmpeg1
■ DVDなどに使われているmpeg2
■ 圧縮率の高いDivXやXvid(フリーのDivX)
■ WindowsMediaPlayer専用のwmv
■ RealPlayer専用のrm
などなど。

これらの圧縮された映像は、コーデックと呼ばれるそれぞれの形式に
対応したプログラムを使わないと、データを展開し、再生させること
は出来ません。

さらに、市販DVDの場合、データ圧縮だけでなく、CSSという技術を
使って暗号化されています。
したがって、この暗号を解読するプログラムも必要となります。

以上をまとめると、市販DVDを観るためには、mpeg2のコーデックと
CSSを解除するプログラム(Linuxではlibdvdcssというフリーのもの
がある)、さらに視聴するためのアプリケーションが必要となります。

視聴用のアプリケーションとしては、以下のものがあります。

Totem:大抵のディストリビューションに標準搭載されている。
Mplayer:公式サイトに各種の形式に対応したコーデックがある。
Xine:Mplayer同様に人気のある動画プレイヤー。
VLC:対応する動画形式が幅広く、大抵のものは再生できる。

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 市販DVDの視聴方法 --Fedora7編--
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前出の記事の段階では、Atrpmsというリポジトリにしかありません
でしたが、現段階ではnVIDIAドライバなどを配布しているFreshrpms
やlivnaというリポジトリでもFedora7対応のパッケージが配布されて
います。ここでは、livnaのパッケージを使ってみましょう。

まず、リポジトリの設定を行います。といっても、次の手順で設定用
のrpmファイルをインストールすれば、自動的にリポジトリが有効に
なります。それぞれ次の行に進むには、Enterキーを押して下さい。

$ su
Password: (←rootのパスワードを入力)
# wget http://rpm.livna.org/livna-release-7.rpm
# rpm -ivh http://rpm.livna.org/livna-release-7.rpm

これで、インストールの準備が出来ました。
では、Mplayerをインストールしてみましょう。

# yum install mplayer*

続いて、CSSを解除するプログラムも入れましょう。

# yum install libdvdcss

これで終了です。mpeg2のコーデックはmplayerと一緒にインストール
されているはずです。

DVDを観るためには、まずDVDをドライブに挿入して、しばらく待ちます。
すると、初期状態ではTotemが起動してしまいますが、閉じて下さい。

GnomeメニューからMplayerを起動しても構いませんが、コマンドで
実行した方が簡単かも知れません。

$ mplayer dvd://

これで、DVDの再生が始まります。特に、問題がない限り、メニュー画面
の操作も普通にできると思います。

ちなみに、GUIで実行するには、
「アプリケーション」→「サウンドとビデオ」→「Mplayer Movie Player」
で起動して、画面上で右クリックすると、プルダウンメニューが出ますので、
「DVD」→「Open disk…」を選択します。

ビデオメモリが不足している場合、CompizFusionと並用するのは
きついかも知れません。

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 市販DVDの視聴方法 --Ubuntu7.04日本語ローカライズ版編--
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Ubuntuの場合、Mplayerが標準リポジトリに入っていますので、
簡単です。

まず、Mplayerのインストールは、

$ sudo apt-get install mplayer
Password: (←使用しているユーザのパスワードを入力)

これだけです。

続いて、libdvdcssですが、これにはちょっとコツがいります。
Mplayerをインストールした後、次のコマンドを実行して下さい。

$ cd /usr/share/doc/libdvdread3/
$ sudo ./install-css.sh
Password: (←使用しているユーザのパスワードを入力)

これで、libdvdcssがインストールされます。

恐らく、ライセンスの関係で、バイナリのパッケージの配布を
避けてこういう形にしているのでしょう。

再生の方法は、Fedora7の場合と同じです。

$ mplayer dvd://

これで、DVDの再生が始まるはずです。

GUIで実行するには、
「アプリケーション」→「サウンドとビデオ」→「Mplayer Movie Player」
で起動して、画面上で右クリックすると、プルダウンメニューが出ますので、
「DVD」→「Open disk…」を選択します。


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編集後記
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BerylやCompizFusionでデスクトップの背景として動画を再生させる
などの応用が効くので、今回はMplayerを使ってみました。

Xineも格好いい操作パネルがあったりするので、試してみる価値は
あると思います。また、VLCもいろいろな機能があって面白いです。

さらに、動画の編集やエンコード(動画形式の変換)など、いろいろな
応用についても機会があれば(もしくは要望があれば)、解説したいと
は思います。とりあえず、今回は、DVDの視聴に絞ってまとめました。

次回の配信は、9月27日の予定です。
内容はまだ特に決めていませんが、デスクトップ用途として実用的な
題材にしたいと思っています。お楽しみに!

第11回 CompizFusionのインストール《Ubuntu編》

独学Linuxのvine_userです。
「これならわかる!デスクトップLinux」のご購読ありがとうございます。

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 CompizFusionのインストール《Ubuntu編》
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台風も過ぎ去り、涼しくなってきました。
先ほどから、安部総理大臣が辞任というニュースが流れています。
参議院選挙の直後ならまだしも遅すぎですね。


今回は、ご想像通り、前回のFedora7編に続いて、Ubuntu編です。
以下の参照記事を書いた後で不要だと思った部分は削除して、
簡潔にまとめます。

なお、今回の内容は、Ubuntu7.04 および Ubuntu Studio7.04
に対応するものです。次期バージョンUbuntu7.10では、標準の
リポジトリにCompizFusion0.5.2(あるいはそれ以降のバージョン)
が組み込まれるそうです。Ubuntuだけでなく、Fedora8を始めと
して、他のディストリでも次期バージョンに組み込まれる可能性が
高いようです。

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 参照記事
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CompizFusionのインストール方法《Ubuntu編》
http://blog.livedoor.jp/vine_user/archives/51101820.html


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Step1:OSのアップデート
Step2:nVIDIAドライバの導入
Step3:リポジトリの追加
Step4:CompizFusionパッケージのインストール
STEP5:CompizFusionの起動方法


[本文]
【CompizFusionのインストール方法】

STEP1::OSのアップデート
これは必ずしも必要ではありません。が、最新のパッケージにしておいた
方が安全ですので、特に事情がなければアップデートしておいた方がいい
でしょう。インターネットにつながっていれば、インストール直後に右上
のパネルにアップデートを促す表示とオレンジ色のアイコンが現れます。


ーー チェックポイント(1) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

OSのアップデートの必要性は、別にCompizFusionの導入に限った
話ではありません。Linuxの場合、ウィルス対策についてはそれほど
気にしなくていいとは思いますが、それ以上にroot権限を奪取される
という危険性があり、アップデートは、ソフトウェアのそうした脆弱性
に対応するという意味があります。

Ubuntuの安全性に関しては次のサイトに詳細な説明があります。

Ubuntuにおけるセキュリティ
http://rion.sakura.ne.jp/misc/security.shtml

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[本文]
STEP2:nVIDIAドライバの導入

以前のようにSynapticパッケージマネージャを使う必要はありま
せん。まず、Gnomeメニューの
「システム→システム管理→Restricted Drivers Manager」
をクリックします。

すると、Restricted Drivers Managerの画面が現れますので、
Enabledのチェックボックスにチェックを入れます。
あとは自動的にダウンロードされ、インストールは完了です。

最後にドライバを有効にしますか?と訊かれますので、
「Enable Driver」をクリックして下さい。

nVIDIAドライバが無事にインストールできたら、もう一度再起動
します。次回起動時にnVIDIAのロゴが表示されれば成功です。


ーー チェックポイント(2) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

Restricted Drivers Managerは、Ubuntu7.04で初めて導入
されたもので、非常に便利です。

ATIのfglrxドライバも同様な方法で導入できますが、fglrxで
CompizFusionを実行するためには、XGLが必須です。これは
初心者には難しいでしょう。ですが、ATIの場合、atiドライバ
(インストール時に自動的に導入されていると思います)でもある
程度は動きます。

オンボードのグラフィックチップのほとんどは、Intelチップ
だと思いますが、この場合、特に設定しなくても使える可能性が
高いです。詳しくは以下の記事を参照して下さい。

CompizFusionが使えるグラフィックドライバ
http://blog.livedoor.jp/vine_user/archives/51138353.html

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[本文]
STEP3:リポジトリの追加

ここからが本題です。まず先にリポジトリの認証キー(GPGキー:
リポジトリからダウンロードする際の暗証番号のようなもの)を
導入しておきます。Gnome端末で次のコマンドを実行して下さい。

$ wget http://download.tuxfamily.org/3v1deb/
DD800CD9.gpg -O- | sudo apt-key add -

ーー チェックポイント(3) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ブログの記事の本文にはもう1つ、

$ wget http://download.tuxfamily.org/3v1deb/
81836EBF.gpg -O- | sudo apt-key add -

の記述がありますが、これは必要ないようです。
Trevino’s Blogにはこの記述があったのですが…。

このGPGキーを入れないと、インストール時にエラー表示が出ます。
が、強制的にインストールすることができますので、あまり気に
しなくて構いません。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[本文]

次に「システム→システム管理→Synapticパッケージマネージャ」
を起動します。メニューにある「Settings→Repositories」を
開き、Third-Party Softwareのタブをクリックして下さい。

「Add...」ボタンを押して、次の行を追加します。

deb http://download.tuxfamily.org/3v1deb feisty eyecandy

追加できたら、Synapticパッケージマネージャに戻って、
「Reload」ボタンを押します。


ーー チェックポイント(4) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ここも、ブログの記事の本文にはもう1つ、

deb-src …

の記述がありますが、これはソースファイルを入手する際に必要な
部分です。使うだけなら必要ありません。

冒頭でも書きましたが、次期バージョンではこのリポジトリの追加
の必要はなくなると思います。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[本文]
STEP4:CompizFusionのインストール

以上で、CompizFusionのパッケージを導入できる環境が
整いました。
Synapticパッケージマネージャを使って、「compiz」と
「emerald」で検索して以下のパッケージをインストール
して下さい。
他に必要なものもありますが、関連するパッケージはすべて
自動的にインストールしてくれるはずです。

【インストールするパッケージのリスト】

 ■ python-compizconfig
 ■ compizconfig-settings-manager
 ■ compiz-fusion-plugins-main
 ■ compiz-fusion-plugins-extra
 ■ compiz-fusion-pluguins-unsupported
 ■ emerald
 ■ emerald-themes


ーー チェックポイント(5) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

Synapticパッケージマネージャは、ネットワーク経由でソフトを
自動的にインストールしてくれる優れものです。

デスクトップ上部の
「システム」→「システム管理」→「Synapticパッケージマネージャ」
を選択すれば起動できます。最初にパスワードの確認がありますが、
ログイン時のパスワードを入力して下さい。

旧バージョンのCompizもピックアップされると思いますので、
間違えないようにして下さい。上に挙げた7つのパッケージだけ
追加すれば、必要なものはすべて入るはずです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[本文]
STEP5:CompizFusionの起動方法

今のところ、実際に起動するにはGnome端末を使う必要があります。
次のコマンドで試して下さい。
自動起動するプログラムは現在開発中のようです。

$ emerald --replace &
$ compiz --replace &

ーー チェックポイント(6) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ここは、記事の中で付録のように書いてしまいましたが、一番肝心な
ところです。

このコマンドを打たないと、何も起こりません。
$ compiz --replace &
を先に打ってしまうと、ウィンドウ枠が表示されないことがあります。

その場合、Altキーを押しながら、ウィンドウをドラッグしてみて下さい。
ぐにゃぐにゃと動けば、すでにCompizFusionが起動しています。
もしそうならなければ、失敗してます。もう一度、最初からの手順を
確認して確かめてみて下さい。

メニューからGnome端末を起動し、emerald --replaceを実行すれば
ウィンドウ枠がきちんと表示されるはずです。

Gnomeパネルからもっと簡単に起動するFusion-Iconというものも
ありますが、今のところ、ソースファイルからインストールする
必要があり、初心者には難しいと思いますので、今回は省略します。

チャレンジしてみたい方は、次の記事を参考にして下さい。

Fusion Icon on Ubuntu Feisty!
http://blog.livedoor.jp/vine_user/archives/51111153.html


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


長くなってしまいましたが、以上の方法でUbuntuでも使えるように
なると思います。

元のブログの記事は、今でも多くのアクセスがあり、Ubuntuユーザ
が急増していることの証だと思われます。

先日まで玄箱のDebianにはまっていましたが、やはり初心者には
Ubuntuが最適ですね。

次回は、9月20日です。DVDを視聴する方法など実用的な話題を
テーマにする予定です。お楽しみに!

第10回 CompizFusionのインストール《Fedora7編》

独学Linuxのvine_userです。
「これならわかる!デスクトップLinux」のご購読ありがとうございます。

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 CompizFusionのインストール《Fedora7編》
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今日は蒸し暑い一日でした。早いもので、もう9月ですね。
メルマガを始めてからもう1ヶ月が経ちました。

今回は、当初の目的であるブログの記事のフォローを
行いたいと思います。

ディストリビューションごとに設定方法が異なるので、
FedoraとUbuntuを区別して扱います。

その他のディストリは最近扱っていませんが、共通する
内容もあるかと思いますので、多少参考になるのでは?

まずは、皆さんが期待されている(と思われる)CompizFusion
のインストールに関する内容にしました。基本的に下記の記事
の内容に沿って説明していきます。

なお、Linuxそのもののインストールやグラフィックドライバの
導入でつまづいている方は、まずそこをクリアーしてからという
ことになりますね。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 参照記事
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

CompizFusionのインストール方法《Fedora7編 改訂版》
http://blog.livedoor.jp/vine_user/archives/51106295.html



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[本文]
【CompizFusionのインストール方法】

STEP1:準備
まず、標準で組み込まれているCompizをアンインストールします。
# yum remove compiz

ーー チェックポイント(1) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

これはすでに説明したyumコマンドです。このコマンドはrootユーザ
(管理者)でないと実行出来ません。
そのため「#」という表記をしています。

Fedora7の場合、Gnome端末で
$ su
と打ち込むと、パスワードを訊いてきますので、rootのパスワードを
入力します。このとき、端末の画面上には入力したパスワードは実際に
は見えません。

ここで、compizをremoveつまりアンインストールしているのは、
Fedora7の場合、はじめから旧バージョンのCompizが入っている
ためです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[本文]
Berylを入れている場合はemeraldもアンインストールします。
# yum remove emerald emerald-themes


ーー チェックポイント(2) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

これは、BerylというCompizFusionが作られる前のウィンドウ
マネージャをすでにインストールした人に向けた記述です。
Berylははじめから入っているわけではないので、身に覚えのない
方には関係ありません。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[本文]
STEP2:リポジトリの追加とインストール
次の内容のファイルを作りkagesenshi.repoという名前で
/etc/yum.repos.dの中に保存して下さい。

[kagesenshi-compiz]
name=KageSenshi's Compiz Fusion repository
baseurl=http://devel.foss.org.my/~kagesenshi/
repo/pub/$basearch
enabled=1
gpgcheck=0

ーー チェックポイント(3) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ここは大事な点です。今のところ、Fedora7用のバイナリパッケージ
を配布しているのは、この「kagesenshi」さんのところだけです。

/etcディレクトリはroot権限でしか変更できませんので、実際には
Gnome端末で

$ su
password:
# gedit /etc/yum.repos.d/kagesenshi.repo

と打ち込み、書き込み可能な形でエディタを立ち上げます。

元からあるファイルではありませんから、はじめは真っ白です。
ここに[kagesennshi-compiz]以下の内容を記述するわけです。
[kagesennshi-compiz]も入れて下さい。

また、3行目の「baseurl=…」と4行目の「repo/…」は、改行せず
1行にして下さい。ブログの記事でも、レイアウトの関係から本来
1行で書くべき所を複数行に分けて書いている場合があります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[本文]
あとは次のコマンドでインストールすればOKです。
# yum install compiz-*
# yum install emrald emerald-themes

ーー チェックポイント(4) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

さらっと3行で説明していますが、compiz-* のインストールには
時間がかかります。多くの関連パッケージがまとめてインストール
されるためです。途中で何か訊かれることはないと思うので、ただ
終わるのを待っていればいいだけです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[本文]
STEP3:Fusion-icon
Beryl-Managerと同様の機能をもつ「Fusion-icon」が追加され
ています。以前紹介したCompiz-iconを修正したものらしく、
すでにCompizFusionを使っている方は

# yum install fusion-icon

で追加できます。

ーー チェックポイント(5) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

Fusion-iconを起動すると、Gnome端末からコマンドを打たなくても
CompizFusionが起動できます。

これは、Fusion-iconが加わる前にインストールした人に向けた
記述です。これからインストールしようとする方には関係ありません。
Fusion-iconはSTEP2の段階でインストールされているはずです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[本文]
今回新規にインストールされた方は、左下の画像の場所に追加されて
いるはずですので、確かめてみて下さい。
右下の画像に示したアイコンを右クリックしてCompizを選べば起動
できるはずです。

ーー チェックポイント(6) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ここは書いてあるとおりです。画像はブログの記事を見て下さい。

上部パネルの「アプリケーション」→「システムツール」を選択する
と「Compiz Fusion Icon」という項目があるので、それを選択。

これで、右上の上部パネルに水色のアイコンが出るので、右クリック
して下さい。いろいろなメニューが出ますが
「Select Window Manager」→「Compiz」を選択すれば
CompizFusionが起動します。一瞬、画面が切り替わってパネルの
部分に少し影が出来るので、起動したかどうかはわかるはずです。

ウィンドウ枠がうまく表示されない場合がありますが、水色の
アイコンをもう一度右クリックして「Select Window Decorator」
で「emerald」を選択すれば治る可能性が高いです。

それでもダメなら、Gnome端末で次のコマンドを打ってみて下さい。
$ metacity --replace &
これで、その端末を開いている間は、とりあえずウィンドウ枠が
表示されるはずです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

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 前回記事の訂正
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>$ glxinfo | grep rendering
>→ Aiglxが有効になっているかどうかを確認します。
>direct rendering: Yes
>と表示されれば、Aiglxが有効になっています。

と書きましたが、
「Aiglxが有効」は「3Dアクセラレーションが有効」の誤りです。

fglrxドライバでは、「Aiglxが無効」であるにもかかわらず
「direct rendering: Yes」と表示されることがあるようです。

読者のmojinさんからご指摘がありました。
どうもありがとうございました。

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多くの方々が今回の方法でComizFusionのインストールに
成功しています。

Winodows Vistaでも実現していない斬新なデスクトップを
試してみませんか?

一見、無駄に思える機能もたくさんありますが、僕は新しい
パソコンの楽しみ方を教えてもらった気がしています。

次回の配信は、9月13日です。お楽しみに!

第9回 Linuxの基礎知識 Part5

独学Linuxのvine_userです。
「これならわかる!デスクトップLinux」のご購読ありがとうございます。

残暑お見舞い申し上げます。
一時的に涼しくなりましたが、また暑さがぶり返してきましたね。
クーラーのかけすぎで風邪などひかぬよう、ご注意下さい。

さて、今回で基本コマンドの説明は一応最後です。

他にもたくさんありますが、今後の配信で必要なコマンドについては
その都度、追加していくことにしましょう。

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 Linuxの基礎知識 Part5
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X Windowでトラブルが発生するのは、OSのインストール直後または
新たにグラフィックドライバを導入したときでしょう。

いずれの場合も、何度かXが立ち上がろうとして、何らかのメッセージが
表示された後、Xが落ちてCUIでのログイン待ち状態になると思います。

はじめてこの状態に陥ると、再度インストールしないとダメだと思って
しまいがちですが、実はコマンド操作で復旧できることが多いのです。


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よく使う基本コマンド20 --X Window設定編--
===================================

X Windowの設定ファイルは、/etc/X11というディレクトリの中に
あるxorg.confというファイルです。このファイルは、rootでしか
変更できないので、# vi /etc/X11/xorg.confというコマンドは、
suコマンドでrootになってから実行します。

多くの場合、実際に問題となるところは限られています。
特にグラフィックドライバの指定の部分は要注意です。



Section "Device"
    Identifier "Videocard0"
    Driver "nvidia"
EndSection

この場合、nvidiaドライバが指定されています。nvidiaドライバの
インストールに失敗した時は、このままではXが立ち上がりません。

Driver "nvidia" → Driver "vesa"

と書き換えると、復旧できる場合があります。
nvidiaの場合、"nv"を試してみるという手もあります。

また、Section "Screen"のディスプレイの解像度や
Section "Monitor"の水平同期周波数(HorizSync)あるいは
垂直リフレッシュ周波数(VertRefresh)を使用しているモニタの
マニュアルに書かれている数値と見比べて、調整してみるという
方法もあります。

Section "Monitor"
    Identifier "Monitor0"
    VendorName "Monitor Vendor"
    ModelName "DDC Probed Monitor"
    DisplaySize 320    240
    HorizSync 30.0 - 70.0
    VertRefresh 50.0 - 180.0
EndSection

ただし、水平同期周波数や垂直リフレッシュ周波数の設定を間違えると、
モニタが破損する可能性もあるので、くれぐれも慎重に行って下さい。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「init」 
機能:ログイン方法を切り替える
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

# init 3
→ GUIからCUI(テキストモード)に移行します。


# init 5
→ CUI(テキストモード)からGUIに移行します。


# startx
→ X Windowを立ち上げます。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「vi」 
機能:CUIでテキストファイルを編集する
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

# vi (ファイル名)
→ CUI(テキストモード)で(ファイル名)で指定したファイルを
 編集します。


# vi /etc/X11/xorg.conf
→ CUI(テキストモード)でXの設定ファイルを編集します。

* viの使用方法については最後の[補足事項]を参照して下さい。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「glxinfo」 
機能:GLX(XのOpenGL拡張)の情報を表示する
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

$ glxinfo | grep rendering
→ Aiglxが有効になっているかどうかを確認します。

direct rendering: Yes

と表示されれば、Aiglxが有効になっています。


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よく使う基本コマンド20 --システムの停止/再起動編--
===================================

最後の基本コマンドは、システムの再起動と終了に関するコマンドです。
xorg.confの編集後に、再起動する際などに利用できます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「init」 
機能:シャットダウン/再起動を実行する
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

# init 0
→ システムをシャットダウンします。


# init 6
→ システムを再起動します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「shutdown」 
機能:シャットダウン/再起動を実行する
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

# shutdown now
→ システムをシャットダウンします。


# shutdown -r now
→ システムを再起動します。

[類似のコマンド]
# reboot
→ システムを再起動します。


[補足事項]

【viエディタの使い方】

《コマンドモードと編集モード》
viには、下記のコマンドを実行できる「コマンドモード」と文字
入力を行う「編集モード」という2つのモードがあります。

普通のエディタと異なり、コマンドモードでは入力できないため、
文字入力の際には「編集モード」に切り替える必要があります。

《編集モードへ移るためのキー》    
[ i]
編集モードでは、文字入力ができ、「backspace」や「delete」
も使えます。また矢印キーで移動できます。

《コマンドモードへ戻るためのキー》    
[ esc(エスケープキー)]
起動時はコマンドモードになっているので、単に文字や行の削除を
行うだけなら、そのまま「x」や「dd」と打てば消去できます。

《カーソル移動キー(コマンドモード)》
[ h(←)]    左へ移動
[ k(↑)]    上へ移動
[ j(↓)]    下へ移動
[ l(→)]    右へ移動
[ 0]        行頭へ移動
[ $]        行末へ移動
[ Enter]    次の行の先頭へ移動

《変更キー(コマンドモード)》
[ x] 1文字削除
[ dd] 1行削除(カット)

《カット/コピー&ペースト(コマンドモード)》
[ yy]    1行コピー
[ dd]    1行カット
[ p]    ペースト(張り付け)

《終了キー(コマンドモード)》
「:」を押すと、カーソルが一番下の行へ移動します。そこで、
以下のように「q」などを入力すればそれぞれの操作が行えます。

:q    セーブせずに終了
:q!    変更した行もセーブせずに終了
:w    セーブするが終了しない。
:wq    セーブして終了


長くなりましたが、基本コマンドの説明は今回で一応終了です。

グラフィックドライバについては、メルマガ連動企画として
独学Linuxの方で詳しくまとめる予定です。
(このメルマガが配信される頃には書き終わっているかも…)

次回の配信は、9月6日の予定です。

内容は検討中ですが…お楽しみに!

第8回 Linuxの基礎知識 Part4

独学Linuxのvine_userです。
「これならわかる!デスクトップLinux」のご購読ありがとうございます。

さて,今回は,「ソースからのインストール」と「ネットワーク関連」
の基本コマンドを取り上げます。

前回予告した「X Windowが立ち上がらないときの対処法」について
は,申し訳ありませんが,次回に持ち越しです。

ちょっと欲張りすぎました。その代わり,今回は「補足事項」を
多めに加えて,よりわかりやすくまとめてみたつもりです。

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 Linuxの基礎知識 Part4
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ネットワークに関しては,他にもいろいろと補足しなければいけない
ことがたくさんありそうですが…。


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よく使う基本コマンド20 --ソースからのインストール編--
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アプリケーションプログラムのソースファイルは,通常,ソース
コード本体と設定ファイルなどをまとめた「パッケージ」の形で
配布されます。

これらのソースパッケージは,一般に「…tar.gz」,「…tar.bz2」,
「….tgz」などの名前が付いており,圧縮されています。

最近のLinuxでは,GUI上でダブルクリックすればファイルローラー
というプログラムが起動して,自動的に展開できますが,ここでは
コマンドで展開する方法を使いましょう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「tar」 
機能:ファイルを圧縮・展開する
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用例-その1>
$ tar zxvf (パッケージ名)
tar.gzまたはtgzという拡張子の付いたパッケージを展開します。

<使用例-その2>
$ tar jxvf (パッケージ名)
tar.bz2という拡張子の付いたパッケージを展開します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「./configure」 
機能:実行環境に合わせたMakefileを作成する
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用例>
$ cd (展開したソースパッケージの一番上のディレクトリ)
$ ./configure (← 一般ユーザ権限で実行可能)

一部例外はありますが,ほとんどのソースパッケージには,インス
トール手順を記載する「Makefile」を環境にあわせて作成するため
のコマンドが添付されています。それがこの「configure」です。

「./」は現在のディレクトリ上にあるファイルを指定するもので,
単に「$ configure」とすると,OSの標準コマンドとみなされ,
そんなコマンドはなありませんというエラーが出てしまいます。

このconfigureで依存パッケージが不足しているというエラーが
出ると,Makefileが作成されず,コンパイルもインストールも
出来ません。ソースからのインストールする場合,これが最初の
関門となります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「make」 
機能:ソースを元にしてコンパイルやインストールを実行する
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用例-その1>
(↓./configureと同じ場所で実行する)
$ make (← 一般ユーザ権限で実行可能)

実行環境に合わせた実行ファイルや設定ファイルを作成します。

<使用例-その2>
(↓./configureと同じ場所で実行する)
$ su
Password: (← rootのパスワードを入力)
# make install (← root権限でのみ実行可能)

mekeで作成した実行ファイルや設定ファイルを,それぞれ所定の
場所に配置し,セットアップします。

Ubuntuの場合は,以下のように実行します。
$ sudo make install
Password: (← rootのパスワードを入力)

[補足事項]
ここまででエラー表示がなければ,正常にインストールが終了
しているはずです。ただし,インストール時にエラーの出ない
依存パッケージがあることもあるので,実際にアプリケーション
を実行してみないと,正常に動くかどうかは断言できません。

そのアプリを,GUIでなくコマンドで実行すると,エラーの詳細
な内容が表示される場合があります。

僕がブログの中で,よくコマンドを使うのは,そのような事情も
あるわけです。


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よく使う基本コマンド20 --ネットワーク関連編--
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2台以上のPCを持っていて,家庭内LANを利用しようと考えている方
には覚えていただきたいところですが,それ以外の方々にはあまり
縁のないコマンドです。

ただし,インターネットにつながらないなどのネットワークトラブル
の際は,ifconfigやpingが役立ちそうです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「ifconfig」 
機能:ネットワークインタフェースの参照・設定・起動・停止
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用例-その1>
$ /sbin/ifconfig
IPアドレスやハードウェアアドレスを調べるために使います。
ネットワークが正常につながっているかどうかもわかります。

(以下,表示の例)
eth0 Link encap:Ethernet HWaddr 00:xx:xx:xx:xx:xx
inet addr:192.168.0.5
Bcast:192.168.0.255
Mask:255.255.255.0
inet6 addr: fe80::213:d4ff:fedc:eeb0/64 Scope:Link
UP BROADCAST RUNNING MULTICAST MTU:1500 Metric:1
RX packets:591599 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0
TX packets:383697 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0
collisions:0 txqueuelen:1000
RX bytes:862781909 (822.8 MiB)
TX bytes:35566558 (33.9 MiB)
Interrupt:18

lo Link encap:Local Loopback
inet addr:127.0.0.1 Mask:255.0.0.0
inet6 addr: ::1/128 Scope:Host
UP LOOPBACK RUNNING MTU:16436 Metric:1
RX packets:82 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0
TX packets:82 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0
collisions:0 txqueuelen:0
RX bytes:4100 (4.0 KiB) TX bytes:4100 (4.0 KiB)
(表示の例はここまで)

「inet addr:192.168.0.5」の部分がIPアドレス
「HWaddr 00:xx:xx:xx:xx:xx」の部分がハードウェアアドレス
を表しています。

<使用例-その2>
# /sbin/ifconfig eth0 up (← root権限でのみ実行可能)
eth0という名前で割り当てられたネットワークを有効にします。

<使用例-その3>
# /sbin/ifconfig eth0 down (← root権限でのみ実行可能)
eth0という名前で割り当てられたネットワークを無効にします。

<使用例-その4>
# /sbin/ifconfig eth0 192.168.0.2 (← root権限でのみ実行可能)
eth0という名前で割り当てられたネットワークのIPアドレスを
192.168.0.2という値に設定します。

[補足事項]
DHCPで割り当てられなかった場合には,このコマンドだけ実行しても,
ローカルでしか使えない場合があります。つまり,このコマンドだけ
ではインターネットにつながらない可能性があるということです。
そのあたりの調整は,設定状況に依存します。

loというのは,「ローカルループバック」と呼ばれる特別な仮想
インターフェイスです。まったくNICを設置していない場合でも、
このloだけは存在します。そうした初期状態であっても、仮想的に
ネットワークのテストなどに使えるように用意されているものだ
そうです。また、対応するIPアドレスは必ず127.0.0.1が割り当て
られますが,当然のことながら,このアドレスを用いて外部と通信
することはできません。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「ping」 
機能:ネットワークの接続状況をテストする
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用例>
$ ping -c 5 192.168.0.5
ローカルLAN内のPC(IPアドレス:192.168.0.5)に5回の試験信号
を送り,その応答時間をテストします。

URLを指定すれば,相手の状況によってはそのサイトからの応答も
チェックできますが,不正な攻撃とみなされる場合もあるので,
ローカルLAN内での確認にとどめておいた方が無難です。

(以下,表示の例)
PING 192.168.0.5 (192.168.0.5) 56(84) bytes of data.
64 bytes from 192.168.0.5: icmp_seq=1 ttl=64 time=0.027 ms
64 bytes from 192.168.0.5: icmp_seq=2 ttl=64 time=0.025 ms
64 bytes from 192.168.0.5: icmp_seq=3 ttl=64 time=0.025 ms
64 bytes from 192.168.0.5: icmp_seq=4 ttl=64 time=0.028 ms
64 bytes from 192.168.0.5: icmp_seq=5 ttl=64 time=0.028 ms

--- 192.168.0.5 ping statistics ---
5 packets transmitted, 5 received, 0% packet loss, time 3997ms
rtt min/avg/max/mdev = 0.025/0.026/0.028/0.005 ms
(表示の例はここまで)

[補足事項]
「-c」オプションは,試験信号を送る回数を指定しますが,この
オプションを使わず回数を指定しない場合は,「Ctrlキー+C」で
止めないと,いつまでも送り続けます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「wget」 
機能:httpやftp経由でファイルをダウンロードする
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用例>
$ wget (ダウンロードしたいファイルのURL)
指定した場所にあるファイルを現在のディレクトリにダウンロード
して保存します。

[補足事項]
GUIでダウンロードするより,wgetコマンドを使った方がスピードが
速い場合があるようです。


お疲れさまでした。今回はここまでです。ディストリごとに数えると,
扱ったコマンドは,今回で16個。とりあえず,覚えて欲しいコマンド
はあと4つです。

他にもいろいろあるので,絞るのも結構難しいですけど。

次回こそ,X Windowが立ち上がらない場合の対処法を扱います。
結構,ここでつまずく人も多いと思いますので,多少,参考に
なるのではないでしょうか?

次回の配信は8月30日です。またお会いしましょう!

第7回 Linuxの基礎知識 Part3

独学Linuxのvine_userです。
「これならわかる!デスクトップLinux」のご購読ありがとうございます。

とにかく暑いですね。今週はブログ本体の方がなかなか更新でき
ませんでした。月始めには,毎日更新を目論んでいたのですが…。


さて,今回はインストールに関係するコマンドをまとめてみます。

ソースからのインストールやリポジトリの設定などは,また改めて
解説することにして,必要なコマンドだけを説明しておきます。

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 Linuxの基礎知識 Part3
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ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 アプリケーションのインストール
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あるパッケージをインストールするとき,他のパッケージが必要な
ことがあります。むしろ,単体でインストールできるものの方が
少ないと考えていいでしょう。
その場合,必要なものを1つ1つ拾ってくるのは大変です。

そこで,Linuxにはそのような依存パッケージをダウンロードして
一括処理してくれる非常に便利な機能があります。

GUIでは,
UbuntuやVineの場合:Synapticパッケージマネージャ
Fedoraの場合:アプリケーションの追加と削除(pirut)
openSUSEの場合:YaST2(Novell独自の技術)

などがありますが,コマンド操作でインストールする方法もあります。
そのときに用いられるのが,yumやapt-getなどのコマンドです。

CUIでは,
UbuntuやVineの場合:apt-getコマンド
Fedoraの場合:yumコマンド
openSUSEの場合:smartコマンド

ここでは,Fedora7とUbuntu 7.04の場合に絞ってまとめてみます。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 よく使う基本コマンド20 --パッケージ管理編--
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

OSをインストールした直後に入っていないアプリを追加するため
には,そのアプリが含まれているサイト(リポジトリ)を登録する
必要があります。ですが,インストール直後の状態でも,公式サイト
(標準リポジトリ)はすでに登録されています。そこに目的のものが
あるかどうかは別にして…。
マルチメディア関連などは,別な場所にあることが多いです。



ーーー Fedora7 編 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

Fedoraの場合,コマンドラインでインストールするためには,root
にならなくてはいけません。これは,バイナリをユーザがアクセス
できない場所に納めたり,管理者権限でないと変更できないことを
行うためです。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「su」 
機能:ユーザのシェルを起動する
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用例1>
$ su
Password:(rootのパスワードを入力)
# (←この状態になったらrootとしてコマンドを実行できる)
# exit (←最初のユーザに戻る)

<使用例2>
$ su (別な一般ユーザ名)
Password:(そのユーザのパスワードを入力)
$ (←そのユーザとしてコマンドを実行できる)
$ exit (←最初のユーザに戻る)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「yum」 
機能:パッケージのインストールや削除・パッケージの検索
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用例-その1>
# yum install (パッケージ名)
指定したパッケージとその依存するライブラリなどを一括
インストールします。

<使用例-その2>
# yum remove (パッケージ名)
指定したパッケージとその依存するライブラリなどを一括
削除します。

<使用例-その3>
# yum search (パッケージ名または関連するライブラリの名称)
指定したパッケージまたはライブラリを含むパッケージを
リストアップします。

<使用例-その4>
# yum install --enablerepo=(リポジトリ名) (パッケージ名)
指定したリポジトリを有効にして,そのリポジトリを含む形で
パッケージを探し出してインストールします。

なお,これは/etc/yum.repos.d/の中の.repoという拡張子の
ついた設定ファイルで無効になっているリポジトリを使用する
ときに使います。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「rpm」 
機能:単体のrpmパッケージのインストールや削除
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用例-その1>
# rpm -ivh (完全なパッケージ名).rpm
指定したrpmパッケージをインストールします。

<使用例-その2>
# rpm -Uvh (完全なパッケージ名).rpm
指定したrpmパッケージをアップデートします。
新規のインストールにも使えます。

<使用例-その3>
# rpm -e (完全なパッケージ名).rpm
指定したrpmパッケージを削除します。

<使用例-その4>
# rpm -qa
インストールされているrpmパッケージをすべて表示します。

<使用例-その5>
# rpm -qa | grep (文字列)
インストールされているrpmパッケージのうち,(文字列)を含む
パッケージのみを表示します。



ーーー Ubuntu 7.04 編 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

Ubuntuの場合,rootは存在しません。では,管理者権限でないと変更
できないことを行うためにはどうしたらいいか?
それには,sudoというコマンドを加えることにより,一時的に管理者
となってそのコマンドを実行します。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「sudo」 
機能:ユーザのシェル内でrootとしてコマンドを実行する
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用方法>
$ sudo (コマンド)
Password:(ログイン時の一般ユーザのパスワードを入力)
(→rootとしてコマンドが実行される)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「apt-get」 
機能:パッケージのインストールや削除
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用例-その1>
$ sudo apt-get install (パッケージ名)
指定したパッケージとその依存するライブラリなどを一括
インストールします。

<使用例-その2>
$ sudo apt-get remove (パッケージ名)
指定したパッケージとその依存するライブラリなどを一括
削除します。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「dpkg」 
機能:単体のdebパッケージのインストールや削除
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用例-その1>
$ sudo dpkg -i (完全なパッケージ名).deb
指定したdebパッケージをインストールします。

<使用例-その2>
$ sudo dpkg -r (完全なパッケージ名).deb
指定したdebパッケージを削除します。

<使用例-その3>
$ dpkg -l
インストールされているdebパッケージをすべて表示します。

<使用例-その4>
$ dpkg -l | grep (文字列)
インストールされているdebパッケージのうち,(文字列)を含む
パッケージのみを表示します。


GUIのインストーラは他にもいくつかあります。Fedoraでは「yumex」,
Ubuntuでは「Automatix」などが有名ですね。

お疲れさまでした。長くなるので,今週はここまでです。

次回の配信予定は8月23日です。今回の続きで,ソースからの
インストール方法とネットワーク関連のコマンド,それにX Windowが
立ち上がらないときの対処法などを扱う予定です。お楽しみに!

第6回 Linuxの基礎知識 Part3予習編

独学Linuxのvine_userです。
「これならわかる!デスクトップLinux」のご購読ありがとうございます。

今日も暑いですね。みなさんのCPUは大丈夫ですか?
さすがにCPUを焼いてしまったことはありませんが…。

前回の記事を書いていて,コマンドを説明するにも,いろいろと予備
知識が必要だと実感しました。

そこで,今回は臨時便でインストールに関する予備知識をまとめて
説明しておくことにしました。


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 Linuxの基礎知識 Part3予習編
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◎ 用語解説 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

====================
【リポジトリ】
====================


Linuxのアプリケーションは,OSのインストール時に標準で組み込ま
れているものだけでなく,パッケージの配布サイトから入手できる
ものも数多く存在します。

また,その配布サイトも1ヶ所だけでなく,同一のパッケージを配布
するサイトが各国に複数あります。そのようなサイトをミラーサイト
といいます。多くのディストリビューションの場合,デフォルトでは
海外の公式サイトからダウンロードされるように設定されています。

なので,日本国内にミラーサイトがある場合,そこからパッケージを
ダウンロードするように設定しておけば,ダウンロードのスピードが
格段に速くなり,インストール直後のアップデートもスムーズに行う
ことができます。



中には,UbuntuのBerylやCompizFusionのパッケージを配布している

Trevinoさんのように,個人でパッケージを作成して,自分のサイト
で配布している方もおられます。
僕のブログにたまにコメントされているしぐれさんもその1人で,
Fedora用のBerylを配布して下さっています。


一般に,以上のような配布サイトを「リポジトリ」と呼んでいます。



これらのリポジトリからアプリケーションをインストールするため
には,直接そのサイトにとりに行く必要はありません。
そのURLを決められた手順できちんと登録しておけば,Ubuntuなら
apt-get,Fedora7ならyumというコマンドを使ってパッケージ名を
指定するだけで,インストールできるのです。



これらのコマンドの使い方は,次回に紹介します。




====================
【バイナリとソース】
====================


アプリケーションやそれに必要とされるライブラリ(アプリケーション
の実行に必要な補助プログラム)を実行するとき,C言語などで書かれた
テキストのプログラムコードだけでは動きません。

コンピュータが理解できる形の実行ファイルに変換する必要があります。



このような変換作業をコンパイルといい,もとのプログラムコードを
ソースコードまたはソースプログラム(以下「ソース」と略します)と
いいます。

また,コンパイルして出来上がった実行ファイルをバイナリコードまた
はバイナリプログラム(以下「バイナリ」と略します)といいます。



ソースは,プログラムを改良したり,環境に合わせてバイナリを再構築
する際に用いられるもので,通常リポジトリからapt-getやyumなどの
コマンドでインストールされるのは,バイナリです。

ただし,オープンソースの場合,ソースが欲しければ必ず入手できる
ようになっています。また,ライセンスの問題からバイナリを配布せず,
ソースのみを配布している場合もあります。



====================
【rpmパッケージとdebパッケージ】
====================

Linuxでインストールできるパッケージには,大きく分けて拡張子が
「….rpm」となっている「rpmパッケージ」と拡張子が「….deb」と
なっている「debパッケージ」の2種類があります。

FedoraやVineなどは,RedHat Linuxが母体となっており,「rpm」を
採用しています。また,UbuntuなどはDebian GNU/Linuxが母体なので,
Debianで使われている「deb」を採用しています。
このために,前者を「rpm系ディストリビューション」,後者を
「deb系ディストリビューション」と呼んで区別するわけです。

「rpm」形式と「deb」形式ではパッケージの構成が異なるので,
同じLinuxでもrpmパッケージはFedoraやVineでしか使えず,
debパッケージはUbuntuなどでしか使えません。


====================
【GUIでのインストール】
====================


公式サイトのリポジトリにあるパッケージは,ネットワークさえつな
がっていれば初期設定のままでGUIで簡単にインストールできます。

例えば,Ubuntuなら,デスクトップの上側にあるパネルから
「システム」→「システム管理」→「Synapticパッケージマネージャ」
を開き,目的のパッケージを選択して右クリックで「インストール指定」
して「適用」を押すだけです。

Fedoraの場合は,同様にデスクトップの上側にあるパネルから
「アプリケーション」→「アプリケーションの追加と削除」
を開き,インストールしたいパッケージにチェックを入れて「適用」
するだけで,インストールできてしまいます。

それぞれ検索機能があるので,目的のパッケージ名に含まれて
いそうなキーワードを入力すれば大抵のものは見つかります。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

■ 確実に成功させたい人へ

早く3Dデスクトップを試したいと思われる方が多いと思いますが,
もう少し基本的なことを理解してから取り組んだ方が無難だと思います。

なぜなら,失敗した場合,コマンド操作が必要になるケースが多い
からです。
原因や復旧方法がわからず,何度もインストールを繰り返して諦めて
しまった人が大勢いると思います。

知っておきたいコマンドは20個程度で十分だと思っていますので,
もう少し頑張りましょう!

次回の配信は,8月16日です。お楽しみに!

第5回 Linuxの基礎知識 Part2

独学Linuxのvine_userです。
「これならわかる!デスクトップLinux」のご購読ありがとうございます。

暑い日が続いていますが,みなさんのグラボは大丈夫でしょうか?
実は2年ほど前に,グラボが焼けてしまった苦い思い出があります。
きちんと冷却を考えましょう。


さて,今回はちょっと難しいかも知れませんが,Linuxと付き合っていく
以上はぜひ知っておいていただきたい話です。


=================================
 Linuxの基礎知識 Part2
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ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 コマンド操作の利点
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いま100枚の画像データがあるとします。
これらはバラバラのサイズなので,同じ大きさに揃えたいと考えています。

こういうときどうします?
1枚1枚を画像処理ソフトで大きさの変更をしますか?大変ですよね。

実は,ImageMagickというソフトに付随するconvertというコマンドを使うと,
一発で100枚すべてを自動処理できるのです。

こういう使い方があるかどうかわかりませんが,atというコマンドを使えば,
この処理を指定した時刻に実行するように設定することも可能です。

これらはコマンドを利用した1つの例に過ぎません。
最近のLinuxではGUIだけでほとんどの操作がWindowsと同じようにできるように
なってきていますが,GUIだけで使うのはもったいないと思います。

コマンドを理解し,コマンド操作を併用していけば,Windowsとは違ったLinuxの
便利さを実感できるでしょう。また,ソースファイルでしか手に入らないソフト
をインストールする際には,コマンド処理を避けて通ることはできません。

ただし,すべてのコマンドを覚えるのは不可能ですし,その必要もありません。
ここでは僕が普段よく使うものだけに絞って,用途別にまとめてみます。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 よく使う基本コマンド20 --ファイル管理編--
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あらかじめ断っておきますが,これから説明するコマンドの機能には,GUI
で簡単に操作できるものも多く含まれます。ですが,基本は大切です。

コマンドには,「-r」とか「-i」とかいう形で追加するオプションがあり
ますが,これも普段使わないものは省略します。大抵のコマンドには,
「--help」というオプションがあるので,それを参考にして下さい。
また,cpコマンドであれば「man cp」などと入力すれば,マニュアルページ
が表示されますので,そちらも参考になるでしょう。

ちなみに,以下で出てくる「ディレクトリ」という用語については後述の
「用語解説」を参考にして下さい。わかりやすくするため,適宜,ディ
レクトリをフォルダという呼び方で説明しています。


■ ファイルのコピー・削除
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「cp」 
機能:ファイルやディレクトリをコピーする
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用例-その1>
$ cp ファイル1 ファイル2
「ファイル1」というファイルを「ファイル2」という名前でコピーします。
<使用例-その2>
$ cp -r フォルダ1 フォルダ2
「フォルダ1」というフォルダを中身ごと「フォルダ2」にコピーします。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「rm」 
機能:ファイルやディレクトリを削除する
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用例-その1>
$ rm ファイル1
「ファイル1」というファイルを削除します。
<使用例-その2>
$ rm -r フォルダ1
「フォルダ1」というフォルダとその中身を削除します。
<使用例-その3>
$ rm -rf フォルダ1
「フォルダ1」というフォルダとその中身を強制的に削除します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「mv」 
機能:ファイルやディレクトリの移動・名前の変更をする
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用例-その1>
$ mv ファイル1 ../ファイル2
「ファイル1」というファイルを1つ上のフォルダに「ファイル2」
という名前で移動します。
<使用例-その1>
$ mv -t フォルダ1 ファイル1
「ファイル1」というファイルを「フォルダ1」というフォルダの中に
に移動します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「mkdir」 
機能:ディレクトリを作成する
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用例-その1>
$ mkdir フォルダ1
現在の位置に「フォルダ1」という名前のフォルダを作成します。
<使用例-その2>
$ mkdir -p testup/testdown
現在の位置に「testup」という名前のフォルダを作成し,さらにその
中に「testdown」という名前のフォルダを作成します。


■ ディレクトリの移動・現在位置での確認
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「cd」 
機能:ディレクトリを移動する
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用例-その1>
$ cd フォルダ1
現在のディレクトリの下にある「フォルダ1」というディレクトリに移動
します。「フォルダ1」が存在しなければエラーになります。
<使用例-その2>
$ cd ../
現在の位置から1つ上のディレクトリへ移動します。
$ cd
現在の位置からユーザのホームディレクトリへ移動します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「pwd」 
機能:現在のディレクトリの場所を確認する
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用例> vine-userというユーザの場合,Gnome端末を開いた直後では
$ pwd
/home/vine-user
という形で表示されます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コマンド名「ls」 
機能:ファイルやディレクトリの情報を表示する
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<使用例-その1>
$ ls
現在のディレクトリの中にあるファイルやフォルダの名前を一覧表示します。
<使用例-その2>
$ ls -a
現在のディレクトリの中にある「.」(ドット)で始まる隠しファイルや隠し
フォルダを含めたすべてのファイルやフォルダの名前を一覧表示します。
<使用例-その3>
$ ls | grep (文字列)
名前に(文字列)を含んだファイルやフォルダのみを一覧表示します。
<使用例-その4>
$ ls | less
多くのファイルが含まれているとき,表示が先に流れてしまわないように
先頭が見える形で表示をストップします。続きを見るには,Enterキーを
押し,途中でやめるにはqキーを押します。

(注意)使用例-その3・4のgrepやlessは独立したコマンドですが,
   組み合わせて使うことが多いので,ここに挙げておきました。

■ シェルの補完機能
一度入力したコマンドは,シェルの中に履歴として残っています。
この履歴は,↑キーや↓キーを使って呼び出すことが出来ます。
これをシェルの補完機能といって,同じコマンドを繰り返し実行したい
ときに非常に便利。

これは,コマンドそのものではありませんが,コマンド操作でよく使うので
覚えておくといいでしょう。

もう1つの補完機能。GUIで目に見えているフォルダをGNome端末に
ドラッグすると,そのフォルダのディレクトリが入力されます。

例えば,目的のフォルダが見えるようにファイルブラウザを開いておき,
cdと入力してから,そのフォルダをドラッグします。すると,一気に
そのディレクトリへ移動できるというメリットがあります。


今回はこれまで。次回は,アプリケーションのインストールに関連した
コマンドを中心に解説します。


◎ 用語解説 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【ディレクトリ】
フォルダ(ファイルの格納場所)やファイルの場所を表すものと考えていい
でしょう。例えば,vine-userというユーザのデスクトップの場所は
/home/vine-user/Desktop
という名前のディレクトリになります。このユーザでログインしている場合,
Gnome端末を開いた直後は
/home/vine-user
という名前のディレクトリにいることになります。このディレクトリを特に
そのユーザのホームディレクトリといいます。
なお,「/」の記号はディレクトリの境目を表していて,単に「/」とだけ書くと
PC内のLinuxシステムのすべてを含む一番上のディレクトリを表します。

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★★★★ 付録 [独学Linuxの裏話] ★★★★★★★★★★★★★★★★★

僕が心の中で「Google予算」と呼んでいるものがあります。何かというと,
Adsenseの収入です。ブログに書くと金目当てかと勘違いされるので,あえて
ブログでは触れませんけど,最近ではほぼ毎月120ドル程度の収入があります。

この「Google予算」ですが,どうも個人的にパーっと使う気になれないんです。
何かの形で読者の方々に還元しなきゃいけないと思ってしまいまして…。
結果的に,どうしているかというと,実はブログで紹介している実験を行う上
で必要なハードウェアの購入に当てているんです。
以前からのブログの読者の方々には見覚えがあると思いますが,Wiiリモコン
やiPod,実験用HDD,昨日のブログで取り上げたATIのグラボなどは,すべて
「Google予算」の産物です。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


次回の配信は,8月16日です。もう少しコマンドの説明が続きますが,
ちょっとだけ我慢してお付き合い下さい。

第4回 ディストリビューションの種類

独学Linuxのvine_userです。
「これならわかる!デスクトップLinux」のご購読ありがとうございます。

初回の配信以降,多くの方に登録していただいたので,番外編を
お送りします。

今回は,ディストリビューションの種類を説明しておきます。

Linuxの基礎知識Part0 で解説しているように、Linuxはいろいろな
ディストリビューションに分かれています。
今回はそれらについてまとめてみましょう。
ちなみに,RPM系とかdeb系とか書きましたが,いまはわからなくても
構いませんので,気にしないで下さい。


●Fedora(フィドーラ、フェドーラ、フェドラ)
RPM系Linuxディストリビューションの1つ。リリース6までは
Fedora Coreと呼ばれていました。最新安定バージョンは
「Fedora7」。F7と略されます。
ちなみに、FedoraCore6はFC6ですね。

開発はFedora Projectで行われていて、レッドハットがこれ
を支援していて,開発されたFedoraは、同社製OSの
Red Hat Enterprise Linux(RHEL)のベースとなっています。
恐らく国内のWEBサーバーの大半はこれを使っています。


●openSUSE(オープンスーゼ)
RPM系Linuxディストリビューションの1つ。米Novell社が販売
している「Novell SUSE Linux」のオープンソース版。
イメージキャラクタはカメレオンです。

コミュニティのopenSUSEプロジェクトが開発・提供しています。
最近話題の3Dデスクトップの先駆けとなったXglを導入して注目
されました。バージョン10.0からユーザーコミュニティに開発プロ
ジェクトを開放してSuSE LinuxからopenSUSEと改名。
最新安定バージョンは「openSUSE 10.2」です。
ちなみに商用の「Novell SUSE Linux」にはデスクトップ版があります。


●Ubuntu(ウブントゥ)
deb系Linuxディストリビューションの1つ。Debian GNU/Linuxを
ベースにしていますが、より使いやすさや、定期的なリリース、イン
ストールの容易さを重視して、デスクトップに主眼をおいています。

南アフリカ生まれのマーク・シャトルワースが創業したCanonical社
から支援を受けていて、Ubuntuの名はアフリカの言葉で「他者への
思いやり」などの意味をもっているそうです。
LiveCDからのインストールをいち早く採用しました。


●Vine Linux(ヴァイン リナックス)
RPM系Linuxディストリビューションの1つ。日本国産なので,日本語
の対応が進んでおり,日本では人気の高い Linuxディストリビューション
です。Linuxの入門用ディストリビューションともいえます。

現在は、Project Vineのメンバーを中心に開発が進められています。
開発版の名称は VineSeed。株式会社日本ブレインウェア から支援を
受けていて,商用版がこの会社から販売されています。


この他にも有償・無償のものを合わせて,数百種類ものディストリ
ビューションが存在し,毎日多くの最新版が公開され続けています。

参考→http://distrowatch.com/


次回の配信は,8月9日です。お楽しみに!

第3回 Linuxの基礎知識 Part1の補足

独学Linuxのvine_userです。
「これならわかる!デスクトップLinux」のご購読ありがとうございます。

初回の配信でフッターが表示されていないことに気づきましたので、
臨時便をお送りいたします。

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 Linuxの基礎知識 Part1の補足
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「GUIとCUI」,「rootと一般ユーザ」の違いはわかっていただけましたか?

LinuxのGUIは,Xウィンドウと呼ばれるプログラム・GnomeやKDEなどの
デスクトップ統合環境・metacityなどのウィンドウマネージャの組合せ
で実現されています。

最近はやりの3DデスクトップでCompizとかBerylとかCompizFusion
という名前を聞いたことのある方もいると思います。僕もブログで扱って
いますが,これは上の区分でいうとウィンドウマネージャに相当します。

また,XGLという名前も聞いたことがあるのではないでしょうか?
これはXウィンドウの代わりとして使われるもので,Berylなどを実行する
土台となるものです。最近では,XウィンドウにXGLと同じ役割を果たす
Aiglxという機能が採り入れられていて,XGLはあまり使われていません。

第2回 Linuxの基礎知識 Part1

独学Linuxのvine_userです。
「これならわかる!デスクトップLinux」のご購読ありがとうございます。

1年半、独学Linuxというブログを書いてきて、できるだけわかりやすい
内容にしてきたつもりですが、初心者には難しすぎるのではないかという
気がしています。そこで、今回からメルマガで少しずつ学習するという形
でお届けすることにしました。疑問点は下記のメールアドレスまでご連絡
いただければ、可能な限りアドバイスさせていただきたいと思います。

=================================
 Linuxの基礎知識 Part1
=================================

今回はいくつかの用語を説明しておきましょう。

■GUIとCUI
GUI(グラフィックユーザインターフェイス)というのは、WindowsやOSXと
同じように、ディスプレイ上にデスクトップ画面が表れてウィンドウを操作
する形のインターフェイスです。Windowsしか知らない人にとっては、当り前
の画面ですが、Linuxはサーバー用途で使われることが多いので、必ずしも
GUIを必要とはしないのです(デスクトップLinuxでは必須ですけど)。

それではどうやってコンピュータとやりとりするかということですが、文字
データ(アルファベットや数字や!#$%&などの特殊文字)だけでやりとりする
んです。そのための入出力の画面がCUI(コマンドラインインターフェイス)
で、bashとかtcshなどのシェル(shell)というプログラムを介して"会話"
を行います。この仕組みをGUI上で使うには、Gnome端末などを使います。

Linuxでは標準シェルとしてbashが採用されています。OpenBSDやMac OSX
などのBSD系OSではtcshが標準シェルになっています。Gnome端末を開くと

vine-user@ubuntu:~$
vine-user@ubuntu:~#

という表示が出ますが、これがbashです。ちなみに、一般ユーザのときは$で、
rootと呼ばれる管理者のときに#という表示に変わります。rootについては
下記を参照して下さい。なお、tcshでは

vine-user@ubuntu:~%

という表示になります。

■rootと一般ユーザ
Linuxは原則として複数の人が共用するマルチユーザシステムになっています。
ところが、すべてのユーザーが何でも出来てしまったら、勝手にいじってシス
テムを壊してしまう危険性があります。

そこで、普通のアプリケーションだけを使うユーザーとシステム管理を行う
ユーザーを区別して、前者を一般ユーザ、後者をrootとかスーパーユーザと
呼んでいます。普通は、インストール時にrootのパスワードを設定しますが、
Ubuntu Linuxでは、セキュリティー上の理由からrootを作らないように
なっています。この場合、システムに変更を加えるためには、sudoという
コマンドを利用します。これは一時的に管理者としてコマンドを実行する
プログラムです。パスワードは一般ユーザのものを使えばいいという設定に
なっています。

使いはじめて間もない時期には、いろいろ設定ファイルを変更しなければなら
ないことが多く、面倒くさいためか、常にrootでログインする人がいますが、
なるべく避けた方がいいでしょう。なぜなら、rootはスーパーユーザという
名前から想像できるように、何でも出来てしまうからです。

例えば、一番上のディレクトリ(すべてのファイルを格納している場所)で次の
コマンドを打ったら完全にアウトです。

# rm -rf *

rm -rfは以下のディレクトリの中身を強制的に完全に消去しろという命令。
*はすべてのファイルを意味します。
つまり、「コンピュータの中身を全部消せ」ってことです。
最初の頃は、重要な設定ファイルを間違えて変更してしまったり、最悪消して
しまうことも考えられます。多少面倒でも、一般ユーザでログインしましょう。

次回の配信は、8月9日です。通常よく使うコマンドについて解説します。

第1回 Linuxの基礎知識 Part0

はじめまして。vine_userです。
「これならわかる!デスクトップLinux」のご購読ありがとうございます。

1年半、独学Linuxというブログを書いてきて、現在1日900名を越える
ユニークユーザ数に至っています。できるだけわかりやすい内容にして
きたつもりですが、初心者には難しすぎるのではないかという気がして
きました。そこで、今回からメルマガで少しずつ学習するという形で
お届けすることにしました。疑問点は下記のメールアドレスまでご連絡
いただければ、可能な限りアドバイスさせていただきたいと思います。

==================================
 Linuxの基礎知識 Part0
==================================

Q.そもそもLinuxって何?

A.WindowsXPやMac OSXと同様に、コンピュータを制御するOSの一種と考
えていいでしょう。正確には、カーネルというOSの中心部分だけを指す
もので、Linuxカーネルとも呼ばれます。一般に、Linuxカーネルを用い
たOSを単に「Linux」と呼んでいます。

Q.オープンソースって何?

A.一般に、WindowsXPなどを含む市販のソフトウェアは、勝手に改変され
ないようにソースコード(プログラムの設計書みたいなもの)を秘密にして
実行プログラムだけを売っています。これに対して、ソースコードを公開
して世界中の多くのボランティアが少しずつ改良を加えられるようなライ
センス形態をとるプログラムを「オープンソース」といいます。

Q.ディストリビューションって何?

A.「Linux」を構成するプログラムの多くは、オープンソースで構成され
ていて別々のプロジェクトで開発されています。
だからそれらの組み合わせによっては、うまく動作しないこともあるわけ
です。そこで、できるだけ相性のよいアプリケーションを組み合わせたも
のをパッケージで配布する形をとっており、そうしたパッケージを「ディ
ストリビューション」と呼んでいます。

Q.ウィルスに感染しないって本当?

A.正確にいうと、嘘です。ただ、現時点ではデスクトップ用途で使う人が
少ないので、ほとんど出回っていないようです。Windowsをターゲットに
したウィルスには感染しませんが、ファイル共有などでWindowsと併用する
場合、併用しているWindowsに感染してしまうという事態も考えられますの
で、注意が必要でしょう。

Q.インストールが難しいって聞いたけど?

A.ものによっては難易度が高いものもありますが、数年前よりずっと簡単
になっています。UbuntuなどはWindowsのインストールよりずっと楽です。
中にはインストールしなくても使える1CD Linuxと呼ばれるものもあります。

Q.Linuxはどこで手に入るの?

A.一番簡単なのは、書店で販売している雑誌などの付録を利用することで
しょう。最近は種類が少なくなっていますが、日経Linuxなどは毎月発行
されています。各ディストリビューションの公式サイトやミラーサイトで
CDイメージファイルをダウンロードしてCDやDVDに焼いて、インストール用
のディスクを自分で作ることもできます。SUSE Linux Enterprise Desktop
などの商用Linuxを購入するという方法もあります。

今回は初回なので、Q&A形式でお届けしました。
次回からは、もう少し具体的な内容に触れていきますので、お楽しみに!